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公開番号2024135532
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046273
出願日2023-03-23
発明の名称車両用空調システム
出願人サンデン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B60H 1/22 20060101AFI20240927BHJP(車両一般)
要約【課題】電力消費の抑制を図りつつ所定の車載機器の温度を調節する。
【解決手段】車両用空調システム1は、冷媒を気液の相変化を繰り返して循環させるヒートポンプユニット2と、冷媒と熱交換された熱媒体との熱交換によって温度調節された空調風を生成し、該空調風を車室内に吹き出す空調ユニット3と、車両に搭載される所定の車載機器Xの温度を調節する機器温調ユニット5と、を含む。ヒートポンプユニット2は、冷媒について、少なくとも、第1温度の高温冷媒Rhと、第1温度よりも低い第2温度の低温冷媒Rcと、第1温度と前記第2温度の間の第3温度の中温冷媒Rmと、を生成し、機器温調ユニット5は、中温冷媒Rmを用いて車載機器Xの温度を調節する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
冷媒を気液の相変化を繰り返して循環させるヒートポンプユニットと、
前記冷媒との熱交換によって又は前記冷媒と熱交換された熱媒体との熱交換によって温度調節された空調風を生成し、該空調風を車室内に吹き出す空調ユニットと、
車両に搭載される所定の車載機器の温度を調節する機器温調ユニットと、
を含む、車両用空調システムであって、
前記ヒートポンプユニットは、前記冷媒について、少なくとも、第1温度の高温冷媒と、該第1温度よりも低い第2温度の低温冷媒と、前記第1温度と前記第2温度の間の第3温度の中温冷媒と、を生成し、
前記機器温調ユニットは、前記中温冷媒を用いて前記車載機器の温度を調節する、
車両用空調システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
複数のポンプ及び複数の流路切替弁を有し前記熱媒体が流れるように構成された熱媒体流路網を、含み、
前記空調ユニットは、前記熱媒体流路網を流れる前記熱媒体との熱交換によって前記空調風を生成し、
前記機器温調ユニットは、前記中温冷媒と熱交換された前記熱媒体を介して前記車載機器の温度を調節する、請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項3】
前記ヒートポンプユニットは、少なくとも、前記高温冷媒と前記熱媒体との熱交換を行う高温熱交換器と、前記低温冷媒と前記熱媒体との熱交換を行う低温熱交換器と、前記中温冷媒と前記熱媒体との熱交換を行う中温熱交換器と、を有している、請求項2に記載の車両用空調システム。
【請求項4】
前記ヒートポンプユニットは、前記冷媒の流れ方向について直列に配置される複数の圧縮機を有すると共に、前記高温冷媒の一部を膨張させて前記複数の圧縮機のうちの最下流に配置される圧縮機以外の圧縮機に戻すように構成されている、請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項5】
前記ヒートポンプユニットは、多段圧縮式の一つの多段圧縮機を有すると共に、前記高温冷媒の一部を膨張させて前記多段圧縮機内の中間圧領域に戻すように構成されている、請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項6】
前記空調ユニットは、空気を前記車室内に導くダクトと、該ダクト内において前記空気を前記車室内に向けて送風する送風機と、前記ダクト内に空気の流れ方向において直列に配置され前記空気を加熱又は冷却する複数の室内熱交換器と、を有し、
前記車両用空調システムが冷房モードで作動するとき、前記中温熱交換器で熱交換された前記熱媒体は前記機器温調ユニットと前記複数の室内熱交換器のうちの風上側室内熱交換器を流れ、前記低温熱交換器で熱交換された前記熱媒体は前記複数の室内熱交換器のうちの風下側室内熱交換器を流れる、請求項3に記載の車両用空調システム。
【請求項7】
前記ヒートポンプユニットは、冷媒流路において前記高温熱交換器と直列に配置され、前記高温熱交換器から吐出した前記高温冷媒と、前記中温熱交換器に流入する前記中温冷媒又は前記中温熱交換器から吐出した前記中温冷媒との熱交換を行う、過冷却熱交換器を有する、請求項3に記載の車両用空調システム。
【請求項8】
前記過冷却熱交換器に分流させる前記中温冷媒の流量を調節する流量調節弁を有する、請求項7に記載の車両用空調システム。
【請求項9】
