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公開番号2024136803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023048057
出願日2023-03-24
発明の名称摺動式等速自在継手
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16D 3/227 20060101AFI20240927BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】内側継手部材の強度向上を図ると共に、コスト高を低減したダブルオフセット型の摺動式等速自在継手を提供する。
【解決手段】トラック溝が形成された外側継手部材と、トラック溝とスプライン孔が形成された内側継手部材と、複数のボールと、ボールをポケットに収容するケージとからなり、ケージの球状外、内周面の曲率中心が、継手中心に対して軸方向の反対側にオフセットした摺動式等速自在継手において、内側継手部材のトラック溝は、ボールが接触する第1のトラック溝区分は仕上げ加工面からなり、ボールが接触しない第2のトラック溝区分は塑性加工面からなると共に、第2のトラック溝区分は、溝底を通る縦断面において、第1のトラック溝区分より継手の半径方向に高く形成されており、第1のトラック溝区分において、外側継手部材および内側継手部材のトラック溝のPCD最小すきまを有していることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
円筒状内周面に直線状の複数のトラック溝が軸方向に沿って形成された外側継手部材と、球状外周面に前記外側継手部材の直線状の複数のトラック溝に対向する直線状の複数のトラック溝が軸方向に沿って形成され、シャフトと連結されるスプライン孔が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材の直線状の複数のトラック溝と前記内側継手部材の直線状の複数のトラック溝間に組込まれ、トルクを伝達する複数のボールと、前記ボールをポケットに収容し、前記外側継手部材の円筒状内周面と前記内側継手部材の球状外周面にそれぞれ接触案内される球状外周面と球状内周面を有するケージとからなり、前記ケージの球状外周面の曲率中心と球状内周面の曲率中心が、継手中心に対して軸方向の反対側にオフセットした摺動式等速自在継手において、
前記内側継手部材のトラック溝は、前記ボールが接触する第1のトラック溝区分と前記ボールが接触しない第2のトラック溝区分とから構成され、
前記第1のトラック溝区分は仕上げ加工面からなり、前記第2のトラック溝区分は塑性加工面からなると共に、前記第2のトラック溝区分は、溝底を通る縦断面において、前記第1のトラック溝区分より継手の半径方向に高く形成されており、
前記第1のトラック溝区分において、前記外側継手部材および前記内側継手部材のトラック溝のPCD最小すきまを有していることを特徴とする摺動式等速自在継手。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記PCD最小すきまが10μm~100μmであることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項3】
前記第1のトラック溝区分の仕上げ加工面は、熱処理後のハードミーリング加工もしくは研削加工で形成された表面であることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項4】
前記第1のトラック溝区分が、溝底を通る縦断面において、凹形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項5】
前記第1のトラック溝区分の軸方向端部が、溝底を通る縦断面において、前記ボールの半径以上の曲率半径を有することを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項6】
前記第1のトラック溝区分の軸方向範囲が、最大作動角時に前記ボールが移動する軸方向範囲であることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項7】
前記外側継手部材のトラック溝が塑性加工で成形された表面であることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項8】
前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝のそれぞれと前記ボールとがアンギュラコンタクトしたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項9】
前記ボールの個数を6~8個としたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や各種産業機械などの動力伝達系、例えば、自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに使用される摺動式等速自在継手に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のドライブシャフトに適用される等速自在継手には、大別すると、2軸間の角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手がある。自動車のドライブシャフトは、通常、駆動車輪側(アウトボード側ともいう)に固定式等速自在継手が用いられ、デファレンシャル側(インボード側ともいう)に摺動式等速自在継手が用いられ、これらの2つの等速自在継手を中間シャフトで連結して構成されている。等速自在継手は、それぞれ使用条件や用途などに応じて各種選択される。
【0003】
摺動式等速自在継手としては、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)やトリポード型等速自在継手(TJ)が代表的である。DOJタイプの摺動式等速自在継手は、製造コストが安価なことや、継手内部の回転方向ガタが少ないことで広く用いられている。また、DOJタイプの摺動式等速自在継手は、ボールの個数が6個のものや8個のものが知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-92996号公報
特開2018-155405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、DOJタイプの摺動式等速自在継手の内側継手部材のトラック溝について、次のような提案がされている。トラック溝が第1の軌道区分と第2の軌道区分(加工工具の逃げ部)とを有し、第1の軌道区分と第2の軌道区分との間に段部を形成し、第2の軌道区分は、軌道底部を通る長手方向で見て、より小さく形成されている。熱処理硬化後、第1の軌道区分が仕上げ加工としての回転切削又は研削によって加工される。加工工具の逃げ部となる第2の軌道区分は、軌道底部を通る長手方向で見て、より小さく形成されているので、スプライン穴との間の肉厚が減少し、強度低下の懸念が生じる。
【0006】
特許文献2には、後輪用ドライブシャフトに用いられる8個ボールのDOJタイプの摺動式等速自在継手の内部仕様を検討することで、より一層の軽量・コンパクト化を図る構成が提案されている。鍛造成形上、内側継手部材のトラック溝の軸方向形状は、ストレートあるいは凸形状が必須である。強度向上のために肉厚アップを図る手法として、内側継手部材のトラック溝の溝底とスプラインとの間の最小肉厚を増すことが挙げられるが、この場合、ボールPCD寸法を大きくする必要があり、軽量・コンパクト性が損なわれる。
【0007】
DOJタイプ摺動式等速自在継手は、従来より、製造コストを安価にするために、外側継手部材のカップ部内および内側継手部材のトラック溝を冷間鍛造で仕上げ、熱処理後、カップ部内および内側継手部材のトラック溝を研削加工等による仕上げ加工を施さないことが一般的である。そのため、冷間鍛造の精度の影響に加えて、さらに、トラック溝の熱処理によって生じる熱処理変形により、外側継手部材、内側継手部材のトラック溝のピッチ円直径PCDは、トラック溝間でもばらつきが生じる。トラック溝のピッチ円直径PCD(以下、単にPCDともいう)は、トラック溝にボールを押し付けたときの継手直径上のボールの中心間距離である。
【0008】
工程上では、適正なPCDすきまを確保するために、外側継手部材のトラック溝のPCD寸法と内側継手部材を選択組合せすることが一般的である。この選択組合せのためには、外側継手部材と内側継手部材それぞれ、複数のPCD寸法のランク品を保有する必要があり、在庫増に伴うコスト高の要因となっている。
【0009】
上記のような問題に鑑み、本発明は、内側継手部材の強度向上を図ると共に、PCD選択組合せを目的としたランク品在庫に伴うコスト高を低減したダブルオフセット型の摺動式等速自在継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成するために種々検討した結果、以下の新たな着想により、本発明に至った。
<新たな着想>
(1)トラック溝を含むカップ部内を冷間鍛造加工により形成し、熱処理後、トラック溝を研削加工等による仕上げ加工を施さない既存の外側継手部材のトラック溝のPCD寸法を必要なPCD最小すきまを確保できるPCD寸法のランク幅で少数区分にランク分けする。
(2)上記PCD寸法のランクに合わせて必要なPCD最小すきまに入るように、冷間鍛造加工された内側継手部材のトラック溝のボール接触範囲を凹形状に仕上げ加工し、選択組合せは行わない。
(3)内側継手部材のトラック溝のボール接触範囲外のトラック溝部位を鍛造加工面のままとし、このトラック溝部位の溝底とスプライン穴との間の肉厚を減少せず強度を向上させる。
(【0011】以降は省略されています)

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