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公開番号
2024131974
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023042583
出願日
2023-03-17
発明の名称
チューブの検査装置
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
B65G
43/00 20060101AFI20240920BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約
【課題】チューブが1本ずつ搬送されているか否かを確認することができる検査装置を提供する。
【解決手段】カメラ10と照明20とを有し、1本のみのチューブ100である基準チューブ110に対して撮像した基準画像210において、基準チューブ110の最も明るい部分の階調を100%、基準チューブ110の最も暗い部分の階調を0%としたとき、基準チューブ110は、階調が20%以上80%以下の範囲の中の所定値よりも高い部分で構成される内方部分211と、所定値よりも低い部分で構成される外方部分212と、を有しており、検査対象のチューブ100である検査チューブ120に対して撮像した検査画像220において、階調が所定値よりも高い部分で構成される内方部分211の検査チューブ120の径方向での最大長さD2が、算出した第1設定値よりも小さい場合に第1搬送不良であると判別する判別部30を有している検査装置1。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
チューブの検査装置であって、
前記チューブを撮像するカメラと、
前記チューブを照らす照明と、を有し、
1本のみのチューブである基準チューブに対して、前記照明によって前記基準チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記基準チューブの側面を撮像した基準画像において、前記基準チューブの最も明るい部分の階調を100%、前記基準チューブの最も暗い部分の階調を0%としたとき、前記基準チューブは、階調が20%以上80%以下の範囲の中の所定値よりも高い部分で構成される内方部分と、前記所定値よりも低い部分で構成される外方部分と、を有しており、
検査対象のチューブである検査チューブに対して、前記照明によって前記検査チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記検査チューブの側面を撮像した検査画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記検査チューブの径方向での最大長さが、下記の(1)式によって算出した第1設定値よりも小さい場合に第1搬送不良であると判別する判別部を有している検査装置。
第1設定値=前記基準画像における前記内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さ-前記基準画像における前記内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さの10%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(1)
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記カメラから前記カメラによって撮像されるチューブへ向かう方向にチューブを2本重ねた状態である重なりチューブに対して、前記照明によって前記重なりチューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記重なりチューブの側面を撮像した不良状態画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記重なりチューブの径方向での最大長さを不良状態値とし、
前記基準画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さを基準状態値とし、
前記判別部は、前記検査画像における階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記検査チューブの径方向での最大長さが、前記不良状態値と前記基準状態値との間に設定された閾値を下回った場合に第1搬送不良であると判別する請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記判別部は、前記検査画像における前記検査チューブの外形の径方向での最大長さが、下記の(2)式によって算出した第2設定値よりも大きい場合に第2搬送不良であると判別する請求項1または2に記載の検査装置。
第2設定値=前記基準画像における前記基準チューブの外形の径方向での最大長さ+前記基準画像における前記基準チューブの外形の径方向での最大長さの1%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(2)
【請求項4】
前記判別部は、前記第2搬送不良であると判別しなかった前記検査チューブについて、前記第1搬送不良の判別を行う請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
チューブの検査装置であって、
前記チューブを撮像するカメラと、
前記チューブを照らす照明と、を有し、
1本のみの前記チューブである基準チューブに対して、前記照明によって前記基準チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記基準チューブの側面を撮像した基準画像において、前記基準チューブの最も明るい部分の階調を100%、前記基準チューブの最も暗い部分の階調を0%としたとき、前記基準チューブは、階調が20%以上80%以下の範囲の中の所定値よりも高い部分で構成される内方部分と、前記所定値よりも低い部分で構成される外方部分と、を有しており、
検査対象のチューブである検査チューブに対して、前記照明によって前記検査チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記検査チューブの側面を撮像した検査画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積が、下記の(3)式によって算出した第3設定値よりも小さい場合に第3搬送不良であると判別する判別部を有している検査装置。
