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公開番号2024132868
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023220125
出願日2023-12-26
発明の名称クラッチ装置
出願人トヨタ自動車株式会社,NSKワーナー株式会社
代理人個人,個人
主分類F16D 41/12 20060101AFI20240920BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】一方向クラッチの機能と、一方向および逆方向の両方向の相対回転を阻止する機能と、が得られるクラッチ装置の軸方向寸法を小型化する。
【解決手段】内輪24が本体部材26およびシャッタープレート28に分割されており、それ等が位相ずれ状態に保持されると一方向クラッチとして機能するOWC状態となり、外輪22および内輪24の一方向Aの相対回転が許容される。外輪22および内輪24が逆方向Bへ相対回転させられると、OWCポール40が噛合い歯34に噛み合わされ、シャッタープレート28が位相合致状態まで相対回転させられると、ロックポール42が噛合い歯32、34と噛合い可能になり、一方向Aおよび逆方向Bの両方向において外輪22および内輪24の相対回転が阻止される両噛合状態になる。すなわち、OWC状態から両噛合状態へ自動的に切り替えられるのであり、クラッチ装置20の軸方向寸法を小型化できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
同一の軸線まわりに相対回転可能に配置された外輪および内輪と、
前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の何れか一方に設けられた噛合い歯と、
前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける一方向の相対回転を許容しつつ逆方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第1爪部材と、
前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける前記逆方向の相対回転を許容しつつ前記一方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第2爪部材と、
前記軸線と平行な方向である軸線方向に移動可能に配設され、前記第1爪部材および前記第2爪部材と係合させられることにより該第1爪部材および該第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを阻止する開放位置と、前記第1爪部材および前記第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを許容する噛合許容位置と、へ移動させられる噛合切替部材と、
を有するクラッチ装置において、
前記外輪および前記内輪のうち前記噛合い歯が設けられた側の部材である歯部材は、前記軸線方向において第1歯部材および第2歯部材に分割されているとともに、
前記第1歯部材および前記第2歯部材の前記軸線まわりにおける前記噛合い歯の位相がずれて該噛合い歯の共通の溝部分の幅寸法が狭くなり、前記第1爪部材は該噛合い歯との噛合いが可能であるが前記第2爪部材は該噛合い歯との噛合いが不能になる位相ずれ状態と、前記第1歯部材および前記第2歯部材の前記軸線まわりにおける前記噛合い歯の位相が合致して該噛合い歯の共通の溝部分の幅寸法が大きくなり、前記第1爪部材および前記第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛合い可能である位相合致状態と、になり得るように前記第1歯部材および前記第2歯部材は相対回転可能に配設されており、
前記第1歯部材および前記第2歯部材が、前記位相合致状態になるまで相対回転することを許容しつつ、前記位相ずれ状態に保持されるように、前記第1歯部材および前記第2歯部材を相対的に付勢する弾性部材を有する
ことを特徴とするクラッチ装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記噛合切替部材が前記噛合許容位置へ移動させられた状態で、前記外輪および前記内輪は前記一方向の相対回転が許容される一方、前記外輪および前記内輪が前記逆方向へ相対回転させられると、前記第1爪部材が前記噛合い歯に噛み合わされ、該第1爪部材を介して前記第1歯部材および前記第2歯部材が前記位相合致状態まで相対回転させられると、前記第2爪部材が前記噛合い歯に噛み合わされ、前記一方向および前記逆方向の両方向において前記外輪および前記内輪の相対回転が阻止される両噛合状態になる
ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
【請求項3】
前記第1歯部材は、前記クラッチ装置を介して連結される一対の被連結部材の一方に連結される厚板状の本体部材で、該本体部材には前記軸線方向に突き出すように小径部が一体に設けられており、
前記第2歯部材は、前記本体部材の端面に接するように前記小径部の外周側に相対回転可能に配設された薄板円環形状のシャッタープレートであり、
