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公開番号2024107655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023011691
出願日2023-01-30
発明の名称工業用織物
出願人日本フイルコン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D03D 1/00 20060101AFI20240802BHJP(織成)
要約【課題】無端状のベルトにした際に平滑になり、形状を安定させたループを備える工業用織物を提供する。
【解決手段】第1経糸と第2経糸と第1緯糸と第2緯糸とにより構成される工業用織物10である。第1経糸および第2経糸は、緯方向にずれて設けられる。第1緯糸および第2緯糸は、経方向にずれて設けられる。第2緯糸は、工業用織物の上面側に位置する。第1経糸は、第1緯糸のみに織り込まれる。第2経糸は、第1緯糸および第2緯糸に織り込まれる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1経糸と第2経糸と第1緯糸と第2緯糸とにより構成される工業用織物であって、
前記第1経糸および前記第2経糸は、緯方向にずれて設けられ、
前記第1緯糸および前記第2緯糸は、経方向にずれて設けられ、
前記第2緯糸は、前記工業用織物の上面側に位置し、
前記第1経糸は、前記第1緯糸のみに織り込まれ、
前記第2経糸は、前記第1緯糸および前記第2緯糸に織り込まれ、
一対の前記第1経糸は、緯方向に隣接して第1経糸対を構成し、
一対の前記第2経糸は、緯方向に隣接して第2経糸対を構成し、
前記第1緯糸および前記第2緯糸は、交互に配置され、
前記第1経糸は、全ての前記第2緯糸の下側を通過し、前記第1緯糸に交互に上下する織り込みパターンを有し、
前記第2経糸は、1本の前記第1緯糸、1本の前記第2緯糸および1本の前記第1緯糸の上側を順に通り、次に1本の前記第2緯糸、1本の前記第1緯糸、1本の前記第2緯糸、1本の前記第1緯糸および1本の前記第2緯糸の下側を順に通る織り込みパターンを形成することを特徴とする工業用織物。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記第1経糸対および前記第2経糸対は、緯方向に交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
【請求項3】
前記第1経糸対を構成する隣接した前記第1経糸は、前記第1緯糸に対して互いに経方向に1本ずつずれて織り込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項4】
前記第2経糸対を構成する一対の前記第2経糸は、前記第2緯糸に対して互いに経方向に2本ずつずれて織り込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項5】
前記工業用織物の繰り返しパターンをなす完全組織において、前記第1経糸および前記第2経糸の合計は8本であり、前記第1緯糸および前記第2緯糸の合計は8本であることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
【請求項6】
前記工業用織物の繰り返しパターンをなす完全組織において、一方の前記第1経糸対および他方の前記第1経糸対の織り込みパターンは同一であることを特徴とする請求項3に記載の工業用織物。
【請求項7】
前記第1経糸および前記第2経糸の密度は90パーセントから140パーセントの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
【請求項8】
前記工業用織物の上面に樹脂が塗布されることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
【請求項9】
前記第1経糸または前記第2経糸を構成する各経糸の少なくとも一部が、導電性のカーボン糸であることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
【請求項10】
前記第2緯糸の断面形状は、楕円形または四角形であることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布を製造するために用いられる工業用織物に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、不織布製造装置に用いられる工業用織物として、経糸と緯糸を製織した工業用織物が広く使われている。工業用織物に求められる特性は様々であるが、例えば、特許文献1には、第1の経糸と第2の経糸と上面側緯糸と下面側緯糸とを有する不織布用多層織物が開示されている。この不織布用多層織物では、第1の経糸は上面側緯糸から下面側緯糸まで全ての層の緯糸を織り込み、第2の経糸は上面側緯糸のみを織り込んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2012-140992号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工業用織物は、無端状のベルトになって不織布製造装置に取り付けられる。工業用織物の両端部には経糸によって複数のループが形成され、そのループに緯糸が挿入されて工業用織物の両端部が繋ぎ合わされて工業用織物が無端状になる。特許文献1に記載の不織布用多層織物では、第2の経糸が線径の細い上面側緯糸のみを織り込んでいるため、第2の経糸を折り返して形成されるループは上面側緯糸の位置に合わせて上面側にはみ出て、ベルト本体に段差を形成するおそれがある。万が一、ベルト本体に段差が形成されると、そのベルトを用いて製造される不織布の均一性がその段差部分のみ損なわれ、不織布の地合不良が発生する。
【0005】
本発明の目的は、無端状のベルトにした際に平滑になり、形状を安定させたループを備える工業用織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、第1経糸と第2経糸と第1緯糸と第2緯糸とにより構成される工業用織物であって、第1経糸および第2経糸は、緯方向にずれて設けられ、第1緯糸および第2緯糸は、経方向にずれて設けられ、第2緯糸は、工業用織物の上面側に位置し、第1経糸は、第1緯糸のみに織り込まれ、第2経糸は、第1緯糸および第2緯糸に織り込まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無端状のベルトにした際に平滑になり、形状を安定させたループを備える工業用織物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例に係る工業用織物の完全組織を示す意匠図である。
図1に示す工業用織物の経糸に沿った経方向の断面図である。
図1に示す工業用織物の第1経糸に沿った断面図である。
工業用織物に第2経糸によって形成されるループについて説明するための図である。
第1経糸によって形成される小ループについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、「経糸」とは、製紙用の多層織物を無端状のベルトとした場合に、紙原料の搬送方向に沿って伸びている糸であり、「緯糸」とは、経糸に対して交差する方向に伸びている糸である。また、「上面側」とは、不織布製造用ベルトの両面のうち原料が搬送される側に位置し、「下面側」とは、不織布製造用ベルトの両面のうち主として駆動ローラが当接する側に位置する。「表面」とは、上面側や下面側に露出している面である。
【0010】
また、「意匠図」とは織物組織の最小の繰り返し単位であって織物の完全組織に相当する。つまり、「完全組織」が前後左右に繰り返されて「織物」が形成される。また、「ナックル」とは経糸が1本又は複数本の緯糸の上、又は下を通って表面に露出した部分をいう。
(【0011】以降は省略されています)

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