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公開番号2024155168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069628
出願日2023-04-20
発明の名称設計支援システム及び設計支援方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G06F 8/61 20180101AFI20241024BHJP(計算;計数)
要約【課題】クラウドデプロイシステムのアーキテクチャ設計に関し、非機能要件の充足性が高いシステムアーキテクチャの候補の発見を効果的に行う。
【解決手段】クラウドデプロイシステムのアーキテクチャの設計支援を行う設計支援システムは、新規にクラウド上にデプロイする新規システムとクラウド上で稼働中の稼働システムとがリソースを共有した場合のアーキテクチャ候補と、共有しない場合のアーキテクチャ候補を作成する。リソースを共有した場合とリソースを共有しない場合の両方のケースのアーキテクチャ候補に対して、稼働システムの非機能要件と、新規システムの非機能要件とを充足するアーキテクチャ候補を、クラウド上にデプロイするアーキテクチャと決定する。
【選択図】図19
特許請求の範囲【請求項1】
多段のノードで構成される処理フローを有する新規システムをクラウド上にデプロイする際のアーキテクチャの設計を支援する設計支援システムであって、
前記設計支援システムは、
記憶部と、メモリと、前記メモリと協働するプロセッサと、を有し、
前記記憶部は、
前記クラウド上で稼働中の稼働システムが使用する前記クラウドのリソースを示す稼働システム構成情報と、
前記稼働システムが充足すべき非機能要件を示す稼働システム非機能要件情報と、
前記リソースの性能に関する制約を示す制約情報と、を格納し、
前記プロセッサは、
前記新規システムが前記クラウド上にデプロイされて稼働する際に使用する前記リソースの組合せを示す第一アーキテクチャ候補と、前記新規システムのアーキテクチャが充足すべき非機能要件を示す新規非機能要件と、の入力を受け付け、
前記第一アーキテクチャ候補が前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを含むか否かを判定し、
前記第一アーキテクチャ候補に含まれる前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを前記新規システムと前記稼働システムとが共有した場合に、該リソースに係る前記制約が充足されるか否かを判定し、
前記制約が充足される場合に、前記新規システムと前記稼働システムとが共有できる前記リソースの特定情報を含めた前記第一アーキテクチャ候補を第二アーキテクチャ候補に追加し、
前記新規システムと前記稼働システムとが前記リソースを共有しない場合の前記第一アーキテクチャ候補を前記第二アーキテクチャ候補に追加し、
前記第二アーキテクチャ候補が前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足するか否かを評価し、
前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足する前記第二アーキテクチャ候補を前記クラウド上にデプロイする前記新規システムのアーキテクチャと決定する
ことを特徴とする設計支援システム。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の設計支援システムであって、
前記制約情報は、前記リソースの性能を向上させる際の閾値を含み、
前記プロセッサは、
前記第一アーキテクチャ候補が前記稼働システムと共有される前記リソースを含む際に該リソースに係る前記制約が充足されない場合、前記閾値の範囲内で該リソースの性能を向上させたときに該リソースに係る前記制約が充足されるか否かを判定し、
前記性能を向上させた前記リソースを共有可能である前記第一アーキテクチャ候補を前記第二アーキテクチャ候補に追加する
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の設計支援システムであって、
前記記憶部は、
前記新規システムを構成するシステム要素に対して該システム要素の性能値を含む特徴を対応付けた特徴情報を格納し、
前記プロセッサは、
前記処理フローの入力を受け付け、
前記処理フローを、複数の前記ノードへ分割し、
複数の前記ノードに対して前記新規非機能要件を充足することができる各前記システム要素と各前記システム要素の性能値を決定し、
複数の前記システム要素の組合せを前記第一アーキテクチャ候補として生成する
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の設計支援システムであって、
前記処理フローは、入力ノードと加工・出力ノードとを含んで構成される
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の設計支援システムであって、
前記記憶部は、
キューに対して該キューの性能値を含む特徴を対応付けたキュー特徴情報と、
処理システムに対して該処理システムの性能値を含む特徴を対応付けた処理システム特徴情報と、
前記加工・出力ノードの処理負荷を該加工・出力ノードを構成する関数の処理に係る負荷を合計して算出する際の該関数に該負荷を対応付けたノード負荷情報と、
前記処理負荷に対して前記処理システムが該処理負荷の処理に必要とする性能値を対応付けた負荷・性能対応情報と、を格納し、
前記プロセッサは、
前記処理フローの入力を受け付け、
