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公開番号
2024125089
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023033194
出願日
2023-03-03
発明の名称
車両用モータ駆動装置および密封構造
出願人
株式会社アイシン
,
NOK株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H02K
5/22 20060101AFI20240906BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】モータ室の油密性および絶縁性を確保しつつ、装置の構造の簡素化を実現することが可能な車両用モータ駆動装置を提供する。
【解決手段】この車両用モータ駆動装置100は、モータ10から延びるモータ側配線31が挿入される配線挿入孔61を含み、貫通孔44とモータ側配線31との間をシールするように貫通孔44に取り付けられた弾性変形可能な筒状弾性部材60と、を備える。筒状弾性部材60は、筒状弾性部材60のうちのモータ室41側で、かつ、貫通孔44に挿入されない部分に配置され、モータ室41側に延びるように形成されたモータ室側延長部67を含む。モータ室側延長部67のモータ側配線31が配線挿入孔61に挿入される方向の長さL1は、モータ室側延長部67における配線挿入孔61の直径D以上である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に用いられるモータと、
前記モータに電力を供給するインバータと、
一端部が前記モータに接続され、前記モータと前記インバータとを接続するためのモータ側配線と、
内部に前記モータを収容するモータ室を含み、前記モータ室に収容された前記モータから延びる前記モータ側配線が貫通する貫通孔が形成されたハウジングと、
前記モータから延びる前記モータ側配線が挿入される配線挿入孔を含み、前記貫通孔と前記モータ側配線との間をシールするように前記貫通孔に取り付けられた弾性変形可能な筒状弾性部材と、を備え、
前記筒状弾性部材は、前記筒状弾性部材のうちの前記モータ室側で、かつ、前記貫通孔に挿入されない部分に配置され、前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向に沿って延びるように形成されたモータ室側延長部をさらに含み、
前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向における前記モータ室側延長部の長さは、前記配線挿入孔の直径以上である、車両用モータ駆動装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記筒状弾性部材を外周側から締め付ける締付部材をさらに備え、
前記モータ室側延長部は、前記締付部材により外周側から締め付けられている、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
【請求項3】
前記モータ室側延長部の径方向の厚さは、前記筒状弾性部材のうちの前記貫通孔に挿入される挿入部分の径方向の厚さよりも小さい、請求項2に記載の車両用モータ駆動装置。
【請求項4】
前記筒状弾性部材は、前記モータ室側延長部よりも前記モータ室側に配置され、前記筒状弾性部材の外周面から外周側に突出する突出部をさらに含む、請求項2に記載の車両用モータ駆動装置。
【請求項5】
前記筒状弾性部材は、前記筒状弾性部材のうちの前記貫通孔に挿入される挿入部分と前記モータ室側延長部との間に配置され、前記筒状弾性部材の外周面から外周側に周状に突出するフランジ部をさらに含む、請求項2に記載の車両用モータ駆動装置。
【請求項6】
前記筒状弾性部材の前記配線挿入孔に前記モータ側配線が挿入されていない状態において、前記配線挿入孔の直径が、前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向において前記モータ側配線の外径よりも小さい部分を含み、かつ、前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向における前記モータ室側から前記モータ室側とは反対側に向かって徐々に大きくなっている前記筒状弾性部材の前記配線挿入孔に、前記モータ側配線が圧入されることにより挿入されている、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
【請求項7】
モータから延びるモータ側配線が挿入される配線挿入孔を含み、前記モータを収容するモータ室を含むハウジングに形成され前記モータ側配線が貫通される貫通孔と前記モータ側配線との間をシールするように前記貫通孔に取り付けられた弾性変形可能な筒状弾性部材と、を備え、
前記筒状弾性部材は、前記筒状弾性部材のうちの前記モータ室側で、かつ、前記貫通孔に挿入されない部分に配置され、前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向に沿って延びるように形成されたモータ室側延長部をさらに含み、
前記モータ側配線が前記配線挿入孔に挿入される方向における前記モータ室側延長部の長さは、前記配線挿入孔の直径以上である、密封構造。
【請求項8】
前記筒状弾性部材を外周側から締め付ける締付部材をさらに備え、
前記モータ室側延長部は、前記締付部材により外周側から締め付けられている、請求項7に記載の密封構造。
【請求項9】
前記モータ室側延長部の径方向の厚さは、前記筒状弾性部材のうちの前記貫通孔に挿入される挿入部分の径方向の厚さよりも小さい、請求項8に記載の密封構造。
【請求項10】
