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公開番号
2024128845
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-24
出願番号
2023038099
出願日
2023-03-10
発明の名称
ペプチドグリカン吸着材
出願人
ナガセケムテックス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
20/22 20060101AFI20240913BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】ペプチドグリカンを効率よく吸着することができるペプチドグリカン吸着材を提供する。
【解決手段】窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーを備える、ペプチドグリカン吸着材。窒素原子を含むカチオン性基は、脂肪族1級又は3級アミンに由来する官能基とすることができる。また、窒素原子を含むカチオン性基は、脂肪族1価アミンに由来する官能基とすることができる。また、窒素原子を含むカチオン性基が、1級脂肪族アミンである場合は炭化水素鎖の炭素数を4以上とし、2級又は3級脂肪族アミンである場合は最も長い炭化水素鎖の炭素数を4以上とすることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーを備える、ペプチドグリカン吸着材。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族1級又は3級アミンに由来する官能基である、請求項1に記載のペプチドグリカン吸着材。
【請求項3】
窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族1価アミンに由来する官能基である、請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材。
【請求項4】
窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族アミンに由来する官能基であり、この脂肪族アミンが1級アミンである場合は炭化水素鎖の炭素数が4以上であり、この脂肪族アミンが2級又は3級アミンである場合は最も長い炭化水素鎖の炭素数が4以上である、請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材。
【請求項5】
窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーの陰イオン交換容量が0.01~5meq/dry-gとなるように、セルロースナノファイバーが窒素原子を含むカチオン性基を有する、請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材が充填されたペプチドグリカン吸着用カラム。
【請求項7】
セルロースナノファイバーに窒素原子を含むカチオン性基を導入する工程を含む、請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材の製造方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材とペプチドグリカンを含有する液体とを接触させる工程を含む、ペプチドグリカンが除去された液体の製造方法。
【請求項9】
ペプチドグリカンを含有する液体が、医薬品、食品、化粧品、体液、細胞若しくは微生物生産物、又は水である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のペプチドグリカン吸着材と、目的物質及びペプチドグリカンを含有する液体とを接触させる工程を含む、ペプチドグリカンが除去された目的物質を含有する液体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチドグリカン吸着材、及びこの吸着材を用いて液体中のペプチドグリカンを除去する方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ペプチドグリカンは、N-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸が交互に連なった繰り返し構造を持つ糖鎖と、ムラミン酸のカルボキシル基に結合した数個のアミノ酸を有するペプチドサブユニットからなる糖ペプチドポリマーである。ペプチドグリカンは、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌の細胞壁に多く含まれる。
ペプチドグリカンは種々の生物活性を有している。例えば、体液性免疫の増強または抑制、細胞性免疫の増強、一過性の白血球減少とその後の白血球増加、インターフェロン誘導因子の増強、自然抵抗力の強化といった有益な活性を有する反面、実験自己免疫疾患の誘導発熱作用、エンドトキシン毒性に対する感受性の増加(エンドトキシン活性を高めて、相乗的な毒性を発現する)、類上皮肉芽腫形成、遅延型過敏発症部位への出血壊死性炎の惹起、また急性及び慢性の毒性といった有害な活性も有する(非特許文献1)。また、ペプチドグリカン汚染による無菌性腹膜炎の事例が報告されている(非特許文献2)。
【0003】
医薬品、化粧品などには天然物が含まれる場合が多く、また、加工食品の成分は通常天然物であるところ、天然物には細菌が付着又は混入している可能性がある。また、医薬品の成分には細菌により製造されたものもある。さらに、医薬品、化粧品、食品の製造工程で細菌が混入する可能性もある。
ペプチドグリカンは耐熱性を有して安定であるため、加熱滅菌で完全に除去できない場合があり、また、人工透析の対象となる血液のように、加熱滅菌できないものもある。このため、ペプチドグリカンを効果的に吸着除去できる吸着材が求められている。
【0004】
ここで、特許文献1は、アミノ基を有する水不溶性多孔質材料であって、水不溶性多孔質材料の排除限界分子量が5万以上であるものが液体中のペプチドグリカンを効率よく吸着することを教えている。具体的には、排除限界分子量が5000万以上である多孔質セルロースをエピクロルヒドリンで活性化し、n-ブチルアミン又はn-ヘキサデシルアミンを固定化した材料がペプチドグリカンを効率よく吸着したことを開示している。
しかし、特許文献1の吸着剤は、ペプチドグリカンの吸着効率が実用上十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4646379号
【非特許文献】
【0006】
小谷尚三, 高田春比古 (1983) 細菌細胞壁ならびに関連する合成標品(ムラミルペプチド)の免疫薬理作用, 薬学雑誌, 103, 1-27.
Martis L., et al. (2005) Aseptic peritonitis due to peptidoglycan contamination of pharmacopoeia standard dialysis solution. The Lancet, 365(9459) : 588-594.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ペプチドグリカンを効率よく吸着することができるペプチドグリカン吸着材、及び液体中のペプチドグリカンを効率よく吸着して除去することができる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者は研究を重ね、窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーは、ペプチドグリカンを強く吸着することを見出した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の〔1〕~〔11〕を提供する。
〔1〕 窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーを備える、ペプチドグリカン吸着材。
〔2〕 窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族1級又は3級アミンに由来する官能基である、〔1〕に記載のペプチドグリカン吸着材。
〔3〕 窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族1価アミンに由来する官能基である、〔1〕又は〔2〕に記載のペプチドグリカン吸着材。
〔4〕 窒素原子を含むカチオン性基が、脂肪族アミンに由来する官能基であり、この脂肪族アミンが1級アミンである場合は炭化水素鎖の炭素数が4以上であり、この脂肪族アミンが2級又は3級アミンである場合は最も長い炭化水素鎖の炭素数が4以上である、〔1〕~〔3〕の何れに記載のペプチドグリカン吸着材。
〔5〕 窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーの陰イオン交換容量が0.01~5meq/dry-gとなるように、セルロースナノファイバーが窒素原子を含むカチオン性基を有する、〔1〕~〔4〕の何れに記載のペプチドグリカン吸着材。
〔6〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のペプチドグリカン吸着材が充填されたペプチドグリカン吸着用カラム。
〔7〕 セルロースナノファイバーに窒素原子を含むカチオン性基を導入する工程を含む、〔1〕~〔5〕の何れかに記載のペプチドグリカン吸着材の製造方法。
〔8〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のペプチドグリカン吸着材とペプチドグリカンを含有する液体とを接触させる工程を含む、ペプチドグリカンが除去された液体の製造方法。
〔9〕 ペプチドグリカンを含有する液体が、医薬品、食品、化粧品、体液、細胞若しくは微生物生産物、又は水である、〔8〕に記載の方法。
〔10〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のペプチドグリカン吸着材と、目的物質及びペプチドグリカンを含有する液体とを接触させる工程を含む、ペプチドグリカンが除去された目的物質を含有する液体の製造方法。
〔11〕 目的物質及びペプチドグリカンを含有する液体が、医薬品、食品、化粧品、体液、細胞若しくは微生物生産物、又は水である、〔10〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のペプチドグリカン吸着材は、ペプチドグリカンを強く吸着する。窒素原子を含むカチオン性基を有するセルロースナノファイバーを備える本発明のペプチドグリカン吸着材は、同様の官能基を有するセルロース粒子に比べて、ペプチドグリカン吸着効率が高い。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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