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公開番号
2024155523
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023070308
出願日
2023-04-21
発明の名称
車両用空調システム
出願人
サンデン株式会社
代理人
弁理士法人エビス国際特許事務所
主分類
B60H
1/00 20060101AFI20241024BHJP(車両一般)
要約
【課題】車両のユーザの乗車時刻を正確に予測することで、予測した乗車時刻に応じて、乗車時の快適性を維持すると共に車載機器の性能を確保した最適なプレ温調を実行する。
【解決手段】車両に搭載され、冷媒回路と冷媒回路の冷媒と熱交換可能な熱媒体が循環する熱媒体回路とを有し、車両のユーザの乗車前に予め車室内の空調及び車載機器の温調の何れか一方又は両方を行うプレ温調を実行可能な車両用空調装置と、所定期間に亘って蓄積されたユーザの行動を示す行動情報に基づいて車両への乗車前一定時間における行動ルーチンをユーザ毎に生成し、行動ルーチン及び行動情報に基づいてユーザの乗車時刻を予測し、乗車時刻に応じてプレ温調の開始時刻を決定し、開始時刻にプレ温調を開始するように車両用空調装置に指示を行う制御装置と、を備えた車両用空調システムを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され、冷媒回路と前記冷媒回路の冷媒と熱交換可能な熱媒体が循環する熱媒体回路とを有する車両用空調装置と、
前記車両用空調装置を制御する制御装置と、を備えた車両用空調システムであって、
前記車両用空調装置は、
前記車両のユーザの乗車前に予め車室内の空調及び車載機器の温調の何れか一方又は両方を行うプレ温調を実行可能であり、
前記制御装置は、
所定期間に亘って蓄積されたユーザの行動を示す行動情報に基づいて、前記車両への乗車前一定時間における行動ルーチンをユーザ毎に生成する行動ルーチン生成部と、
前記行動ルーチンと前記行動情報とを取得する行動情報取得部と、
前記行動ルーチン及び前記行動情報に基づいてユーザの前記車両への乗車時刻を予測する乗車予測部と、
前記乗車時刻に応じてプレ温調の開始時刻を決定し、前記開始時刻にプレ温調を開始するように前記車両用空調装置に指示を行うプレ温調指示部と、
を備えた車両用空調システム。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記行動ルーチン生成部は、前記行動情報によって示される行動が行われた頻度に応じて前記行動情報を複数のグループに分類し、頻度の最も高いグループに属する前記行動情報によって示される行動をユーザが前記車両の乗車前に必ず行う必須行動とし、当該必須行動を組み合わせることによりユーザ毎の行動ルーチンを生成する、請求項1記載の車両用空調システム。
【請求項3】
前記行動ルーチン生成部は、前記行動情報によって示される行動が行われた頻度の高い順に、前記行動情報を必須行動グループ、準必須行動グループ、及び、任意行動グループの少なくとも3つのグループに分類し、前記必須行動グループに分類された前記行動情報及び前記準必須行動グループに分類された前記行動情報によって示される行動を組み合わせることによりユーザ毎の行動ルーチンを生成する、請求項1記載の車両用空調システム。
【請求項4】
前記行動ルーチン生成部は、予め定めた周期で前記行動ルーチンを更新する、請求項1から請求項3の何れかに記載の車両用空調システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調システムに関し、特に、車両のユーザの乗車前に予め車室内の空調や車載機器の温調を行うプレ温調機能を有する車両用空調システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された車両用空調システムにおいて、車両のユーザによる操作やタイマ設定等により、ユーザの乗車前に、車室内を予め空調するプレ空調を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。プレ空調は、ユーザの乗車時における快適性を向上させるものであることから、ユーザの乗車時刻(乗車のタイミング)に合わせて、車室内が目標温度ないしはこれに近い温度となるように実行されることが望ましい。
【0003】
