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公開番号
2024150428
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2024062995
出願日
2024-04-09
発明の名称
アレルギー症状抑制剤
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A23L
33/12 20160101AFI20241016BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】アレルギー症状抑制剤の提供。
【解決手段】油脂中のジアシルグリセロールの含有量が25質量%以上であり、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である油脂を有効成分とするアレルギー症状抑制剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
油脂中のジアシルグリセロールの含有量が25質量%以上であり、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である油脂を有効成分とするアレルギー症状抑制剤。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
アレルギー症状が鼻及び/又は目のアレルギー症状である請求項1記載のアレルギー症状抑制剤。
【請求項3】
アレルギー症状が鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ、目のかゆみ及び涙目から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のアレルギー症状抑制剤。
【請求項4】
アレルギー症状がダニ、花粉、菌類、動物、昆虫及び食物から選ばれる少なくとも1種に起因する請求項1又は2記載のアレルギー症状抑制剤。
【請求項5】
油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である請求項1又は2記載のアレルギー症状抑制剤。
【請求項6】
油脂中のジアシルグリセロールの含有量が25質量%以上であり、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である油脂を有効成分とするアレルギー症状抑制用食品。
【請求項7】
アレルギー症状が鼻及び/又は目のアレルギー症状である請求項6記載のアレルギー症状抑制用食品。
【請求項8】
アレルギー症状が鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ、目のかゆみ及び涙目から選ばれる少なくとも1種である請求項6又は7記載のアレルギー症状抑制用食品。
【請求項9】
アレルギー症状がダニ、花粉、菌類、動物、昆虫及び食物、から選ばれる少なくとも1種に起因する請求項6又は7記載のアレルギー症状抑制用食品。
【請求項10】
油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である請求項6又は7記載のアレルギー症状抑制用食品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー症状抑制剤に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒトの体には、感染性微生物や異物等から身を守るための免疫という仕組みが備わっている。この免疫の働きが異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難等の症状を起こしてしまう状態がアレルギーである。
一般的に、アレルギーの発症機構はI型からIV型の4つの反応に分類される。これらのうち、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アナフィラキシーショック等の主要なアレルギーを発症させる型はI型である。
I型反応では、提示された抗原(アレルゲン)によりヘルパーT細胞が活性化され、IL-4(インターロイキン4)等のサイトカインの産生を増加させる。また、B細胞により産生されたIgE抗体は、組織に存在するマスト細胞(肥満細胞)や血中の好塩基球上の高親和性IgE受容体(FcεR1)に結合する。このような感作された状態にある体内にふたたび抗原が入ってくると、抗原はマスト細胞や好塩基球上に結合したIgE抗体と抗原抗体反応をおこし、この刺激により細胞内で一連の反応を生じてヒスタミン等の化学伝達物質が細胞外に遊離され、平滑筋収縮、毛細血管透過性亢進、腺分泌亢進等をおこし、アレルギーの諸症状が発現する。
【0003】
アレルギーの発症・増悪因子としては、遺伝素因を含めた個体因子と、抗原等への曝露を中心とした環境因子が挙げられるが、近年のアレルギー疾患の有病率の増加の原因としては環境因子の影響が大きいとされている。アレルギー疾患に関する研究の進歩により徐々に発症機序、悪化因子等の解明が進みつつあるが、いまだアレルギー疾患に対する完全な予防法や根治的治療法がなく、治療の中心は抗原回避をはじめとした生活環境確保と、ヒスタミンH1拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬等の薬物療法による長期的な対症療法となっているのが現状である。しかし、長期に亘る薬物の服用は、眠気、口渇、胃腸障害等の副作用が問題とされる。
【0004】
そこで、安全性の観点から、抗アレルギー作用を有する食品成分や植物成分の探索が行われている。その一つとして、亜麻仁油があり、亜麻仁油の摂取で、食物アレルギー症状が抑制されること(非特許文献1)、花粉によるアレルギー性結膜炎の症状が改善することが報告されている(非特許文献2)。亜麻仁油はアマの種子から搾油・精製される油で、ω3系高度不飽和脂肪酸の一つであるα-リノレン酸(ALA)を豊富に含むことが知られている。
【0005】
一方、ジアシルグリセロールを高濃度に含む油脂は、食後の血中トリグリセリド(中性脂肪)の増加を抑制し、体内への蓄積性が少ない等の生理作用を有することが報告されている。例えば、特許文献1では、構成脂肪酸の15~90重量%が炭素数20未満のω3系不飽和脂肪酸であり、シス型ω3系不飽和脂肪酸/(シス型ω6系不飽和脂肪酸+飽和脂肪酸+トランス型不飽和脂肪酸)の重量比が1~6であるジグリセリドを60~100重量%含有する油脂組成物は、内臓脂肪燃焼性及び体脂肪燃焼性等に優れていることが報告されている。
しかしながら、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を多く含むジアシルグリセロール含有油脂にアレルギー症状抑制作用があることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-138296号公報
【非特許文献】
【0007】
Kunisawa et al.,Sci Rep.2015、5、9750
FASEB j. (2018) doi:10.1096/fj.201801805R
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、アレルギー症状抑制剤を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、α-リノレン酸を多く含むジアシルグリセロール含有油脂を摂取した場合に、鼻や目のアレルギー症状が抑制されることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、油脂中のジアシルグリセロールの含有量が25質量%以上であり、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が40質量%以上である油脂を有効成分とするアレルギー症状抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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