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公開番号2024125637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033580
出願日2023-03-06
発明の名称鋼橋の保全工法
出願人ヤマダインフラテクノス株式会社,国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人,個人,個人
主分類E01D 22/00 20060101AFI20240911BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】腐食を生じた鋼橋に対して行うことにより、長期に亘って再腐食の発生を抑制することができる鋼橋の保全工法を提案する。
【解決手段】鋼橋1の表面に研削処理を行って旧塗装や錆等を取り除く研削工程と、露出させた素材表面5の腐食起因凹部15のみを金属材料によって埋める充填工程と、腐食起因凹部15を埋めた充填部16の外表面17を、周囲の素材表面5に倣う表面形態に形成する充填部外表面形成工程と、重防食塗装を行う塗装工程とを含む鋼橋の保全工法を、既存の鋼橋1に実行する。かかる保全工法によれば、塗装膜19の表面に窪みが生じることを防ぎ得ることから、該窪みに雨水等が溜まることにより再腐食が発生することを抑制できる。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
表面に腐食が生じた鋼橋の表面に、所定の研削処理を行うことによって、該鋼橋を構成する鋼材の素材表面を露出させる研削工程と、
前記研削工程で露出させた素材表面にある、前記腐食により生じた腐食起因凹部のみを、所定の金属材料によって埋める充填工程と、
前記充填工程で腐食起因凹部を金属材料により埋めて形成された充填部の外表面を、該腐食起因凹部の周囲の素材表面に倣う表面形態に形成する充填部外表面形成工程と、
前記充填部外表面形成工程の後に、少なくとも前記充填部を含む前記研削処理を行った部位に、所定の塗料を塗布する塗装工程と
を含むことを特徴とする鋼橋の保全工法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
研削工程によって、腐食起因凹部に隣接した平坦面で構成される素材表面を露出すると共に、
充填部外表面形成工程によって、前記腐食起因凹部を埋めた充填部の外表面が、当該腐食起因凹部に隣接した平坦面で構成される前記素材表面と整一かつ平坦な表面形態に形成されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の鋼橋の保全工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼橋に実施する鋼橋の保全工法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、新設するものや既設のものに関わらず鋼橋はサビ等の発生を防ぐために、あるいは特に既存の鋼橋においては経年劣化によって腐食が進行した塗装の更新のために、予防保全が施されている。このように予防保全は、サビ等を取り除いたり、古い塗膜を取り除いたりする必要があるため、近年ではブラスト処理(1種ケレン)によってサビや塗膜を除去し、その後、新規の塗装を施すことが行われている。
【0003】
こうした予防保全の工法として、例えば特許文献1には、基材表面にブラスト処理を施すブラスト処理工程と、その後に金属溶射により溶射被膜を施す溶射工程と、該溶射被膜上に防水性の上部膜を施す上部膜処理工程とを行う方法が提案されている。
【0004】
また、既存の鋼橋は、屋外で風雨に晒されることから、該鋼橋の表面に腐食が生ずる。この腐食が進行すると、鋼橋の強度や耐久性等に影響を及ぼす恐れがあることから、できるだけ早期に対処することが求められている。この対処を行う工法として、例えば、前記した特許文献1の方法が適用できる。具体的には、鋼橋の表面にブラスト処理を行って、該表面に付着した塗料や錆を除去した後に、該ブラスト処理により露出した鋼材の表面に金属溶射して溶射被膜を形成する。次に、溶射被膜上に防水性の塗料を塗布して、該溶射被膜を覆う上部膜を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4026841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前述した特許文献1の方法では、ブラスト処理で露出した鋼材の表面に溶射被膜を形成することから、腐食により該鋼材の表面に生じた凹部に倣って該溶射被膜が形成される。そして、この溶射被膜上に上部膜を形成することから、当該工法後の鋼橋の表面には、腐食により鋼材に生じた凹部の上に窪みが残る。こうした窪みには、雨水が溜まり易いことから、該雨水によって錆や腐食が発生し易くなるおそれがあった。また、鋼材が浸食されることによって生じた前記凹部は、該鋼材の厚みを減少させることから、該鋼材の強度が低下するおそれもあった。
【0007】
本発明は、鋼橋の表面に発生した腐食に対処でき、該対処後に比較的長期に亘って腐食の再発生を抑制し得ると共に、浸食により減少した鋼材の厚みを補修する鋼橋の保全工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表面に腐食が生じた鋼橋の表面に、所定の研削処理を行うことによって、該鋼橋を構成する鋼材の素材表面を露出させる研削工程と、前記研削工程で露出させた素材表面にある、前記腐食により生じた腐食起因凹部のみを、所定の金属材料によって埋める充填工程と、前記充填工程で腐食起因凹部を金属材料により埋めて形成された充填部の外表面を、該腐食起因凹部の周囲の素材表面に倣う表面形態に形成する充填部外表面形成工程と、前記充填部外表面形成工程の後に、少なくとも前記充填部を含む前記研削処理を行った部位に、所定の塗料を塗布する塗装工程とを含むことを特徴とする鋼橋の保全工法である。
【0009】
かかる保全工法にあっては、腐食により鋼材の素材表面に生じた腐食起因凹部を金属材料で埋め、この金属材料を埋めた充填部の外表面を、周囲の素材表面に倣う表面形態に形成することから、塗装工程後の鋼橋の表面に、前記腐食起因凹部による凹凸が生ずることを防ぎ得る。これにより、前述した従来方法のように腐食起因凹部の上に窪みが形成されず、該窪みに雨水が溜まらないことから、該窪みに溜まった雨水等により腐食が発生することを防ぐことができる。したがって、本発明の保全工法によれば、当該工法後に腐食の再発生を抑制できる。また、本保全工法では、腐食起因凹部を埋めて補修することから、該腐食起因凹部における強度低下を補強できる。
【0010】
前述した本発明の鋼橋の保全工法にあって、研削工程によって、腐食起因凹部に隣接した平坦面で構成される素材表面を露出すると共に、充填部外表面形成工程によって、前記腐食起因凹部を埋めた充填部の外表面が、当該腐食起因凹部に隣接した平坦面で構成される前記素材表面と整一かつ平坦な表面形態に形成されるようにした構成が提案される。
(【0011】以降は省略されています)

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