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公開番号
2024150709
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2024121043,2024510391
出願日
2024-07-26,2023-11-17
発明の名称
液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
出願人
京セラ株式会社
代理人
弁理士法人三協国際特許事務所
主分類
B41J
2/14 20060101AFI20241016BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約
【課題】吐出孔からの液体の吐出中において回収系の流路から個別流路への液体の逆流を抑制することが可能な液体吐出ヘッド及びそれを備えた液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドは、複数の個別流路31、第1共通流路32、第2共通流路33、供給流路41及び回収流路42を備える。各個別流路は、加圧室313、一端部311と加圧室との間の第1絞り部316、他端部312と加圧室との間の第2絞り部317を有する。各個別流路において、一端部には第1共通流路が接続され、他端部には第2共通流路が接続される。供給流路は第1共通流路に接続され、回収流路は第2共通流路に接続される。第2共通流路と回収流路と第1絞り部との合成流路抵抗を、第1共通流路と供給流路と第2絞り部との合成流路抵抗よりも大きくすることでインクの逆流を抑制することができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、
第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、
第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、
外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、
外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備え、
各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有しており、
前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部との合成流路抵抗は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部との合成流路抵抗よりも大きい、液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記第1絞り部及び前記第2絞り部のそれぞれの流路抵抗は、互いの流路抵抗の差が所定の許容範囲内に収まるように設定されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第2絞り部の流路抵抗は、前記第1絞り部の流路抵抗よりも15%以内の範囲で小さい、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第2共通流路の流路抵抗は、前記第1共通流路の流路抵抗よりも大きい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記回収流路の流路抵抗は、前記供給流路の流路抵抗よりも大きい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記第2共通流路の流路抵抗は、前記第1共通流路の流路抵抗よりも大きく、且つ、前記回収流路の流路抵抗は、前記供給流路の流路抵抗よりも大きい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、
第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、
第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、
外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、
外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備え、
各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有しており、
前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部との合成流路抵抗は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部との合成流路抵抗よりも大きく、
前記供給流路は、前記流入口に連通し、前記流入口から流入した液体を収容可能であって、前記外部に開口した供給外部開口を有する供給収容室を含み、
前記回収流路は、前記流出口に連通し、前記流出口から流出される液体を収容可能であって、前記外部に開口した回収外部開口を有する回収収容室を含み、
前記供給収容室の前記供給外部開口は、弾性変形可能な第1弾性フィルムで塞がれており、
前記回収収容室の前記回収外部開口は、弾性変形可能な第2弾性フィルムで塞がれており、
前記供給収容室における前記第1弾性フィルムの弾性変形に応じた単位圧力当たりの体積変位量を示すコンプライアンスは、前記回収収容室における前記第2弾性フィルムの弾性変形に応じた前記コンプライアンスよりも大きい、液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記第1弾性フィルムと前記第2弾性フィルムとは、一体に形成されている、請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、
第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、
第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、
外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、
外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備え、
各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有しており、
前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部とのそれぞれの流路断面積の合計面積は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部とのそれぞれの流路断面積の合計面積よりも小さい、液体吐出ヘッド。
【請求項10】
液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、