前記ヒートポンプユニットは、前記冷媒の流れ方向について直列に配置される複数の圧縮機を有すると共に、前記高温冷媒の一部を膨張させて前記複数の圧縮機のうちの最下流に配置される圧縮機以外の圧縮機に戻すように構成されており、
前記流量調節弁は、前記最下流に配置される前記圧縮機の回転数が所定の閾値より高い場合には、前記流量を増加させ、前記最下流に配置される前記圧縮機の回転数が前記所定の閾値以下の場合には、前記流量を減少させる、請求項8に記載の車両用空調システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内を空調する車両用空調システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷媒が流れる回路上に圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有するヒートポンプユニットと、複数のポンプ及び複数の流路切替弁を有すると共に熱媒体が流れるように構成された熱媒体流路網と、空気ダクト内に配置された複数の車室内熱交換器を有する車室内空調ユニットと、を含む車両用空調システムが記載されている。この車両用空調システムにおいて、ヒートポンプユニットは冷媒を循環させることにより凝縮器で高温冷媒を生成すると共に蒸発器で低温冷媒を生成し、熱媒体流路網の熱媒体はヒートポンプユニットを循環する冷媒(高温冷媒又は低温冷媒)との熱交換によって加熱又は冷却され、車室内空調ユニットはヒートポンプユニットの冷媒と熱交換された熱媒体との熱交換によって温度調節された空調風を生成しこの空調風を車室内に吹き出すことで車室内の空調を行う。そして、特許文献1には、車両に搭載されたバッテリがヒートポンプユニットの低温冷媒と熱交換された熱媒体によって冷却されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-045068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された車両用空調システムでは、車両に搭載されたバッテリを冷却するための冷媒として、低温冷媒により冷却された車室内冷房に用いる熱媒体を用いているため、バッテリが過度に冷却されるおそれがある。また、必要とする温度よりも低い熱媒体温度を用いると、バッテリの冷却だけを考慮すると、圧縮機の圧縮比が過度に大きくなり、必要とする温度より低温の熱媒体が流れるので配管(流路)からの放熱も多くなるので、エネルギーが無駄に消費され得る。
【0005】
なお、このようなおそれは、空調ユニットが冷媒と熱交換された熱媒体との熱交換によって空調風を生成する場合に限られるものではなく、空調ユニットが冷媒との直接的な熱交換によって空調風を生成する場合にも同様に生じ得ると考えられる。そして、温度を調節する対象は、バッテリに限られるものではなく、モータなどの他の所定の車載機器も想定される。
【0006】
そこで、本発明は、電力消費の抑制を図りつつ所定の車載機器の温度を調節することのできる車両用空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、冷媒を気液の相変化を繰り返して循環させるヒートポンプユニットと、前記冷媒との熱交換によって又は前記冷媒と熱交換された熱媒体との熱交換によって温度調節された空調風を生成し、該空調風を車室内に吹き出す空調ユニットと、車両に搭載される所定の車載機器の温度を調節する機器温調ユニットと、を含む、車両用空調システムが提供される。この車両用空調システムにおいて、前記ヒートポンプユニットは、前記冷媒について、少なくとも、第1温度の高温冷媒と、該第1温度よりも低い第2温度の低温冷媒と、前記第1温度と前記第2温度の間の第3温度の中温冷媒と、を生成し、前記機器温調ユニットは、前記中温冷媒を用いて前記車載機器を冷却する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電力消費の抑制を図りつつ所定の車載機器を冷却することのできる車両用空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係る車両用空調システムの全体構成を示す概略図である。
前記車両用空調システムの冷房モードの動作の例を示す図である。
前記車両用空調システムの冷房モードの別の動作の例を示す図である。
前記車両用空調システムの中間期モードの動作の例を示す図である。
前記車両用空調システムの除湿暖房モードの動作の例を示す図である。
前記車両用空調システムの暖房モードの動作の例を示す図である。
前記車両用空調システムのバッテリ加熱モードの動作例を示す図である。
前記車両用空調システムの変形例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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