前記位相ずれ状態では、前記シャッタープレートの噛合い歯が前記逆方向の相対回転時に前記第1爪部材と噛み合わされるように、該噛合い歯が前記軸線まわりにおいて前記本体部材の噛合い歯よりも突き出して共通の溝部分の幅寸法が狭くされる一方、
前記弾性部材は、一端部が前記本体部材に係止されるとともに他端部が前記シャッタープレートに係止されたシャッター付勢ばねである
ことを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチ装置。
【請求項4】
前記シャッタープレートには、前記軸線を中心とする円弧に沿って長穴が設けられており、
前記シャッター付勢ばねは、円環形状を成していて前記シャッタープレートの前記本体部材と反対側に隣接して配設されるとともに、前記一端部および前記他端部を互いに離間する方向へ付勢するもので、前記一端部が前記長穴を挿通させられて前記本体部材に係止されるとともに、前記他端部が前記長穴の端部に係止され、該一端部および該他端部がそれぞれ前記長穴の両端部に係止されることにより、前記シャッタープレートを前記本体部材に対して前記位相ずれ状態に保持している
ことを特徴とする請求項3に記載のクラッチ装置。
【請求項5】
前記シャッタープレートの噛合い歯の一対の周方向端面のうち前記第1爪部材に対向する一方の端面には、外周側ほど他方の端面に向かう傾斜部が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のクラッチ装置。
【請求項6】
前記第1爪部材の先端面の両端は、それぞれR面加工されており、前記第1爪部材の先端面が前記シャッタープレートの噛合い歯に当接しているとき、前記傾斜部の傾斜開始点の径方向位置は、前記第1爪部材の先端面の前記シャッタープレート側に形成されたR面と、前記シャッタープレートの噛み合い歯に形成された傾斜部の外周側に形成されたR面との間に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載のクラッチ装置。
【請求項7】
前記第1爪部材の先端面が前記シャッタープレートの噛合い歯に形成された傾斜部に当接しているとき、前記第1爪部材の回動軸線と前記第1爪部材の先端の当接点とを結ぶ線分と前記傾斜部の傾斜面を示す線とが成す角度は、90°よりも大きい
ことを特徴とする請求項5に記載のクラッチ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はクラッチ装置に係り、特に、逆方向の相対回転を阻止する一方向クラッチの機能と、一方向および逆方向の両方向の相対回転を阻止する機能と、を有するクラッチ装置に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
(a) 同一の軸線まわりに相対回転可能に配置された外輪および内輪と、(b) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の何れか一方に設けられた噛合い歯と、(c) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける一方向の相対回転を許容しつつ逆方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第1爪部材と、(d) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける前記逆方向の相対回転を許容しつつ前記一方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第2爪
部材と、(e) 前記軸線と平行な方向である軸線方向に移動可能に配設され、前記第1爪部材および前記第2爪部材と係合させられることにより、その第1爪部材およびその第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを阻止する開放位置と、前記第1爪部材および前記第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを許容する噛合許容位置と、へ移動させられる噛合切替部材と、を有するクラッチ装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-118250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の従来技術においては、第1爪部材および第2爪部材の何れか一方(第2の爪部材17)が噛合い歯と噛み合う一方向クラッチ状態とするために、噛合切替部材(カム部材41)が前記開放位置(図4-図5参照)と前記噛合許容位置(図6-図7参照)との間の中間位置(図1-図2参照)に停止させられるようになっている。