また、バッテリから供給される電力によって走行するハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicles、PHV:Plug-in Hybrid Vehicles)や電気自動車(EV:Electric Vehicles)等の車両では、バッテリの性能を確保して劣化を抑制するために、車両の走行前に、バッテリが所望の温度となるように予め温調することが望ましい。
【0004】
前述のようなバッテリを搭載した車両に適用される車両用空調システムとして、冷媒回路と熱媒体回路とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献2)。このような車両用空調システムでは、冷媒回路を駆動することで得られる放熱と吸熱やバッテリを含む車載機器の廃熱などを、熱媒体回路によって各所に移動させることで、バッテリを含む車載機器の温調、前述のプレ空調及び走行中の車室内の空調を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5399333号公報
特開2022-180136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両用空調システムが、前述のような冷媒回路の熱を熱媒体回路の熱媒体を介して車室内の空調及び車載機器の温調に用いるシステムである場合には、熱媒体を介さずに冷媒回路の熱をそのまま車室内の空調や車載機器の温調に用いる場合に比して、即暖及び即冷に課題がある。すなわち、冷媒回路と熱媒体回路とを併用する車両用空調システムでは、冷媒回路のみを用いた車両用空調システムに比して、プレ空調や走行前のバッテリ温調(以下、プレ空調と走行前のバッテリ等車載機器の温調とを合わせて「プレ温調」という)の実行時間が長期化し、その分、プレ温調に要する消費電力量が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
このため、冷媒回路と熱媒体回路とを併用する車両用空調システムにおいて、プレ温調を行う場合には、ユーザの予定した乗車時刻に合わせてプレ温調を開始させるなど、プレ温調の実行のタイミング(実行開始時刻)や実行時間等を最適化することが求められる。
これに対して、ユーザの乗車時刻を固定化し、乗車時刻から逆算した時刻に手動で又はタイマ設定等によりプレ温調を開始させることもできるが、乗車時刻を固定化すると、ユーザにとっては乗車前の行動が制限されてストレスを感じてしまうことがある。また、ユーザによる手動での設定の場合には、設定に手間を要してしまうことに加え、設定をし忘れてしまう場合もある。さらに、タイマ設定等による自動設定の場合には、乗車しない場合にプレ温調の実行が無駄になってしまう。
【0008】
本発明は、このような問題に対処することを課題としている。すなわち、車両用空調システムにおいて、車両のユーザの乗車時刻を正確に予測することで、予測した乗車時刻に応じて、乗車時の快適性を維持すると共に車載機器の性能を確保した最適なプレ温調を実行すること、などが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明の一態様は、以下の構成を具備する。
すなわち、本発明の一態様に係る車両用空調システムは、車両に搭載され、冷媒回路と前記冷媒回路の冷媒と熱交換可能な熱媒体が循環する熱媒体回路とを有する車両用空調装置と、前記車両用空調装置を制御する制御装置と、を備えた車両用空調システムであって、前記車両用空調装置は、前記車両のユーザの乗車前に予め車室内の空調及び車載機器の温調の何れか一方又は両方を行うプレ温調を実行可能であり、前記制御装置は、所定期間に亘って蓄積されたユーザの行動を示す行動情報に基づいて、前記車両への乗車前一定時間における行動ルーチンをユーザ毎に生成する行動ルーチン生成部と、前記行動ルーチンと前記行動情報とを取得する行動情報取得部と、前記行動ルーチン及び前記行動情報に基づいてユーザの前記車両への乗車時刻を予測する乗車予測部と、前記乗車時刻に応じてプレ温調の開始時刻を決定し、前記開始時刻にプレ温調を開始するように前記車両用空調装置に指示を行うプレ温調指示部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を備えた本発明の車両用空調システムでは、車両のユーザの乗車時刻を正確に予測することで、予測した乗車時刻に応じて、乗車時の快適性を維持すると共に車載機器の性能を確保した最適なプレ温調を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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