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公開番号2024120865
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2024020580
出願日2024-02-14
発明の名称施工方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類E02B 11/02 20060101AFI20240829BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】盛土領域を有する圃場の排水性を向上させる。
【解決手段】盛土領域(EA)に排水口(D)を施工する排水口施工工程と、圃場(F)に第1の補助暗渠(AC1)を施工する集水暗渠施工工程と、非盛土領域(NA)に第2の補助暗渠(AC2)を施工する遮水暗渠施工工程と、を含み、遮水暗渠施工工程では、第2の補助暗渠の深さを第1の補助暗渠の深さよりも浅くしつつ、第1の補助暗渠と第2の補助暗渠とを立体交差させる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
盛土された盛土領域を有する圃場に補助暗渠を施工する施工方法であって、
前記盛土領域に、排水口を施工する排水口施工工程と、
前記排水口施工工程の終了後、前記圃場に、当該圃場の水を集水して前記排水口に導く第1の補助暗渠を施工する集水暗渠施工工程と、
前記圃場における前記盛土領域以外の非盛土領域に、前記圃場の水を集水する第2の補助暗渠を施工する遮水暗渠施工工程と、を含み、
前記遮水暗渠施工工程では、前記第2の補助暗渠の深さを前記第1の補助暗渠の深さよりも浅くしつつ、前記第1の補助暗渠と前記第2の補助暗渠とを立体交差させる、施工方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記圃場に、当該圃場の水を集水する第3の補助暗渠を施工する交差暗渠施工工程をさらに含み、
前記交差暗渠施工工程では、前記第3の補助暗渠の深さを前記第1の補助暗渠の深さよりも浅くしつつ、前記第1の補助暗渠と前記第3の補助暗渠とを立体交差させる、請求項1に記載の施工方法。
【請求項3】
前記交差暗渠施工工程では、
前記盛土領域および前記非盛土領域のそれぞれに、複数の前記第3の補助暗渠を、当該第3の補助暗渠の延伸方向に対して並列に施工するとともに、
前記盛土領域内で隣り合う2つの前記第3の補助暗渠の間隔を、前記非盛土領域内で隣り合う2つの前記第3の補助暗渠の間隔よりも狭くする、前記第3の補助暗渠を施工する、請求項2に記載の施工方法。
【請求項4】
前記集水暗渠施工工程では、複数の前記第1の補助暗渠を、前記排水口を基点として放射状に施工する、請求項3に記載の施工方法。
【請求項5】
整備前の前記圃場における第1の標高値の分布を示す第1の分布情報、および前記圃場における第2の標高値の分布を示す第2の分布情報を取得して、前記圃場における前記盛土領域の盛土態様を示す圃場基盤情報を生成する情報生成工程をさらに含み、
前記排水口施工工程では、前記情報生成工程で生成した前記圃場基盤情報に基づいて、前記盛土領域の中から前記排水口を施工する施工領域を決定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の施工方法。
【請求項6】
情報生成工程では、
前記第1の分布情報として、整備前の前記圃場を仮想的に格子状に分割して得られる複数の第1の単位空間のそれぞれにおける前記第1の標高値を取得し、
前記第2の分布情報として、前記圃場を仮想的に格子状に分割して得られる複数の第2の単位空間のそれぞれにおける前記第2の標高値を取得し、
前記複数の第2の単位空間毎に、当該第2の単位空間における前記第2の標高値と、当該第2の単位空間に対応する前記第1の単位空間における前記第1の標高値と、の差分を基準値と比較することにより、当該第2の単位空間が盛土されているか否かを判定し、
判定結果に基づいて、前記圃場基盤情報を生成する、請求項5に記載の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、補助暗渠の施工方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
中山間地域には本暗渠が施工されていない中小規模の圃場が多数存在するところ、本暗渠の施工には手間が掛かる。そのため、特に中山間地域では、本暗渠が施工されていない圃場の排水性の確保が容易ではないという問題があった。そこで、この問題を解決すべく、本暗渠よりも施工が容易な補助暗渠を利用する方法が、従来から研究されている。例えば、非特許文献1には、複数の弾丸暗渠を、集水穴を基点として放射状に施工する施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
牛尾昭浩、「放射状弾丸暗渠施工法による圃場排水性改善技術」、兵庫県における大豆の収量・品質向上技術、第58回シンポジウム、NPO法人近畿アグリハイテク
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示された施工方法は、圃場が、栽培期間中に起伏が生じない平地であることを前提としている。そのため、栽培期間中に起伏が生じる圃場、具体的には盛土領域を有する圃場に前述の施工方法を適用した場合、圃場における盛土領域以外の非盛土領域に集水穴を施工すると、盛土領域の沈降に起因する逆勾配によって逆流および余剰水の滞留が生じる。逆流および余剰水の滞留は、圃場の排水不良の大きな要因となる。
【0005】
ここで、盛土領域は、圃場における盛土された領域であり、切土領域は、圃場における切土された領域である。逆勾配とは、集水穴が施工されている施工領域の標高が、当該施工領域と反対側の領域の標高よりも高い状態のことを指す。逆流とは、圃場の水が施工領域と反対側の領域に向けて流れる現象を指す。余剰水の滞留とは、弾丸暗渠が集水し切れなかった水(つまり余剰水)が施工領域と反対側の領域に滞留する現象を指す。
【0006】
以上のことから、非特許文献1に開示された施工方法は、少なくとも盛土領域を有する圃場の排水性の向上という面において、必ずしも十分とはいえなかった。
【0007】
本発明の一態様は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、盛土領域を有する圃場の排水性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る施工方法は、盛土された盛土領域を有する圃場に補助暗渠を施工する施工方法であって、前記盛土領域に、排水口を施工する排水口施工工程と、前記排水口施工工程の終了後、前記圃場に、当該圃場の水を集水して前記排水口に導く第1の補助暗渠を施工する集水暗渠施工工程と、前記圃場における前記盛土領域以外の非盛土領域に、前記圃場の水を集水する第2の補助暗渠を施工する遮水暗渠施工工程と、を含み、前記遮水暗渠施工工程では、前記第2の補助暗渠の深さを前記第1の補助暗渠の深さよりも浅くしつつ、前記第1の補助暗渠と前記第2の補助暗渠とを立体交差させる。
【0009】
本発明の一態様に係る施工方法は、前記圃場に、当該圃場の水を集水する第3の補助暗渠を施工する交差暗渠施工工程をさらに含み、前記交差暗渠施工工程では、前記第3の補助暗渠の深さを前記第1の補助暗渠の深さよりも浅くしつつ、前記第1の補助暗渠と前記第3の補助暗渠とを立体交差させてもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る施工方法は、前記交差暗渠施工工程では、前記盛土領域および前記非盛土領域のそれぞれに、複数の前記第3の補助暗渠を、当該第3の補助暗渠の延伸方向に対して並列に施工するとともに、前記盛土領域内で隣り合う2つの前記第3の補助暗渠の間隔を、前記非盛土領域内で隣り合う2つの前記第3の補助暗渠の間隔よりも狭くする、前記第3の補助暗渠を施工してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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