前記処理フローを、入力ノードと加工・出力ノードへ分割し、
前記キュー特徴情報に基づいて、前記入力ノードに対して前記新規非機能要件を充足することができる前記キューと前記キューの性能値を決定し、
前記処理システム特徴情報、前記ノード負荷情報、及び前記負荷・性能対応情報に基づいて、前記加工・出力ノードに対して前記新規非機能要件を充足することができる前記処理システムと該処理システムの前記性能値を決定し、
前記キューと前記処理システムの組合せを前記第一アーキテクチャ候補として生成する
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の設計支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記新規非機能要件の中で優先する非機能要件を示す優先要件の入力を受け付け、
前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足する前記第二アーキテクチャ候補が複数存在する場合に、前記優先要件に基づいて、前記クラウドにデプロイする前記新規システムのアーキテクチャを決定する
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の設計支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記クラウドにデプロイすると決定した前記第二アーキテクチャ候補を前記クラウド上にデプロイし、
前記新規非機能要件を前記稼働システム非機能要件情報に追加する
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項8】
多段のノードで構成される処理フローを有する新規システムをクラウド上にデプロイする際のアーキテクチャの設計を支援する設計支援システムが行う設計支援方法であって、
前記設計支援システムは、
記憶部と、メモリと、前記メモリと協働するプロセッサと、を有し、
前記記憶部は、
前記クラウド上で稼働中の稼働システムが使用する前記クラウドのリソースを示す稼働システム構成情報と、
前記稼働システムが充足すべき非機能要件を示す稼働システム非機能要件情報と、
前記リソースの性能に関する制約を示す制約情報と、を格納し、
前記プロセッサが、
前記新規システムが前記クラウド上にデプロイされて稼働する際に使用する前記リソースの組合せを示す第一アーキテクチャ候補と、前記新規システムのアーキテクチャが充足すべき非機能要件を示す新規非機能要件と、の入力を受け付け、
前記第一アーキテクチャ候補が前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを含むか否かを判定し、
前記第一アーキテクチャ候補に含まれる前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを前記新規システムと前記稼働システムとが共有した場合に、該リソースに係る前記制約が充足されるか否かを判定し、
前記制約が充足される場合に、前記新規システムと前記稼働システムとが共有できる前記リソースの特定情報を含めた前記第一アーキテクチャ候補を第二アーキテクチャ候補に追加し、
前記新規システムと前記稼働システムとが前記リソースを共有しない場合の前記第一アーキテクチャ候補を前記第二アーキテクチャ候補に追加し、
前記第二アーキテクチャ候補が前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足するか否かを評価し、
前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足する前記第二アーキテクチャ候補を前記クラウド上にデプロイする前記新規システムのアーキテクチャと決定する
各処理を有することを特徴とする設計支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の設計支援方法であって、
前記制約情報は、前記リソースの性能を向上させる際の閾値を含み、
前記プロセッサが、
前記第一アーキテクチャ候補が前記稼働システムと共有される前記リソースを含む際に該リソースに係る前記制約が充足されない場合、前記閾値の範囲内で該リソースの性能を向上させたときに該リソースに係る前記制約が充足されるか否かを判定し、
前記性能を向上させた前記リソースを共有可能である前記第一アーキテクチャ候補を前記第二アーキテクチャ候補に追加する
各処理を有することを特徴とする設計支援方法。
【請求項10】
請求項8に記載の設計支援方法であって、
前記記憶部は、
前記新規システムを構成するシステム要素に対して該システム要素の性能値を含む特徴を対応付けた特徴情報を格納し、
前記プロセッサが、
前記処理フローの入力を受け付け、
前記処理フローを、複数の前記ノードへ分割し、
複数の前記ノードに対して前記新規非機能要件を充足することができる各前記システム要素と各前記システム要素の性能値を決定し、
複数の前記システム要素の組合せを前記第一アーキテクチャ候補として生成する
各処理を有することを特徴とする設計支援方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドデプロイシステムの設計支援システム及び設計支援方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年クラウドコンピューティング技術の発展によって、データの収集・加工・蓄積・可視化など様々な処理機能がSoftware as a Service(SaaS)としてクラウドベンダから提供されている。これらクラウドサービス及びその組合せからなるシステムは、ハードウェアのリソース制約に縛られずに柔軟に性能を変更することが可能である。ITシステムのアーキテクチャ設計者は、従来では限られたハードウェアリソースの下で要件に応じて処理システムを構築する手法から、クラウド上のSaaSから要件に応じて各処理機能サービスを選択し、それらの性能と組合せを設計する手法へと、開発手法を変化させてきている。