第3設定値=前記基準画像における前記内方部分の面積-前記基準画像における前記内方部分の面積の10%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(3)
【請求項6】
前記カメラから前記カメラによって撮像されるチューブへ向かう方向にチューブを2本重ねた状態である重なりチューブに対して、前記照明によって前記重なりチューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記重なりチューブの側面を撮像した不良状態画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積を不良状態値とし、
前記基準画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積を基準状態値とし、
前記判別部は、前記検査画像における階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積が、前記不良状態値と前記基準状態値との間に設定された閾値を下回った場合に第3搬送不良であると判別する請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記検査画像における前記検査チューブの外形の面積が、下記の(4)式によって算出した第4設定値よりも大きい場合に第4搬送不良であると判別する請求項5または6に記載の検査装置。
第4設定値=前記基準画像における前記基準チューブの外形の面積+前記基準画像における前記基準チューブの外形の面積の1%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(4)
【請求項8】
前記判別部は、前記第4搬送不良であると判別しなかった前記検査チューブについて、前記第3搬送不良の判別を行う請求項7に記載の検査装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブの搬送状態を検査する装置に関するものである。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような医療用チューブ等を製造するにあたり、樹脂製のチューブを金型のような加工部に挿入して加工し、医療用チューブ等の成形を行うことがある。成形を効率的に行うため、ロボットハンド等を用いてチューブを保持し、チューブを搬送することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一方端と他方端とを備え、可撓性を有する長尺物を他方側から一方側へ搬送する搬送路と、前記搬送路の一方端に配置されている吸引部と、前記搬送路の他方端に配置されている吹き出し部と、前記長尺物を保持する保持部と、前記長尺物を検知するセンサと、前記センサを固定するセンサ固定部と、を有し、前記センサ固定部は、前記長尺物の長手軸を取り囲む形状であって、かつ前記長尺物を退避させる退避通路を備えている長尺物搬送装置が記載されている。また、特許文献2には、複数の長尺物を載置する載置面を有する載置部と、前記載置面よりも上側に設けられ、前記長尺物の長手方向を一方側部と他方側部とその間の中間部に三等分割したときの前記中間部を保持して前記載置部から前記長尺物を取り出す保持部と、前記載置面よりも上側に設けられ、前記長尺物の長手方向に平行な水平方向成分を含む第1方向に所定範囲で移動可能であり、前記保持した長尺物の延在方向を調整する方向調整部と、前記載置面よりも上側に設けられ、前記水平方向成分を含む第2方向に所定範囲で移動可能であり、前記保持した長尺物を支持する支持部と、を有し、前記支持部を前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動させたときの第2位置が、前記方向調整部を前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動させたときの第1位置よりも前記保持部側に位置する長尺物の搬送装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-138496号公報
特開2021-143064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療用チューブ等の成形においてチューブを1本ずつ加工部に挿入するため、チューブを1本ずつ搬送する必要がある。加工前のチューブは、複数のチューブが載置されて山積みの状態となっていることが一般的である。しかし、特許文献1および2に記載されているような装置では、複数のチューブを保持して搬送してしまうことがあり、改善の余地があった。
【0006】
特に、載置されて山積みの状態となっている複数のチューブから特許文献1および2に記載されているような装置によってチューブを保持すると、複数のチューブの外形が重なり合った状態で保持されやすい傾向にある。外形が重なり合った状態の複数のチューブは、チューブが1本であるか否かを外観から判別することが困難である。
【0007】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、チューブが1本ずつ搬送されているか否かを確認することができる検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決することができた本発明の実施の形態に係る第1の検査装置は、以下の通りである。
[1]チューブの検査装置であって、
前記チューブを撮像するカメラと、
前記チューブを照らす照明と、を有し、
1本のみのチューブである基準チューブに対して、前記照明によって前記基準チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記基準チューブの側面を撮像した基準画像において、前記基準チューブの最も明るい部分の階調を100%、前記基準チューブの最も暗い部分の階調を0%としたとき、前記基準チューブは、階調が20%以上80%以下の範囲の中の所定値よりも高い部分で構成される内方部分と、前記所定値よりも低い部分で構成される外方部分と、を有しており、
