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公開番号2024163701
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2023079534
出願日2023-05-12
発明の名称マイクロ波パルス生成器及び量子コンピュータ
出願人株式会社日立製作所
代理人青稜弁理士法人
主分類G06N 10/20 20220101AFI20241115BHJP(計算;計数)
要約【課題】
量子ビットとマイクロ波パルスとの位相誤差を削減しつつマイクロ波パルスの周波数切替による位相ずれを補正することができる技術を提供する。
【解決手段】
マイクロ波パルス生成器101は、設定されたパルス幅及びパルス振幅のパルスデータ213を出力する論理回路203と、選択された量子ビットと同じ周波数を有する正弦波211,212を出力する周波数生成器201と、パルスデータ213をアナログ信号に変換し正弦波211で変調して正弦波の周波数を中心周波数に持つ信号をマイクロ波パルス111として出力するRFDAC204と、正弦波212の周波数を分周したシステムクロック124を出力する分周器202とを有し、周波数生成器201は、マイクロ波パルス111出力時以外は選択された量子ビット以外の量子ビットと同じ周波数で動作し、論理回路203は、システムクロック124に同期して動作する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の量子ビットを有する量子ビットアレイと、
前記量子ビットアレイから量子操作する量子ビットを選択して角周波数をシフトさせる量子ビット選択器と、
前記選択された量子ビットと同じ周波数を持ち、設定されたパルス幅及びパルス振幅のマイクロ波パルスを出力するマイクロ波パルス生成器と、を有する量子コンピュータにおいて、
前記マイクロ波パルス生成器は、
前記設定されたパルス幅及びパルス振幅のパルスデータを出力する論理回路と、
前記選択された量子ビットと同じ周波数を有する正弦波を出力する周波数生成器と、
前記パルスデータをアナログ信号に変換し前記正弦波で変調して前記正弦波の周波数を中心周波数に持つ信号をマイクロ波パルスとして出力する変換器と、
前記正弦波の周波数を分周したシステムクロックを出力する分周器と、を有し、
前記周波数生成器は、前記マイクロ波パルス出力時以外は前記選択された量子ビット以外の量子ビットと同じ周波数で動作し、
前記論理回路は、前記システムクロックに同期して動作する量子コンピュータ。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1記載の量子コンピュータにおいて、
前記論理回路は、前記選択された量子ビットの周波数に基づいて周波数変調信号を出力し、
前記周波数生成器は、前記周波数変調信号に基づいて前記正弦波を出力する量子コンピュータ。
【請求項3】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記論理回路は、前記設定されたパルス幅及び前記選択された量子ビットの周波数に基づいて位相ずれ量を計算し、前記位相ずれ量に基づいて周波数変調信号を出力する量子コンピュータ。
【請求項4】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記論理回路は、前記選択された量子ビットの周波数に基づいて周波数変調信号を出力した後に、前記選択された量子ビットの周波数にマイナスを掛けた値に基づいて周波数変調信号を出力する量子コンピュータ。
【請求項5】
請求項2に記載の量子コンピュータにおいて、
前記論理回路は、
設定された位相から位相ずれ量を引いた位相設定信号を外部から取得し、前記取得した位相設定信号に基づいて周波数変調信号を出力する量子コンピュータ。
【請求項6】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記論理回路は、前記選択された量子ビットの周波数の周波数オフセット設定信号と、前記選択された量子ビットの周波数にマイナスを掛けた周波数オフセット信号と、を外部から取得し、前記取得した周波数オフセット信号に基づいて前記周波数変調信号を出力する量子コンピュータ。
【請求項7】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記量子ビットアレイが有する前記複数の量子ビットの周波数ずれを補正する位相補正データをさらに有し、
前記周波数生成器は、前記選択された量子ビットの前記位相補正データに基づいて前記正弦波を出力する量子コンピュータ。
【請求項8】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記変換器はRFDACである請求項1記載の量子コンピュータ。
【請求項9】
請求項2記載の量子コンピュータにおいて、
前記変換器は、
前記パルスデータをアナログ信号に変換するDACと、
前記アナログ信号を前記正弦波で変調して前記正弦波の周波数を中心周波数に持つ信号をマイクロ波パルスとして出力するミキサと、
を有する量子コンピュータ。
【請求項10】
複数の量子ビットを有する量子ビットアレイと、
