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公開番号
2024115182
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-26
出願番号
2023020729
出願日
2023-02-14
発明の名称
二酸化炭素選択透過膜、二酸化炭素選択透過膜の製造方法、二酸化炭素分離装置、および、二酸化炭素分離方法
出願人
東京瓦斯株式会社
,
国立大学法人神戸大学
代理人
弁理士法人青海国際特許事務所
主分類
B01D
53/22 20060101AFI20240819BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】耐圧性を向上する。
【解決手段】二酸化炭素選択透過膜120は、架橋された高分子によって形成される3次元ネットワーク構造内にイオン液体が取り込まれたイオンゲルを備え、架橋された高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有する高分子がアミド結合によって架橋されたものであり、イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
架橋された高分子によって形成される3次元ネットワーク構造内にイオン液体が取り込まれたイオンゲルを備え、
前記架橋された高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有する高分子がアミド結合によって架橋されたものであり、
前記イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む、二酸化炭素選択透過膜。
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【請求項2】
前記イオン液体は、アミノ基を有するイオンを含まない、請求項1に記載の二酸化炭素選択透過膜。
【請求項3】
前記イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンのみからなる、請求項1に記載の二酸化炭素選択透過膜。
【請求項4】
前記高分子は、ポリアクリル酸を含む、請求項1に記載の二酸化炭素選択透過膜。
【請求項5】
前記高分子は、こはく酸イミドを官能基として有するポリジメチルアクリルアミドである、請求項1に記載の二酸化炭素選択透過膜。
【請求項6】
高分子と、架橋剤と、イオン液体とを混合して混合液を生成する工程と、
前記混合液中で前記架橋剤による前記高分子の架橋反応を進行させる工程と、
を含み、
前記高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有し、
前記架橋剤は、2以上のアミノ基を有し、
前記イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む、二酸化炭素選択透過膜の製造方法。
【請求項7】
前記架橋剤は、ジエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテルである、請求項6に記載の二酸化炭素選択透過膜の製造方法。
【請求項8】
二酸化炭素を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置であって、
架橋された高分子によって形成される3次元ネットワーク構造内にイオン液体が取り込まれたイオンゲルを有する二酸化炭素選択透過膜を備え、
前記架橋された高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有する高分子がアミド結合によって架橋されたものであり、
前記イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む、二酸化炭素分離装置。
【請求項9】
前記二酸化炭素選択透過膜の前後の圧力差を400kPa以上とする圧力差生成機構を備える、請求項8に記載の二酸化炭素分離装置。
【請求項10】
二酸化炭素を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離方法であって、
架橋された高分子によって形成される3次元ネットワーク構造内にイオン液体が取り込まれたイオンゲルを有する二酸化炭素選択透過膜を用いて、前記混合ガスから二酸化炭素を分離する工程を含み、
前記架橋された高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有する高分子がアミド結合によって架橋されたものであり、
前記イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む、二酸化炭素分離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を選択的に透過する二酸化炭素選択透過膜、二酸化炭素選択透過膜の製造方法、二酸化炭素分離装置、および、二酸化炭素分離方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
地球温暖化を防止するために、排気ガス等の、二酸化炭素(CO
2
)を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する技術が利用されている。混合ガスから二酸化炭素を分離する技術として、化学吸収法、および、膜分離法が開発されている。
【0003】
化学吸収法では、二酸化炭素を吸収液に吸収させた後、二酸化炭素が吸収された吸収液を加熱して再生する。このため、化学吸収法では、吸収液の再生に莫大なエネルギーが消費されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、膜分離法は、混合ガスの収容部と二酸化炭素の収容部とを膜で仕切り、混合ガスの収容部の圧力を二酸化炭素の収容部よりも高くする。これにより、混合ガスに含まれる二酸化炭素が膜を透過し、混合ガスの収容部から二酸化炭素の収容部へ二酸化炭素が移動する。このように、膜分離法は、二酸化炭素の分離の駆動エネルギーとして圧力差のみを用いている。したがって、膜分離法のエネルギー消費量は、化学吸収法と比較して少ない。
【0005】
膜分離法として、多孔質膜にイオン液体が含浸された二酸化炭素選択透過膜を用いて、混合ガスから二酸化炭素を分離する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6245607号公報
特許第6431481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記膜分離法では、膜を介した圧力差が大きいほど、単位時間あたりに分離できる二酸化炭素の量が多い。このため、耐圧性を向上させた二酸化炭素選択透過膜の開発が希求されている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、耐圧性を向上することが可能な二酸化炭素選択透過膜、二酸化炭素選択透過膜の製造方法、二酸化炭素分離装置、および、二酸化炭素分離方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の二酸化炭素選択透過膜は、架橋された高分子によって形成される3次元ネットワーク構造内にイオン液体が取り込まれたイオンゲルを備え、架橋された高分子は、2以上のアミノ基を官能基として有する高分子がアミド結合によって架橋されたものであり、イオン液体は、イミダゾリウム型カチオンおよびアセテート型アニオンを含む。
【0010】
また、イオン液体は、アミノ基を有するイオンを含まなくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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