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公開番号
2024139962
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023050922
出願日
2023-03-28
発明の名称
水力発電システム
出願人
ダイキン工業株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
F03B
15/08 20060101AFI20241003BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約
【課題】水力発電システムにおける流量の調整範囲を拡大させる。
【解決手段】コントローラ(30)は、第1制御と第2制御とを実行する第1運転を行う。第1制御では、コントローラ(30)は、流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、水車(11)の効率または水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ流量が目標流量に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。第2制御では、コントローラ(30)は、流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ流量が目標流量に近づくように発電機(12)および電動弁(15)を制御する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
流体が流れる流路(4)に配置される水車(11)と、
前記水車(11)と連結する発電機(12)と、
前記流路(4)において前記水車(11)と直列に設けられる電動弁(15)と、
前記発電機(12)のトルクまたは回転数、および前記電動弁(15)の開度を制御するコントローラ(30)とを備え、
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第1制御と、
前記流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する第2制御とを行う第1運転を実行するように構成される
水力発電システム。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第1運転において、前記目標流量が前記第2流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項3】
前記コントローラ(30)は、前記第2制御において、前記流量を前記第2流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大とする
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項4】
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第3流量以下となる第3範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第3制御と、
前記流量が前記第3流量より大きく第4流量以下までの第4範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第4制御と、
前記流量が前記第4流量より大きく第5流量以下となる第5範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する第5制御とを行う第2運転を実行するように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項5】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第2運転において、前記目標流量が前記第5流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される
請求項4に記載の水力発電システム。
【請求項6】
前記コントローラ(30)は、前記第5制御において、前記電動弁(15)の開度を最大とする
請求項4に記載の水力発電システム。
【請求項7】
前記コントローラ(30)は、
前記流量が零より大きく第6流量以下までの第6範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する第6制御と、
前記流量が前記第6流量より大きく第7流量以下までの第7範囲内にある場合に、前記電動弁(15)の開度を維持しながら前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する第7制御とを行うように構成される
請求項1に記載の水力発電システム。
【請求項8】
前記コントローラ(30)は、
前記第6制御において、前記流量を前記第6流量に近づけるときに前記電動弁(15)の開度を最大よりも小さい第1開度とし、
前記第7制御において、前記電動弁(15)の開度を前記第1開度に維持しながら前記流量が前記目標流量に近づくように前記発電機(12)を制御する
請求項7に記載の水力発電システム。
【請求項9】
前記コントローラ(30)は、前記第7制御において前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する第8制御を行う
請求項7に記載の水力発電システム。
【請求項10】
前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、
前記コントローラ(30)は、前記第7制御において、前記流量が目標流量に至ると、該流量が該目標流量を維持し且つ前記電動弁(15)の開度が最大となるように、または該流量が該目標流量を維持し且つ前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御する
請求項7に記載の水力発電システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、水力発電システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、水力発電システムを開示する。この水力発電システムは、発電機で最大効率を得るための水車の有効落差と発電機の回転数との関係を記憶部に記憶させる。制御部が、有効落差に応じて発電機の回転数を制御することで、発電機で最大効率を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5268871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水力発電システムが適用される流路においては、所定の目標流量を満たしたいという要求がある。一方で、特許文献1のように最大効率が得られる流量の範囲には限界がある。具体的には、最大効率が得られる流量の範囲に対して、目標流量の調整範囲が大きい場合、これらの目標流量を十分に満たすことができないという問題がある。
【0005】
本開示は、水力発電システムにおける流量の調整範囲を拡大させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、水力発電システムが、流体が流れる流路(4)に配置される水車(11)と、前記水車(11)と連結する発電機(12)と、前記流路(4)において前記水車(11)と直列に設けられる電動弁(15)と、前記発電機(12)のトルクまたは回転数、および前記電動弁(15)の開度を制御するコントローラ(30)とを備える。コントローラ(30)は、第1制御と第2制御とを実行する第1運転を行う。第1制御では、コントローラ(30)は、前記流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲内にある場合に、前記水車(11)の効率または前記水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づき且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および前記電動弁(15)を制御する。第2制御では、コントローラ(30)は、前記流量が前記第1流量より大きく第2流量以下までの第2範囲内にある場合に、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように前記発電機(12)および電動弁(15)を制御する。
【0007】
第1の態様では、流量が零より大きく第1流量以下までの第1範囲である場合、コントローラ(30)は、第1制御を実行する。第1制御では、コントローラ(30)は、水車(11)または水力発電システム(10)の効率が最大効率に近づくとともに流路(4)の流量が目標流量に近づくように、水車(11)の回転数またはトルク、および電動弁(15)の開度を調節する。これにより、流路(4)の流量を目標流量に近づけつつ、水車(11)または水力発電システム(10)において最大効率を得ることができる。
【0008】
一方、流量が第1流量よりも大きく第2流量以下までの第2範囲である場合、コントローラ(30)は、第2制御を実行する。第2制御では、コントローラ(30)は、発電機(12)の出力が制限値に近づくとともに流路(4)の流量が目標流量に近づくように、水車(11)の回転数またはトルク、および電動弁(15)の開度を調節する。第2制御では、発電機(12)の出力が最大に近づくので、発電機(12)の発電電力を確保できる。発電機(12)の出力は制限値を越えないので、発電機(12)を制御するためのインバータやコンバータなどでの制御上、あるいはハード上での不具合を回避できる。その上で、流量の調整範囲を拡大できる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記水車(11)を迂回するバイパス流路(7)に設けられるバイパス弁(17)を備え、前記コントローラ(30)は、前記第1運転において、前記目標流量が前記第2流量よりも大きいときに、前記発電機(12)の出力が制限値に近づくように且つ前記流量が目標流量に近づくように、または前記電動弁(15)の開度が最大となり且つ前記流量が目標流量に近づくように、前記発電機(12)、前記電動弁(15)、および前記バイパス弁(17)を制御するように構成される。
【0010】
第2の態様では、目標流量が第2流量よりも大きい場合、バイパス弁(17)を制御することで、流量の調整範囲を拡大できる。この際、発電機(12)の出力を制限値に近づけたり、電動弁(15)の開度を最大にしたりすることで、発電機(12)の発電電力を増大できる。
(【0011】以降は省略されています)
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