検査対象のチューブである検査チューブに対して、前記照明によって前記検査チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記検査チューブの側面を撮像した検査画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記検査チューブの径方向での最大長さが、下記の(1)式によって算出した第1設定値よりも小さい場合に第1搬送不良であると判別する判別部を有している検査装置。
第1設定値=前記基準画像における前記内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さ-前記基準画像における前記内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さの10%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(1)
[2]前記カメラから前記カメラによって撮像されるチューブへ向かう方向にチューブを2本重ねた状態である重なりチューブに対して、前記照明によって前記重なりチューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記重なりチューブの側面を撮像した不良状態画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記重なりチューブの径方向での最大長さを不良状態値とし、
前記基準画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記基準チューブの径方向での最大長さを基準状態値とし、
前記判別部は、前記検査画像における階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の前記検査チューブの径方向での最大長さが、前記不良状態値と前記基準状態値との間に設定された閾値を下回った場合に第1搬送不良であると判別する[1]に記載の検査装置。
[3]前記判別部は、前記検査画像における前記検査チューブの外形の径方向での最大長さが、下記の(2)式によって算出した第2設定値よりも大きい場合に第2搬送不良であると判別する[1]または[2]に記載の検査装置。
第2設定値=前記基準画像における前記基準チューブの外形の径方向での最大長さ+前記基準画像における前記基準チューブの外形の径方向での最大長さの1%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(2)
[4]前記判別部は、前記第2搬送不良であると判別しなかった前記検査チューブについて、前記第1搬送不良の判別を行う[3]に記載の検査装置。
【0009】
また、前記課題を解決することができた本発明の実施の形態に係る第2の検査装置は、以下の通りである。
[5]チューブの検査装置であって、
前記チューブを撮像するカメラと、
前記チューブを照らす照明と、を有し、
1本のみの前記チューブである基準チューブに対して、前記照明によって前記基準チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記基準チューブの側面を撮像した基準画像において、前記基準チューブの最も明るい部分の階調を100%、前記基準チューブの最も暗い部分の階調を0%としたとき、前記基準チューブは、階調が20%以上80%以下の範囲の中の所定値よりも高い部分で構成される内方部分と、前記所定値よりも低い部分で構成される外方部分と、を有しており、
検査対象のチューブである検査チューブに対して、前記照明によって前記検査チューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記検査チューブの側面を撮像した検査画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積が、下記の(3)式によって算出した第3設定値よりも小さい場合に第3搬送不良であると判別する判別部を有している検査装置。
第3設定値=前記基準画像における前記内方部分の面積-前記基準画像における前記内方部分の面積の10%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(3)
[6]前記カメラから前記カメラによって撮像されるチューブへ向かう方向にチューブを2本重ねた状態である重なりチューブに対して、前記照明によって前記重なりチューブの外方から光を照射し、前記カメラによって前記重なりチューブの側面を撮像した不良状態画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積を不良状態値とし、
前記基準画像において、階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積を基準状態値とし、
前記判別部は、前記検査画像における階調が前記所定値よりも高い部分で構成される内方部分の面積が、前記不良状態値と前記基準状態値との間に設定された閾値を下回った場合に第3搬送不良であると判別する[5]に記載の検査装置。
[7]前記判別部は、前記検査画像における前記検査チューブの外形の面積が、下記の(4)式によって算出した第4設定値よりも大きい場合に第4搬送不良であると判別する[5]または[6]に記載の検査装置。
第4設定値=前記基準画像における前記基準チューブの外形の面積+前記基準画像における前記基準チューブの外形の面積の1%以上90%以下の範囲の中の所定の値・・・(4)
[8]前記判別部は、前記第4搬送不良であると判別しなかった前記検査チューブについて、前記第3搬送不良の判別を行う[7]に記載の検査装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の検査装置によれば、検査対象のチューブである検査チューブに対して、照明によって検査チューブの外方から光を照射し、カメラによって検査チューブの側面を撮像した検査画像において、階調が所定値よりも高い部分で構成される内方部分の検査チューブの径方向での最大長さが、(1)式によって算出した第1設定値よりも小さい場合に第1搬送不良であると判別する判別部を有していることにより、外観からは判別が困難である外形が重なり合った状態の複数のチューブを判別することができる。その結果、チューブが1本ずつ搬送されているか否かの検査を精度よく行いやすくなる。
(【0011】以降は省略されています)
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