前記量子ビットアレイから量子操作する量子ビットを選択して角周波数をシフトさせる量子ビット選択器と、
前記選択された量子ビットと同じ周波数を持ち、設定されたパルス幅及びパルス振幅のマイクロ波パルスを出力するマイクロ波パルス生成器と、を有する量子コンピュータにおいて、
前記マイクロ波パルス生成器は、
設定された位相及び周波数を持つコサイン波とサイン波を生成し、前記設定されたパルス幅及びパルス振幅のパルスにそれぞれ掛け合わせて、I変調データ及びQ変調データをそれぞれ出力する論理回路と、
前記I変調データ及び前記Q変調データをデジタルデータからアナログに変換してI変調信号及びQ変調信号を出力するDACと、
周波数設定信号で設定された周波数の互いに90°位相差があるLO出力サイン波及びLO出力コサイン波を生成する周波数生成器と、
前記I変調信号及び前記Q変調信号をそれぞれ前記LO出力サイン波及び前記LO出力コサイン波と掛け合わせ、位相変調したマイクロ波パルスを出力するIQ変調器と、
前記周波数生成器の出力周波数を分周したシステムクロックを出力する分周器と、を有し、
前記周波数生成器は、前記マイクロ波パルス出力時以外は前記選択された量子ビット以外の量子ビットと同じ周波数で動作し、
前記論理回路は、前記システムクロックに同期して動作する量子コンピュータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ビットを操作するための位相調整可能なマイクロ波を生成するマイクロ波パルス生成器及び量子コンピュータに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体微細化の限界が見えつつある中、半導体微細化に頼ってフォン・ノイマン型のコンピュータを改善していくことは限界に来つつある。そのため、フォン・ノイマン型と異なる原理で動作し、特定の問題について高速に解くことのできるコンピュータに注目が集まりつつある。その一つとして、量子コンピュータの開発が進められている。
【0003】
量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる状態の重ね合わせが可能なデバイスのエネルギー状態などを情報として利用し、量子ビットの状態確率を操作することで計算を行う。量子ビットには超電導を利用したものや電子スピンを利用したものなどが存在する。電子スピンについては、2つのエネルギー状態を情報として利用する。
【0004】
電子はある磁気モーメントを持った歳差運動をしているが、外部から電子に強磁場をかけることで、上向きスピンと下向きスピンといった2つのエネルギー状態が生じる。この際、電子は磁場の強さによりスピンの角周波数が変化する。コヒーレンス時間中は上向きスピンと下向きスピンが重ね合わせの状態にあり、この角周波数と同じ周波数のRF(Radio Frequency)磁場を加えることにより、2つのエネルギー状態の確率を操作することができる。RF磁場を与えた際に2つのスピン状態確率は与えたエネルギーにより正弦波で変化するラビ振動を行うため、必要な状態確率に操作するためにRF磁場のエネルギーと位相を管理する必要がある。
【0005】
マイクロ波パルス照射によりRF磁場を生成するマイクロ波パルス生成器は、位相の制御もできるようにするため、IQ変調器が用いられる(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許出願公開第2018/0013426号明細書
米国特許出願公開第2020/0034736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、特許文献2のマイクロ波パルス生成器は、IQ変調器は90°位相の異なるRF信号の振幅を変えることで位相を制御することができるが、90°の位相差が若干ずれたり、I側とQ側の信号振幅のずれが生じたりするため、位相誤差が生じる。量子ビットのコヒーレンス時間中に何回か量子操作を行うことになるが、マイクロ波パルスと量子ビットの歳差運動との位相差は一定に保たれてある必要があるため、この位相誤差は量子操作の精度の劣化につながる。
【0008】
また、マイクロ波パルスを照射する場合、空間的に広がって照射されるため、量子ビットを集積化した場合複数の量子ビットが同時に操作されてしまう。そのため、操作したい量子ビットとそれ以外の量子ビットとで角周波数を変化させるように制御を行う。その際、マイクロ波パルス生成器の出力位相も周波数切替により変わってしまう。
【0009】
電子スピンを利用した量子コンピュータにおいて、量子操作を行うマイクロ波パルスは、コヒーレンス時間中に量子ビットとの位相差を保持しつつ、量子操作時の位相誤差を最小にする必要がある。さらに量子操作を行う際に周波数切替も行うことにより位相がずれてしまうことが課題となる。
【0010】
そこで、本発明は、量子ビットとマイクロ波パルスとの位相誤差を削減しつつマイクロ波パルスの周波数切替による位相ずれを補正することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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