【0003】
一方でコストやマネージメント性など求められている非機能要件を満たしたアーキテクチャを設計するためには、複数のアーキテクチャ候補の中から最適なものを選択する必要がある。特にクラウドサービスの多くは従量課金性であるため、処理機能サービスの性能向上や全体のリソース量の増加は、使用料金の増加を招く。
【0004】
例えば特許文献1には、クラウドにおける非機能要件を満たしたアーキテクチャの設計手法として、「過去設計されたシステムの設計情報と当該設計情報が実現する要件とを対応付けて格納した第1のテーブルと、前記第1のテーブルが含む設計情報同士を組合せ利用する適性について、該当組合せ利用の実績に基づき順位付けして管理する第2のテーブルと、を記憶する記憶装置と、新規設計対象のシステムに関する複数の要件それぞれを実現する設計情報を、前記記憶装置の前記第1のテーブルで特定し、当該特定の結果、いずれかの要件について複数の設計情報を特定した場合、前記複数の設計情報それぞれと、前記複数の要件のうち他要件に関して特定された設計情報との組合せ利用の適性順位を、前記記憶装置の前記第2のテーブルで参照して、前記適性順位がより高い組合せとなる設計情報を前記複数の設計情報から特定し、前記複数の要件それぞれについて特定した設計情報を所定装置に出力する演算装置とを備えることを特徴とするシステム設計支援装置。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-110325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の従来技術では、既にクラウドへ他のシステムがデプロイされ稼働している状況を想定していない。既存システムがデプロイされているクラウドに新規システムをさらにデプロイする場合、既存システムとキューやデータベース、処理ユニットなどリソースを既存システムと新規システムとで共有することで、クラウド全体のコストの削減や、安定性の向上、運用容易化ができるケースが存在する。
【0007】
よって非機能要件評価では、リソースを共有した場合の候補とリソースを共有しない場合の候補を含めた評価が必要であるが、従来技術では、リソースを共有する場合の候補を含めた評価が困難であった。このため、非機能要件の充足性が高いシステムアーキテクチャの候補の発見を効果的に行うことが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、クラウドデプロイシステムのアーキテクチャ設計に関し、非機能要件の充足性が高いシステムアーキテクチャの候補の発見を効果的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する一態様として、多段のノードで構成される処理フローを有する新規システムをクラウド上にデプロイする際のアーキテクチャの設計を支援する設計支援システムであって、前記設計支援システムは、記憶部と、メモリと、前記メモリと協働するプロセッサと、を有し、前記記憶部は、前記クラウド上で稼働中の稼働システムが使用する前記クラウドのリソースを示す稼働システム構成情報と、前記稼働システムが充足すべき非機能要件を示す稼働システム非機能要件情報と、前記リソースの性能に関する制約を示す制約情報と、を格納し、前記プロセッサは、前記新規システムが前記クラウド上にデプロイされて稼働する際に使用する前記リソースの組合せを示す第一アーキテクチャ候補と、前記新規システムのアーキテクチャが充足すべき非機能要件を示す新規非機能要件と、の入力を受け付け、前記第一アーキテクチャ候補が前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを含むか否かを判定し、前記第一アーキテクチャ候補に含まれる前記稼働システムと共有できる可能性がある前記リソースを前記新規システムと前記稼働システムとが共有した場合に、該リソースに係る前記制約が充足されるか否かを判定し、前記制約が充足される場合に、前記新規システムと前記稼働システムとが共有できる前記リソースの特定情報を含めた前記第一アーキテクチャ候補を第二アーキテクチャ候補に追加し、前記新規システムと前記稼働システムとが前記リソースを共有しない場合の前記第一アーキテクチャ候補を前記第二アーキテクチャ候補に追加し、前記第二アーキテクチャ候補が前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足するか否かを評価し、前記非機能要件と前記新規非機能要件とを充足する前記第二アーキテクチャ候補を前記クラウド上にデプロイする前記新規システムのアーキテクチャと決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リソースを共有した場合の候補を非機能要件の評価対象へ含めることにより、リソースを共有しない場合の候補のみを評価した場合と比較して、非機能要件の充足性が高いシステムアーキテクチャの候補の発見を効果的に行うことがきる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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