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公開番号2024129228
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038288
出願日2023-03-13
発明の名称摩擦撹拌接合装置
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類B23K 20/12 20060101AFI20240919BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】異常発生時に即座に対応できない場合であっても、その後の早期復旧が可能な摩擦撹拌接合装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる摩擦撹拌接合装置は、高速回転してワークを摩擦撹拌する円柱状の工具と、工具を回転させる工具主軸と、工具主軸と前記ワークを相対的に移動させるXY軸移動装置と、XY移動装置の移動トルクを取得するXY軸トルク取得装置と、工具主軸をZ軸方向に移動させるZ軸移動装置と、Z軸移動装置の圧力を取得するZ軸圧力取得装置と、Z軸の位置を取得するZ軸位置取得装置と、加工工程の異常を検知する異常検知装置とを有し、異常検知装置は、XY軸移動装置の移動トルク、Z軸移動装置の圧力、およびZ軸の位置の位置偏差の少なくとも1つが制限値を超えたことによって加工工程の異常を検出するとともに、異常を検知したら工具をワークから退避させることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高速回転する円柱状の工具で摩擦撹拌して、金属材料からなる複数のワークを接合する摩擦撹拌接合装置において、
前記工具を回転させる工具主軸と、
前記工具主軸と前記ワークを相対的に移動させるXY軸移動装置と、
前記XY移動装置の移動トルクを取得するXY軸トルク取得装置と、
前記工具主軸をZ軸方向に移動させるZ軸移動装置と、
前記Z軸移動装置の圧力を取得するZ軸圧力取得装置と、
前記Z軸の位置を取得するZ軸位置取得装置と、
加工工程の異常を検知する異常検知装置とを有し、
前記異常検知装置は、XY軸移動装置の移動トルク、Z軸移動装置の圧力、およびZ軸の位置の位置偏差の少なくとも1つが制限値を超えたことによって前記加工工程の異常を検出するとともに、該異常を検知したら前記工具を前記ワークから退避させることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
続きを表示(約 73 文字)【請求項2】
前記加工工程の異常が検知されたことを報知する異常報知装置を有することを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高速回転する円柱状の工具で摩擦撹拌して、金属材料からなる複数のワークを接合する摩擦撹拌接合装置に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
金属材料からなる複数のワークを接合する方法として、摩擦撹拌接合(FSW:Friction Stir Welding、FSSW:Friction Stir Spot Welding)が従来から知られている。摩擦撹拌接合では、円柱状の工具を高速回転させ、FSWでは複数のワークの被接合箇所に工具を押し当て、FSSWではさらに押し込む。そして高速回転している工具の摩擦熱によってワークを軟化させるとともに、工具の回転力によって被接合箇所周辺を塑性流動させて撹拌することにより、複数のワークを接合する。例えば特許文献1には、「金属材の端面同士の当接部分に押し込んだ回転ツールを回転させることにより、前記当接部分に沿って接合部を形成する摩擦撹拌接合システム」が開示されている。
【0003】
特許文献1の摩擦撹拌接合システムは、「摩擦撹拌接合の開始から完了までの間、システムに供給されるエネルギー量に関する物理量の変化を検出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段から取得した測定用の出力信号のうち、前記回転ツールが前記当接部分に押し込まれたときに対応する第1の部分と、前記回転ツールが前記当接部分から引き上げられたときに対応する第2の部分とをそれぞれ抽出する出力信号抽出手段と、前記出力信号抽出手段によって抽出された前記第1の部分及び前記第2の部分と予め設定された閾値との比較に基づいて、前記測定用の出力信号の異常の有無を判断する異常判断出段と、前記異常判断手段による判断結果に基づいて、前記接合部の接合状態の可否を判断する接合状態判断手段と、」を備えている。
【0004】
特許文献1によれば、単一の物理量である有効電力をモニタリングし、かつ摩擦撹拌接合の開始から完了までの期間のうち、システムに供給される有効電力の変動が顕著な部分を抽出して異常の有無を判断しているので、処理負担を軽減しつつ、接合部Wの接合状態の可否を精度良く判断することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-82952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の摩擦撹拌接合システムでは、摩擦撹拌接合の開始時および完了時における異常の有無を判断することができる。特許文献1では特に、摩擦撹拌接合の開始時に異常があると判断された場合、停止制御部によって送り装置および駆動モータを直ちに停止している。しかしながら、加工工程において異常の発生は開始時および完了時には限らず、加工中にも異常が発生することもある。
【0007】
加工中に異常が発生したら作業者が即座に対応する必要があるが、作業者が複数の持ち場を担当している場合等には作業員が即座に対応できないことがある。すると、例えば工具を保持している工具主軸の回転が停止した場合、摩擦熱が発生しなくなるため工具とワークとが冷えて固着してしまい、復旧が困難となる。また工具主軸が送り停止状態となっても回転し続けている場合、摩擦熱によってワークが過剰に溶け出し、治具など周辺部品に流れ出して治具とワークが固着して復旧が困難になる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、異常発生時に即座に対応できない場合であっても、その後の早期復旧が可能な摩擦撹拌接合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明にかかる摩擦撹拌接合装置の代表的な構成は、高速回転する円柱状の工具で摩擦撹拌して、金属材料からなる複数のワークを接合する摩擦撹拌接合装置において、工具を回転させる工具主軸と、工具主軸と前記ワークを相対的に移動させるXY軸移動装置と、XY移動装置の移動トルクを取得するXY軸トルク取得装置と、工具主軸をZ軸方向に移動させるZ軸移動装置と、Z軸移動装置の圧力を取得するZ軸圧力取得装置と、Z軸の位置を取得するZ軸位置取得装置と、加工工程の異常を検知する異常検知装置とを有し、異常検知装置は、XY軸移動装置の移動トルク、Z軸移動装置の圧力、およびZ軸の位置の位置偏差の少なくとも1つが制限値を超えたことによって加工工程の異常を検出するとともに、異常を検知したら工具をワークから退避させることを特徴とする。
【0010】
上記摩擦撹拌接合装置は、加工工程の異常が検知されたことを報知する異常報知装置を有するとよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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