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公開番号2024121904
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029134
出願日2023-02-28
発明の名称リチウム含有溶液の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類C22B 26/12 20060101AFI20240902BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】溶離工程後の溶液におけるリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】リチウム含有溶液の製造方法は、吸着工程と、吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、マンガン酸化工程と、をこの順で実行する。溶離溶液は、高濃度リチウム溶離溶液と、低濃度リチウム溶離溶液と、に分離される。酸含有溶液には、低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれる。この態様により、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、
前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、
前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、
をこの順で実行し、
前記溶離工程において、前記溶離溶液は、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、
前記溶離工程における前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、
前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれる、
ことを特徴とするリチウム含有溶液の製造方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記高濃度リチウム溶離溶液は、
前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項3】
前記高濃度リチウム溶離溶液は、
前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項4】
前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、
前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム含有溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶離工程後の溶液におけるリチウムの含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
スピネル型の構造を持つ、マンガン酸リチウム(LiMn



、Li
1.33
Mn
1.67


、Li
1.6
Mn
1.6


等)に塩酸などの鉱酸を接触させることで得られるλ-MnO

(HMn



、H
1.33
Mn
1.67


、H
1.6
Mn
1.6


等)は、選択的にリチウムを吸着することが知られている。このλ-MnO

をリチウム回収に用いた場合、λ-MnO

は不純物を吸着しないため、リチウム回収において中和剤の使用量を大幅に低減できるといったメリットがある。このことから、この方法の商業利用が期待されている。このλ-MnO

を用いたリチウム含有溶液の製造方法が、特許文献1で開示されている。
【0003】
特許文献1のリチウム含有溶液の製造方法は、溶離工程に用いられる酸含有溶液として、溶離工程で得られた溶離溶液の全量に対して酸を追加して、酸含有溶液の水素イオン濃度を調整することで、溶離工程後の工程で用いられる溶離溶液の量を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2022/210847号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、溶離溶液の全量に対して酸を追加するため、溶離溶液後の工程で用いられる溶液の量を抑制する効果は限定的であるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、溶離工程後の溶液におけるリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明のリチウム含有溶液の製造方法は、マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、をこの順で実行し、前記溶離工程において、前記溶離溶液は、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、前記溶離工程における前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれることを特徴とする。
第2発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることを特徴とする。
第3発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液であることを特徴とする。
第4発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液が、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液に含まれることにより、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。また、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
第2発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。
第3発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液を容易に得ることができる。
第4発明によれば、水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられることにより、水洗工程で廃棄せざるを得なかったリチウムを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
本発明の第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
図1のリチウム含有溶液の製造方法において、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。
図2のリチウム含有溶液の製造方法において、水洗後液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具現化するためのリチウム含有溶液の製造方法を例示するものであって、本発明はリチウム含有溶液の製造方法を以下のものに特定しない。
(【0011】以降は省略されています)

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