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公開番号2024146410
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059277
出願日2023-03-31
発明の名称二酸化炭素回収システム装置、及び二酸化炭素回収方法
出願人三機工業株式会社
代理人弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類B01D 53/06 20060101AFI20241004BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】ロータを用いて二酸化炭素の回収量を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】二酸化炭素回収システム1は、処理対象空気に含まれる二酸化炭素を濃縮するロータ2と、ロータ2で濃縮された二酸化炭素を含む空気を摂氏0℃以上で冷却して大気圧の膨張により液化二酸化炭素が得られる圧力まで圧縮するコンプレッサ20と、コンプレッサ20で圧縮された二酸化炭素を含む空気を冷却して貯蔵しながら液化二酸化炭素を分離する冷却貯蔵装置30と、コンプレッサ20にて圧縮された高温高圧空気の熱を処理対象空気と同じ濃度の二酸化炭素を含む空気を加熱するのに用いられ、ロータを加熱再生するヒーター部50と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
処理対象空気に含まれる二酸化炭素を濃縮するロータと、
前記ロータで濃縮された二酸化炭素を含む空気を摂氏0℃以上で冷却して大気圧下での膨張により液化二酸化炭素が得られる温度になる圧力まで圧縮するコンプレッサと、
前記コンプレッサで圧縮された二酸化炭素を含む空気を冷却して貯蔵しながら前記液化二酸化炭素を分離する冷却貯蔵装置と、
前記コンプレッサにて圧縮された高温高圧空気の熱を前記処理対象空気と同じ濃度の二酸化炭素を含む空気を加熱するのに用いられ、前記ロータを加熱再生するヒーター部と、
を備える
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記ロータは、二酸化炭素を吸着する第1エリアと、前記第1エリアで吸着された二酸化炭素を脱離する第2エリアとを含み、
二酸化炭素を吸着する前記第1エリアの温度は基準温度未満であり、二酸化炭素を脱離する前記第2エリアの温度は前記基準温度よりも高い所定温度以上であり、
前記ヒーター部は、前記第2エリアの入力側に設けられている
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
請求項1に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記冷却貯蔵装置の冷却に用いられる冷熱媒を冷却する冷却装置と、
再生空気をロータに流入するダクトにおいて前記ロータの出口と前記コンプレッサの入口との間に設置され、前記冷却装置で冷却された冷熱媒を流出する配管を分岐した分岐配管に接続され、前記冷熱媒の熱を再生空気に与えるクーラー部と、
前記コンプレッサの出口と前記冷却貯蔵装置の入口とを繋ぐダクトにおける前記冷却貯蔵装置の入口前に設置され、前記液化二酸化炭素を分離して除去した後の加圧空気を前記冷却貯蔵装置から膨張機に流出する配管に接続され、前記冷却貯蔵装置に流入される液化前の二酸化炭素を含む再生空気を冷却する熱回収熱交換器と、
を更に備える
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
請求項2に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記第2エリアから脱離された二酸化炭素を吸着する第3エリアと前記第3エリアに吸着された二酸化炭素を脱離する第4エリアとを有し、前記ロータで濃縮された二酸化炭素を更に濃縮する第1ロータと、
前記第3エリアを通り、且つ、一方が前記第2エリアの出力側と接続され、且つ、他方が前記第2エリアの入力側に設けられた配管と接続される第1の配管と、
前記第1の配管上に設けられ、前記第3エリアを冷却する第1冷却装置と、
前記第1の配管上に設けられ、前記第3エリアから排出される空気を用いて前記第4エリアを加熱する第1加熱装置と、
一方が前記第1の配管における前記第1加熱装置の出力側と接続され、他方が前記第4エリアの入力側と接続される第2の配管と、
前記第2の配管上に設けられ、少なくとも前記コンプレッサから排出される熱を用いて前記第4エリアを加熱する第1ヒーター部と、