第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、
第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、
外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、
外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備え、
各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有しており、
前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部との合成流路抵抗は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部との合成流路抵抗よりも大きく、
前記第2絞り部の流路抵抗は、前記第1絞り部の流路抵抗よりも小さい、液体吐出ヘッド。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド及びそれを備えた液体吐出装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置が知られている(例えば特許文献1参照)。液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出孔が形成されたノズルと圧力室とを有する複数の個別流路と、複数の個別流路の各々の第1接続部に接続される第1共通液室と、複数の個別流路の各々の第2接続部に接続される第2共通液室と、を含む。液体吐出ヘッドでは、第1共通液室は、複数の個別流路の各々に液体を供給する供給系の流路として機能し、第2共通液室は、複数の個別流路の各々において吐出孔から吐出されなかった液体を回収する回収系の流路として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-138373号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、吐出孔からの液体の吐出中において回収系の流路から個別流路への液体の逆流を抑制することが可能な液体吐出ヘッド及びそれを備えた液体吐出装置を提供することである。
【0005】
本発明の一の局面に係る液体吐出ヘッドは、液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備える。各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有している。前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部との合成流路抵抗は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部との合成流路抵抗よりも大きい。
【0006】
また、本発明の一の局面に係る液体吐出ヘッドは、液体が流れる流路であって、各々が、一端部と、他端部と、前記一端部と前記他端部との間に配置され液体を吐出する吐出孔と、を有する複数の個別流路と、第1開口を有し、各前記個別流路の前記一端部に接続される第1共通流路と、第2開口を有し、各前記個別流路の前記他端部に接続される第2共通流路と、外部から液体が流入する流入口を有し、前記第1共通流路の前記第1開口に接続され、前記流入口から流入した液体を前記第1開口を通じて前記第1共通流路に供給する供給流路と、外部へ液体が流出する流出口を有し、前記第2共通流路の前記第2開口に接続され、前記第2開口を通じて前記第2共通流路から回収された液体を前記流出口へ流す回収流路と、を備える。各前記個別流路は、前記一端部と前記他端部との間において前記吐出孔に連通するように設けられ、圧力を加える加圧部が配置された加圧室と、前記一端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第1絞り部と、前記他端部と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室よりも流路抵抗の大きい第2絞り部と、を有している。前記第2共通流路と前記回収流路と前記第2絞り部とのそれぞれの流路断面積の合計面積は、前記第1共通流路と前記供給流路と前記第1絞り部とのそれぞれの流路断面積の合計面積よりも小さい。
【0007】
本発明の他の局面に係る液体吐出装置は、上記の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの前記流入口及び前記流出口に接続され、前記液体吐出ヘッドを介して液体を循環させる循環部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置であるプリンタの側面図である。
図2は、プリンタの平面図である。
図3は、プリンタにおける液体吐出ヘッドと循環部との関係を示す模式図である。
図4は、液体吐出ヘッドのヘッド本体に含まれる第1流路部材及び第2流路部材の平面図である。
図5は、第1流路部材の要部の断面図である。
図6は、図4のVI-VI線に沿った第2流路部材の断面図である。
図7は、図4のVII-VII線に沿った第2流路部材の断面図である。
図8は、図4のVIII-VIII線に沿った第2流路部材の断面図である。
図9は、第2流路部材に含まれる各プレートの平面図である。
図10は、液体吐出ヘッドによる液体としてのインクの吐出中における流量変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド及び液体吐出装置について説明する。液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた装置である。液体吐出装置としては、液体吐出ヘッドから液体としてのインクを吐出させる記録装置、導電性の粒子を含む液体を液体吐出ヘッドから吐出させて電子機器の配線パターンを印刷する装置、化学薬剤などの液体を液体吐出ヘッドから反応容器に向けて吐出させて化学薬品を作製する装置、などが挙げられる。以下の実施形態では、液体吐出装置の具体例として、液体としてインクを吐出する液体吐出ヘッドを備えた記録装置であるインクジェット式のプリンタを例示する。インクジェット式のプリンタは、紙シート、樹脂シート、織物や編物等の生地などのワークに、文字や模様などの画像をインクジェット方式で印刷する記録装置である。
【0010】
[プリンタの全体構成]
図1及び図2に示されるように、プリンタ1は、インクを吐出する液体吐出ヘッド2と、液体吐出ヘッド2に対してワークWを相対的に移動させる可動部7と、制御部9と、を備える。プリンタ1では、制御部9は、画像のデータである印刷データに基づき液体吐出ヘッド2を制御し、可動部7により移動されるワークWに向けてインクを吐出させることでワークWにインク滴を着弾させて、ワークWに印刷などの記録を行う。
(【0011】以降は省略されています)
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