前記筒状弾性部材は、前記モータ室側延長部よりも前記モータ室側に配置され、前記筒状弾性部材の外周面から外周側に突出する突出部をさらに含む、請求項8に記載の密封構造。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用モータ駆動装置および密封構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、モータを備える車両用モータ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、モータを備えるモータ装置(車両用モータ駆動装置)が開示されている。このモータ装置は、インバータと、絶縁端子台と、モータハウジングと、を備える。インバータは、直流電力を交流電力に変換して、モータに交流電力を供給するように構成されている。絶縁端子台は、インバータからの交流電力をモータに供給するために、インバータに接続された通電ケーブルとモータに接続されたモータバスバーとを電気的に接続している。モータハウジングは、モータが収容されるとともに、モータの冷却に用いられるオイルが貯留されるモータ室を含む。モータハウジングは、モータ室の油密性および絶縁性を確保するために、絶縁端子台が収容される端子台室と、端子台室とモータ室とを仕切る仕切壁と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-136770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のモータ装置では、モータ室の油密性および絶縁性を確保するために、仕切壁により仕切られた端子台室に収容された絶縁端子台を用いて、モータとインバータとを電気的に接続している。このため、上記特許文献1のモータ装置では、端子台室および絶縁端子台を設けたことに起因して、モータ装置(装置)の構造が複雑化している。このため、モータ室の油密性および絶縁性を確保しつつ、装置の構造の簡素化を実現することが可能なモータ装置(車両用モータ駆動装置)および密封構造が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、モータ室の油密性および絶縁性を確保しつつ、装置の構造の簡素化を実現することが可能な車両用モータ駆動装置および密封構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における車両用モータ駆動装置は、車両に用いられるモータと、モータに電力を供給するインバータと、一端部がモータに接続され、モータとインバータとを接続するためのモータ側配線と、内部にモータを収容するモータ室を含み、モータ室に収容されたモータから延びるモータ側配線が貫通する貫通孔が形成されたハウジングと、モータから延びるモータ側配線が挿入される配線挿入孔を含み、貫通孔とモータ側配線との間をシールするように貫通孔に取り付けられた弾性変形可能な筒状弾性部材と、を備え、筒状弾性部材は、筒状弾性部材のうちのモータ室側で、かつ、貫通孔に挿入されない部分に配置され、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向に沿って延びるように形成されたモータ室側延長部をさらに含み、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向におけるモータ室側延長部の長さは、配線挿入孔の直径以上である。
【0008】
この発明の第1の局面における車両用モータ駆動装置は、上記のように、モータから延びるモータ側配線が挿入される配線挿入孔を含み、貫通孔とモータ側配線との間をシールするように貫通孔に取り付けられた弾性変形可能な筒状弾性部材を備える。これにより、ハウジングに端子台室および絶縁端子台を設けることなく、ハウジングの貫通孔に取り付けられた筒状弾性部材によりモータ室の油密性および絶縁性を確保することができる。その結果、モータ室の油密性および絶縁性を確保しつつ、装置の構造の簡素化を実現することができる。
【0009】
また、上記第1の局面における車両用モータ駆動装置では、上記のように、筒状弾性部材は、筒状弾性部材のうちのモータ室側で、かつ、貫通孔に挿入されない部分に配置され、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向に沿って延びるように形成されたモータ室側延長部をさらに含む。これにより、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向に沿ってモータ室側延長部が延びている分、モータ側配線が挿入される配線挿入孔の距離が長くなるので、モータ室側のオイルがモータ側配線の外周面と配線挿入孔の内周面との間を通過しにくくなる。また、上記第1の局面における車両用モータ駆動装置では、上記のように、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向におけるモータ室側延長部の長さは、配線挿入孔の直径以上である。これにより、モータ側配線が配線挿入孔に挿入される方向におけるモータ室側延長部の長さを、モータ室側のオイルがモータ側配線の外周面と配線挿入孔の内周面との間を通過しにくくなるように、十分に長くすることができる。その結果、筒状弾性部材がモータ室側延長部を含まない場合と比較して、モータ室の油密性を向上させることができる。
【0010】
上記第1の局面における車両用モータ駆動装置において、好ましくは、筒状弾性部材を外周側から締め付ける締付部材をさらに備え、モータ室側延長部は、締付部材により外周側から締め付けられている。
(【0011】以降は省略されています)
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