一方が前記第1ヒーター部の冷却側と接続され、他方が前記コンプレッサの出力側に設けられた配管と接続される第3の配管と、
一方が前記第1ヒーター部と接続され、他方が前記ヒーター部で加熱された空気を前記冷却貯蔵装置に向かって送る配管と接続される第4の配管と、
を更に備える
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
請求項4に記載の二酸化炭素回収システムであって、
二酸化炭素を吸着する前記第3エリアの温度は第1基準温度未満であり、二酸化炭素を脱離する前記第4エリアの温度は前記第1基準温度よりも高い第1所定温度以上である
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
請求項4に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記第4エリアから脱離された二酸化炭素を吸着する第5エリアと前記第5エリアに吸着された二酸化炭素を脱離する第6エリアとを有し、前記第1ロータで濃縮された二酸化炭素を更に濃縮する第2ロータと、
前記第5エリアを通り、且つ、一方が前記第4エリアの出力側と接続され、且つ、他方が前記第4エリアの入力側に設けられた前記第2の配管と接続される第5の配管と、
前記第5の配管上に設けられ、前記第5エリアを冷却する第2冷却装置と、
前記第5の配管上に設けられ、前記第5エリアから排出される空気を用いて前記第6エリアを加熱する第2加熱装置と、
一方が前記第5の配管における前記第2加熱装置の出力側と接続され、他方が前記第6エリアの入力側と接続される第6の配管と、
前記第6の配管上に設けられ、少なくとも前記コンプレッサから排出される熱を用いて前記第6エリアを加熱する第2ヒーター部と、
一方が前記第2ヒーター部の冷却側と接続され、他方が前記コンプレッサの出力側に設けられた配管と接続される第7の配管と、
一方が前記第2ヒーター部と接続され、他方が前記ヒーター部で加熱された空気を前記冷却貯蔵装置に向かって送る配管と接続される第8の配管と、
を更に備える
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
請求項6に記載の二酸化炭素回収システムであって、
二酸化炭素を吸着する前記第5エリアの温度は第2基準温度未満であり、二酸化炭素を脱離する前記第6エリアの温度は前記第2基準温度よりも高い第2所定温度以上である
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
請求項6に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記第2エリア、前記第4エリア、及び前記第6エリアを更に加熱するヒートポンプを更に備える
ことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
処理対象空気に含まれる二酸化炭素をロータで吸収した後に高温空気の間接熱交換で加熱再生して濃縮して取り出すことと、
前記ロータで濃縮された二酸化炭素を含む空気をコンプレッサで圧縮して加圧加熱空気として冷却貯蔵装置に圧送することと、
前記コンプレッサで圧縮され圧送された二酸化炭素を含む加圧空気を冷却貯蔵装置で冷却して液化二酸化炭素を分離することと、
少なくとも前記コンプレッサで圧縮された二酸化炭素を含む空気の保有する熱を用いて前記ロータを加熱再生することと、
を含む
ことを特徴とする二酸化炭素回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、空気中の低濃度の二酸化炭素を回収する技術に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ロータを用いてボイラや燃焼炉などからの排ガス中の二酸化炭素を回収する技術を開示する。この技術では、ガスが流れる方向に貫通孔を有し、且つ、ガスの触れる面に二酸化炭素吸収剤を保持するロータを用いたTSA(Thermal Swing Adsorption)法と呼ばれる手法により二酸化炭素が回収される。具体的には、一つのロータの通気部の中に高温部と低温部とが設けられ、ロータを回転させることにより低温部において二酸化炭素が吸収(吸着)され、高温部において吸着された二酸化炭素が分離(脱着)される。これにより、ボイラや燃焼炉などからの排ガス中の二酸化炭素が効率よく脱着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-116476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、地球温暖化の観点から、温室効果ガスに含まれる大気中の二酸化炭素を削減する方法として、大気中の二酸化炭素を回収及び利用するCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)の取り組みが期待されている。