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公開番号2024152635
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024045263
出願日2024-03-21
発明の名称単結晶の製造方法、単結晶、圧電素子、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、超音波プローブ、超音波診断装置、超音波診断システム、および電子機器
出願人キヤノン株式会社,キヤノンメディカルシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C30B 29/32 20060101AFI20241018BHJP(結晶成長)
要約【課題】圧電素子としたときに圧電定数と機械的品質係数がより大きい単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】マトリクスを加熱することによる単結晶の製造方法であって、マトリクスとペロブスカイト型の種単結晶とを準備する第1の準備工程と、前記マトリクスの表面と前記種単結晶の表面とが接して配置された一体物を準備する第2の準備工程と、前記一体物を、室温から前記マトリクスの液相開始温度まで昇温させる第1の昇温工程と、前記一体物を、前記液相開始温度から前記マトリクスの液相終了温度まで昇温させる第2の昇温工程と、前記一体物を、前記液相終了温度で加熱する加熱工程と、前記加熱がされた後の前記マトリクスからペロブスカイト型の単結晶を得る工程とを含み、前記第2の昇温工程における昇温レートが、前記第1の昇温工程における昇温レートより小さい単結晶の製造方法である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
マトリクスを加熱することによる単結晶の製造方法であって、
マトリクスと種単結晶とを準備する第1の準備工程と、
前記マトリクスの表面と前記種単結晶の表面とが接して配置された一体物を準備する第2の準備工程と、
前記一体物を、室温から前記マトリクスの液相開始温度まで昇温させる第1の昇温工程と、
前記一体物を、前記液相開始温度から前記マトリクスの液相終了温度まで昇温させる第2の昇温工程と、
前記一体物を、前記液相終了温度で加熱する加熱工程と、
前記加熱がされた後の前記一体物から単結晶を得る工程と
を含み、
前記第2の昇温工程における昇温レートが、前記第1の昇温工程における昇温レートより小さい単結晶の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記単結晶は、Ba、Ti、ZrおよびMnを含む請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記単結晶は、Ba、Ti、およびZrを含むペロブスカイト型の酸化物とMnを含有し、
前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Zrのモル比であるxが0.01≦x≦0.13であり、
前記Mnの含有量は、前記酸化物100質量部に対し金属換算で、0.04質量部以上1.16質量部以下である請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記単結晶は、Ba、Ti、Zrを含むペロブスカイト型の酸化物を含み、
前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Zrのモル比であるxが、0.01≦x≦0.03であり、
前記Tiおよび前記Zrの和に対するBaのモル比であるaが、0.976≦a≦1.020であり、
前記単結晶は、Mn、Biを含有し、
前記Mnの含有量が、前記酸化物100質量部に対し金属換算で、0.04質量部以上1.16質量部以下で、
前記Biの含有量が、前記酸化物100質量部に対し金属換算で、0.04質量部以上0.53質量部以下である請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記種単結晶は、Ba、Ti、およびZrを主成分とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項6】
前記種単結晶は、Ba、Ti、およびCaを主成分とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項7】
前記マトリクスが成型体であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項8】
前記マトリクスの相対密度が、93%以上100%以下である請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項9】
前記マトリクスが、前記単結晶を構成する元素を含む多結晶である請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項10】
前記第2の昇温工程における昇温レートが、時間平均で1時間あたり1℃以下である請求項1に記載の単結晶の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は単結晶の製造方法と単結晶に関する。また、本発明は前記単結晶を用いた圧電素子、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、超音波プローブ、超音波診断装置、超音波診断システムおよび電子機器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
チタン酸バリウムなどの単結晶を作製するための方法として、種となる単結晶をマトリクスに接合させて熱処理することで単一の結晶粒のみが大きくなる異常粒成長を発生させ、その異常粒を切り出すことで単結晶を得る固相法が特許文献1で公開されている。
特許文献1には、チタン酸バリウムにZrやMnを置換してもよい記載があり、熱処理温度についての記載もある。しかし、熱処理時の昇温過程の昇温レートや時間などについては特に記載がない。
【0003】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、熱処理温度を調整するだけでは、単一の結晶粒を大きくする異常粒成長が困難な材料組成があることが分かった。
【0004】
一方、圧電性を有する単結晶を超音波モータなどの共振デバイスで用いる場合、圧電定数と共振の鋭さを表す機械的品質係数が大きいことが求められる。圧電定数と機械的品質係数が小さいと、動作に必要な電力が高くなる。そのため圧電定数と機械的品質係数の大きい単結晶が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3507821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術のように熱処理温度を調整するだけでは、単一の結晶粒のみを大きくする異常粒成長が困難な材料組成があり、そのような組成の単結晶は得られないという課題があった。
【0007】
本発明は、この様な課題を解決するためになされたものであり、より幅広い材料組成に対応できるようにすることで、圧電素子としたときに圧電定数と機械的品質係数がより大きい単結晶の製造方法を提供することを目的の1つとする。
また、本発明は圧電素子としたときに圧電定数と機械的品質係数がより大きい単結晶を提供することを目的の1つとする。
加えて、本発明は、圧電定数と機械的品質係数がより大きい圧電素子を用いた超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、超音波プローブ、超音波診断装置、超音波診断システム、および電子機器を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、
マトリクスを加熱することによる単結晶の製造方法であって、
マトリクスと種単結晶とを準備する第1の準備工程と、
前記マトリクスの表面と前記種単結晶の表面とが接して配置された一体物を準備する第2の準備工程と、
前記一体物を、室温から前記マトリクスの液相開始温度まで昇温させる第1の昇温工程と、
前記一体物を、前記液相開始温度から前記マトリクスの液相終了温度まで昇温させる第2の昇温工程と、
前記一体物を、前記液相終了温度で加熱する加熱工程と、
前記加熱がされた後の前記一体物から単結晶を得る工程と
を含み、
前記第2の昇温工程における昇温レートが、前記第1の昇温工程における昇温レートより小さい単結晶の製造方法である。
【0009】
また、本発明は、
Ba、Ti、およびZrを含むペロブスカイト型の酸化物とMnとを含有する単結晶であって、
前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Zrのモル比であるxが0.01≦x≦0.13であり、
前記Mnの含有量が、前記酸化物100質量部に対し金属換算で、0.04質量部以上1.16質量部以下である単結晶である。
【0010】
また、本発明は、複数の電極と、上述の単結晶とを有する圧電素子である。
また、本発明は、上述の圧電素子を配した振動体と、前記振動体と接触する移動体とを有する超音波モータである。
また、本発明は、駆動部に上述の超音波モータを備えた光学機器である。
また、本発明は、上述の圧電素子を振動板に配した振動体を有する振動装置である。
また、本発明は、上述の振動装置を振動部に有する塵埃除去装置である。
また、本発明は、上述の塵埃除去装置と、撮像素子ユニットとを有する撮像装置であって、上述の塵埃除去装置の振動板を前記撮像素子ユニットの受光面側に設けた撮像装置である。
また、本発明は、上述の圧電素子を有し、前記圧電素子によって送受信する超音波プローブである。
また、本発明は、上述の超音波プローブと、画像出力部とを有する超音波診断装置である。
また、本発明は、上述の超音波プローブと、上述の超音波プローブから出力された信号を送信する送信部と、前記送信部から送信された信号を受信する受信部とを有する超音波診断システムである。
また、本発明は、上述の圧電素子を備えた圧電音響部品を配した電子機器である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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