このため、噛合切替部材の移動ストロークが長くなり、クラッチ装置の軸方向寸法が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、一方向クラッチの機能と、一方向および逆方向の両方向の相対回転を阻止する機能と、が得られるクラッチ装置の軸方向寸法を小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 同一の軸線まわりに相対回転可能に配置された外輪および内輪と、(b) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の何れか一方に設けられた噛合い歯と、(c) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける一方向の相対回転を許容しつつ逆方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第1爪部材と、(d) 前記外輪の内周部および前記内輪の外周部の他方に設けられ、前記外輪および前記内輪の前記軸線まわりにおける前記逆方向の相対回転を許容しつつ前記一方向の相対回転を阻止するように前記噛合い歯と噛み合わされる第2爪部材と、(e) 前記軸線と平行な方向である軸線方向に移動可能に配設され、前記第1爪部材および前記第2爪部材と係合させられることにより、その第1爪部材およびその第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを阻止する開放位置と、前記第1爪部材および前記第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛み合うことを許容する噛合許容位置と、へ移動させられる噛合切替部材と、を有するクラッチ装置において、(f) 前記外輪および前記内輪のうち前記噛合い歯が設けられた側の部材である歯部材は、前記軸線方向において第1歯部材および第2歯部材に分割されていると
ともに、(g) 前記第1歯部材および前記第2歯部材の前記軸線まわりにおける前記噛合い歯の位相がずれてその噛合い歯の共通の溝部分の幅寸法が狭くなり、前記第1爪部材はその噛合い歯との噛合いが可能であるが前記第2爪部材はその噛合い歯との噛合いが不能になる位相ずれ状態と、前記第1歯部材および前記第2歯部材の前記軸線まわりにおける前記噛合い歯の位相が合致してその噛合い歯の共通の溝部分の幅寸法が大きくなり、前記第1爪部材および前記第2爪部材が何れも前記噛合い歯と噛合い可能である位相合致状態と、になり得るように前記第1歯部材および前記第2歯部材は相対回転可能に配設されており、(h) 前記第1歯部材および前記第2歯部材が、前記位相合致状態になるまで相対回転することを許容しつつ、前記位相ずれ状態に保持されるように、前記第1歯部材および前記第2歯部材を相対的に付勢する弾性部材を有する、ことを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明のクラッチ装置において、前記噛合切替部材が前記噛合許容位置へ移動させられた状態で、前記外輪および前記内輪は前記一方向の相対回転が許容される一方、前記外輪および前記内輪が前記逆方向へ相対回転させられると、前記第1爪部材が前記噛合い歯に噛み合わされ、その第1爪部材を介して前記第1歯部材および前記第2歯部材が前記位相合致状態まで相対回転させられると、前記第2爪部材が前記噛合い歯に噛み合わされ、前記一方向および前記逆方向の両方向において前記外輪および前記内輪の相対回転が阻止される両噛合状態になる、ことを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明のクラッチ装置において、(a) 前記第1歯部材は、前記クラッチ装置を介して連結される一対の被連結部材の一方に連結される厚板状の本体部材で、その本体部材には前記軸線方向に突き出すように小径部が一体に設けられており、(b) 前記第2歯部材は、前記本体部材の端面に接するように前記小径部の外周側に相対回転可能に配設された薄板円環形状のシャッタープレートであり、(c) 前記位相ずれ状態では、前記シャッタープレートの噛合い歯が前記逆方向の相対回転時に前記第1爪部材と噛み合わされるように、その噛合い歯が前記軸線まわりにおいて前記本体部材の噛合い歯よりも突き出して共通の溝部分の幅寸法が狭くされる一方、(d) 前記弾性部材は、一端部が前記本体部材に係止されるとともに他端部が前記シャッタープレートに係止されたシャッター付勢ばねである、ことを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第3発明のクラッチ装置において、(a) 前記シャッタープレートには、前記軸線を中心とする円弧に沿って長穴が設けられており、(b) 前記シャッター付勢ばねは、円環形状を成していて前記シャッタープレートの前記本体部材と反対側に隣接して配設されるとともに、前記一端部および前記他端部を互いに離間する方向へ付勢するもので、前記一端部が前記長穴を挿通させられて前記本体部材に係止されるとともに、前記他端部が前記長穴の端部に係止され、その一端部およびその他端部がそれぞれ前記長穴の両端部に係止されることにより、前記シャッタープレートを前記本体部材に対して前記位相ずれ
状態に保持している、ことを特徴とする。
【0010】
第5発明は、前記シャッタープレートの噛合い歯の一対の周方向端面のうち前記第1爪部材に対向する一方の端面には、外周側ほど他方の端面に向かう傾斜部が形成されている、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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