しかし、特許文献1の技術で想定されている排ガス中の二酸化炭素は10%以上と高濃度であり、そこから二酸化炭素濃度100%のガスが発生する。この場合、ロータを用いて二酸化炭素を同じ比率で濃縮できたとしても、大気中の低濃度の二酸化炭素(400~500ppm)からは、数%程度の二酸化炭素濃度のガスしか得られない。このため、大気中の二酸化炭素を高濃度で回収することは難しい。
【0005】
更に、ロータにより分離された二酸化炭素ガスを気体として回収する場合、二酸化炭素ガスが利用されるまでの期間はガスタンクで保管することとなり、莫大なタンクスペースの確保が必要とされる。
【0006】
本開示の1つの目的は、ロータを用いて二酸化炭素を回収するにあたり、さらなる濃縮分離のための空気圧縮による液化二酸化炭素の取り出しと、圧縮された高温高圧の空気の保有熱をロータの再生に用いることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点は、二酸化炭素回収システムに関連する。二酸化炭素回収システムは、処理対象空気に含まれる二酸化炭素を濃縮するロータと、ロータで濃縮された二酸化炭素を含む空気を摂氏0℃以上で冷却して大気圧下での膨張により液化二酸化炭素が得られる温度になる圧力まで圧縮するコンプレッサと、コンプレッサで圧縮された二酸化炭素を含む空気を冷却して貯蔵しながら前記液化二酸化炭素を分離する冷却貯蔵装置と、コンプレッサにて圧縮された高温高圧空気の熱を処理対象空気と同じ濃度の二酸化炭素を含む空気を加熱するのに用いられ、当該ロータを加熱再生するヒーター部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する二酸化炭素回収システムに関連する。ロータは、二酸化炭素を吸着する第1エリアと、第1エリアで吸着された二酸化炭素を脱離する第2エリアとを含む。また、二酸化炭素を吸着する第1エリアの温度は基準温度未満であり、二酸化炭素を脱離する第2エリアの温度は基準温度よりも高い所定温度以上である。更に、ヒーター部は、第2エリアの入力側に設けられている。
【0009】
本開示の第3の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する二酸化炭素回収システムに関連する。二酸化炭素回収システムは、冷却貯蔵装置の冷却に用いられる冷熱媒を冷却する冷却装置と、再生空気をロータに流入するダクトにおいてロータの出口とコンプレッサの入口との間に設置され、冷却装置で冷却された冷熱媒を流出する配管を分岐した分岐配管に接続され、冷熱媒の熱を再生空気に与えるクーラー部と、コンプレッサの出口と冷却貯蔵装置の入口との間をつなぐダクトにおける冷却貯蔵装置の入口前に設置され、液化二酸化炭素を分離して除去した後の加圧空気を冷却貯蔵装置から膨張機に流出する配管に接続され、冷却貯蔵装置に流入される液化前の二酸化炭素を含む再生空気を冷却する熱回収熱交換器と、を更に備える。
【0010】
本開示の第4の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する二酸化炭素回収システムに関連する。二酸化炭素回収システムは、第2エリアから脱離された二酸化炭素を吸着する第3エリアと第3エリアに吸着された二酸化炭素を脱離する第4エリアとを有し、ロータで濃縮された二酸化炭素を更に濃縮する第1ロータと、第3エリアを通り且つ一方が第2エリアの出力側と接続され且つ他方が第2エリアの入力側に設けられた配管と接続される第1の配管と、第1の配管上に設けられ第3エリアを冷却する第1冷却装置と、第1の配管上に設けられ第3エリアから排出される空気を用いて第4エリアを加熱する第1加熱装置と、一方が第1の配管における第1加熱装置の出力側と接続され他方が前記第4エリアの入力側と接続される第2の配管と、第2の配管上に設けられ少なくともコンプレッサから排出される熱を用いて第4エリアを加熱する第1ヒーター部と、一方が前記第1ヒーター部の冷却側と接続され他方がコンプレッサの出力側に設けられた配管と接続される第3の配管と、一方が第1ヒーター部と接続され他方がヒーター部で加熱された空気を冷却貯蔵装置に向かって送る配管と接続される第4の配管と、を更に備える。
(【0011】以降は省略されています)

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