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公開番号2024121510
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028655
出願日2023-02-27
発明の名称解析装置、情報処理方法および情報処理プログラム
出願人オムロン株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G05B 23/02 20060101AFI20240830BHJP(制御;調整)
要約【課題】製造設備に生じ得る事象に対する対策の効果をより簡単に推定できる技術を提供する。
【解決手段】解析装置は、製造設備に関する第1の時系列データに基づいて、製造設備に存在する1または複数の要因と製造設備において異常と評価される事象との因果関係を示す因果関係グラフを生成する生成部と、因果関係グラフに含まれる1つの要因に対応する第1のノードの選択、および、第1の時系列データに対する対象区間の設定に応じて、第1の時系列データのうち対象区間の値を、第1のノードに対応する要因に対する対策の効果を反映した値に更新した第2の時系列データを生成する更新部と、第1の時系列データに基づく第1の評価指標と、第2の時系列データに基づく第2の評価指標とを算出する算出部とを含む。第1の評価指標および第2の評価指標の各々は、製造設備の理想的な状態への近さを示す。
【選択図】図14
特許請求の範囲【請求項1】
製造設備に関する第1の時系列データに基づいて、前記製造設備に存在する1または複数の要因と前記製造設備において異常と評価される事象との因果関係を示す因果関係グラフを生成する生成部と、
前記因果関係グラフに含まれる1つの要因に対応する第1のノードの選択、および、前記第1の時系列データに対する対象区間の設定に応じて、前記第1の時系列データのうち前記対象区間の値を、前記第1のノードに対応する要因に対する対策の効果を反映した値に更新した第2の時系列データを生成する更新部と、
前記第1の時系列データに基づく第1の評価指標と、前記第2の時系列データに基づく第2の評価指標とを算出する算出部とを備え、前記第1の評価指標および前記第2の評価指標の各々は、前記製造設備の理想的な状態への近さを示す、解析装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記更新部は、前記第1のノードに加えて、前記因果関係グラフにおいて、前記第1のノードから前記事象を示すノードまでの経路に存在する別の要因に対応する第2のノードについて、前記対象区間の値を更新する、請求項1に記載の解析装置。
【請求項3】
前記更新部は、前記第1のノードに対応する変数を目的変数および説明変数とする回帰モデルを用いて、前記対象区間の前記第1のノードに対応する値を補間する、請求項2に記載の解析装置。
【請求項4】
前記更新部は、前記第2のノードに対応する変数を目的変数とし、前記因果関係グラフにおいて前記第2のノードの要因になるノードに対応する変数を説明変数とする回帰モデルを用いて、前記対象区間の前記第2のノードに対応する値を補間する、請求項2に記載の解析装置。
【請求項5】
前記更新部は、前記回帰モデルが予め定められた精度を有していなければ、前記回帰モデルに代えて、平均値代入法を用いて、前記対象区間の値を算出する、請求項3または4に記載の解析装置。
【請求項6】
前記算出部は、
前記第1の時系列データに基づいて生成された評価モデルを用いて、前記第1の評価指標を算出し、
前記第2の時系列データおよび前記評価モデルを用いて、前記第2の評価指標を算出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の解析装置。
【請求項7】
前記第1のノードに対応する変数の時間波形、および、前記第1のノードに対する対策の効果を反映した値、を表示出力する表示出力部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の解析装置。
【請求項8】
前記表示出力部は、前記事象に対する対策の効果が最も高いと予想されるノードを他のノードとは異なる態様で表示出力する、請求項7に記載の解析装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
製造設備に関する第1の時系列データに基づいて、前記製造設備の理想的な状態への近さを示す第1の評価指標を算出することと、
前記第1の時系列データに基づいて、前記製造設備に存在する1または複数の要因と前記製造設備において異常と評価される事象との因果関係を示す因果関係グラフを生成することと、
前記因果関係グラフに含まれる1つの要因に対応する第1のノードの選択を受け付けることと、
前記第1の時系列データに対する対象区間の設定を受け付けることと、
前記第1の時系列データのうち前記対象区間の値を、前記第1のノードに対応する要因に対する対策の効果を反映した値に更新した第2の時系列データを生成することと、
前記第2の時系列データに基づいて、前記製造設備の理想的な状態への近さを示す第2の評価指標を算出することとを備える、情報処理方法。
【請求項10】
情報処理プログラムであって、コンピュータに、
製造設備に関する第1の時系列データに基づいて、前記製造設備の理想的な状態への近さを示す第1の評価指標を算出することと、
前記第1の時系列データに基づいて、前記製造設備に存在する1または複数の要因と前記製造設備において異常と評価される事象との因果関係を示す因果関係グラフを生成することと、
前記因果関係グラフに含まれる1つの要因に対応する第1のノードの選択を受け付けることと、
前記第1の時系列データに対する対象区間の設定を受け付けることと、
前記第1の時系列データのうち前記対象区間の値を、前記第1のノードに対応する要因に対する対策の効果を反映した値に更新した第2の時系列データを生成することと、
前記第2の時系列データに基づいて、前記製造設備の理想的な状態への近さを示す第2の評価指標を算出することとを実行させる、情報処理プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、解析装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、実験データおよび観測データなどの不完全な情報に基づいて、製造設備に存在する1または複数の要因と製造設備において異常と評価される事象との因果関係を統計的に推定する技術が公知である。このような技術を産業オートメーション(industrial automation)に適用することで、製造現場で生じる異常の要因の特定を容易化できる。
【0003】
一例として、センサなどのフィールドデバイスから収集する情報に基づいて生成された因果関係グラフを参照することで、品質不良および装置停止などの異常の要因をより容易に特定できるようになる。
【0004】
例えば、特開2009-104523号公報(特許文献1)は、検査工程の検査結果に基づいて、製造プロセスでの不良要因を抽出する不良要因抽出方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-104523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術を用いて異常の要因を特定した後に、特定された要因に対してとり得る対策の効果を確認することが難しい。例えば、異常の要因を特定するために、データ解析に機械学習を利用する場合には、モデルを更新しなければ、対策の効果を評価できない。また、実際の装置に対して対策をとる場合には、装置の調整などが必要となる。
【0007】
本発明は、製造設備に生じ得る事象に対する対策の効果をより簡単に推定できる技術を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例に従う解析装置は、製造設備に関する第1の時系列データに基づいて、製造設備に存在する1または複数の要因と製造設備において異常と評価される事象との因果関係を示す因果関係グラフを生成する生成部と、因果関係グラフに含まれる1つの要因に対応する第1のノードの選択、および、第1の時系列データに対する対象区間の設定に応じて、第1の時系列データのうち対象区間の値を、第1のノードに対応する要因に対する対策の効果を反映した値に更新した第2の時系列データを生成する更新部と、第1の時系列データに基づく第1の評価指標と、第2の時系列データに基づく第2の評価指標とを算出する算出部とを含む。第1の評価指標および第2の評価指標の各々は、製造設備の理想的な状態への近さを示す。
【0009】
この構成によれば、評価指標に基づいて、因果関係グラフに含まれる任意のノードに対する対策をとった場合の効果を客観的に判断できる。これによって、因果関係グラフに含まれるノードのうち、いずれのノードに対する対策が有効であるかを容易に推定できる。
【0010】
更新部は、第1のノードに加えて、因果関係グラフにおいて、第1のノードから事象を示すノードまでの経路に存在する別の要因に対応する第2のノードについて、対象区間の値を更新してもよい。この構成によれば、第1のノードに対して対策をとった場合に、第1のノードが影響を与える他のノードの値も更新することで、対策の効果をより正確に推定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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