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公開番号2024102684
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-31
出願番号2023006744
出願日2023-01-19
発明の名称漏水測定装置
出願人中国電力株式会社
代理人個人
主分類G01F 1/52 20060101AFI20240724BHJP(測定;試験)
要約【課題】安価に製造することができるとともに、堰の種類や越流部の大きさによらず、越流部の内壁面の付着物を効率良く除去して、漏水量の測定精度の低下を防ぐことが可能な漏水測定装置を提供する。
【解決手段】漏水測定装置1は一対の側板52b、52bが底板52aの両側に立設されるとともに長手方向の両端に三角堰51と側板52cが幅方向と平行にそれぞれ設置されて平面視長方形状をなす箱状の水槽52と、アングル材53を介して水槽52に取り付けられた水位検出器54と、側板52cと平行に設置された3枚の整流板55a~55cと、架台2aを介して水槽52の側板52bと三角堰51の上面に設置されたモータ2と、このモータ2によって回転駆動されるブラシ3と、三角堰51の越流部の側面を撮影するカメラ4を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
堰に設けられた越流部を越えて溢れ出る水の量を測定する漏水測定装置であって、
前記堰の上流側の水位を検出する水位検出器と、
前記越流部の内壁面に対して摺動可能に配置されたブラシと、
このブラシを回転駆動するモータと、を備え、
前記ブラシは前記上流側から前記堰に向かう前記水の流れに回転中心が直交するとともに、回転に伴って前記水に浸かる状態と浸からない状態が切り換わることを特徴とする漏水測定装置。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記越流部の前記内壁面を撮影するカメラを備えていることを特徴とする請求項1に記載の漏水測定装置。
【請求項3】
ネットワークとの間でデータの送受信を行う通信部を備え、
前記カメラによって撮影された前記越流部の画像データが前記通信部を介して前記ネットワークに送信されることを特徴とする請求項2に記載の漏水測定装置。
【請求項4】
前記通信部は前記ネットワークとの間で指令信号の送受信を行い、
前記通信部から送られてきた前記指令信号に従って前記モータの動作を制御する処理部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の漏水測定装置。
【請求項5】
前記ブラシは、
回転に伴って少なくとも一部が前記越流部内に配置されるブラシ本体と、
このブラシ本体に接合されるとともに前記モータの回転軸に連結された軸部材と、を備え、
前記ブラシの前記軸部材は前記モータの前記回転軸に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の漏水測定装置。
【請求項6】
前記モータの前記回転軸に前記ブラシの前記軸部材を連結する連結部材を備えていることを特徴とする請求項5に記載の漏水測定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三角堰や四角堰などの堰を用いて各種の施設から漏れ出る水の量を測定する漏水測定装置に係り、特に、漏水量の測定精度の低下を防ぐことが可能な漏水測定装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリートダムなどからの漏水量を測定する方法として、水路の途中や水槽の溢れ口に堰を設け、この堰を越えて溢れ出る水(以下、越流水という。)の量を測定する方法が知られている。堰を用いると、越流水の高さと平均流速の関係がほぼ一義的に定まるため、測定した越流水の高さから求めた平均流速に基づいて越流水の単位時間当たりの流量(以下、漏水量という。)を計算によって求めることができる。なお、図4(a)は三角堰51を備えた従来の漏水測定装置50の外観の一例を示した斜視図であり、図4(b)は三角堰51を正面から見た状態を拡大して表した図である。また、図5(a)及び図5(b)はそれぞれ四角堰57及び全幅堰58の正面図である。
図4(a)に示すように、漏水測定装置50は、底板52aの両側に一対の側板52b、52bが立設されるとともに長手方向の両端に三角堰51と側板52cが幅方向と平行にそれぞれ設置されて平面視長方形状をなす箱状の水槽52と、アングル材53を介して水槽52に取り付けられた水位検出器54と、側板52cと平行に設置された3枚の整流板55a~55cと、水位検出器54によって検出された水槽52の水面WL(図4(b)を参照)の高さ(前述の越流水の高さに相当し、図4(b)に示す水槽52の底板52aから堰の下縁56cまでの距離Dと堰の水位hの和に等しい。)に基づいて漏水量を計算する制御手段(図示せず)を備えている。すなわち、漏水測定装置50は、樋(図示せず)などを介して側板52cの近くに供給されたダムからの漏水が整流板55a~55cを通過した後、三角堰51を越流する前に水位検出器54によって、その水位を検出する構造となっている。
なお、三角堰51の近くでは水位が低下することから、通常、水位検出器54は三角堰51の上流30cmの地点に設置される。
【0003】
三角堰51は板状をなしており、中央部が三角形状に切り欠かれることによって越流部56が形成されている。水位検出器54は超音波センサであり、水面WLに向けて発信した超音波の反射波を受信することによって、水面WLまでの距離を測定する構造となっている。そして、制御手段によって水位検出器54の検出値から水槽52の水面WLの高さが算出され、この水面WLの高さに基づいて漏水量が計算される。整流板55a~55cは、複数の細孔を有する多孔板からなり、水槽52の内部を流れる水の波立ちを防いで水面を平坦な状態に保つように機能する。
【0004】
図4(b)に示すように、越流部56は鉛直方向に対して傾斜した2つの側面56a、56bを有しており、漏水量は、水槽52の幅B、水槽52の底板52aから堰の下縁56cまでの距離D及び堰の水位h(堰の下縁56cから水面WLまでの距離)などをパラメータとし、側面56a、56bのなす角度θにそれぞれ対応する周知の公式によって求められる。
なお、三角堰51の代わりに図5(a)に示すような四角堰57が水槽52に設置されている場合、漏水量は、水槽52の幅B、水槽52の底板52aから堰の底面57cまでの距離D及び堰の水位hに加えて、四角堰57の切り欠きの幅b(側面57a、57bの間隔)をパラメータとする周知の公式によって求められる。また、三角堰51の代わりに図5(b)に示すような全幅堰58が水槽52に設置されている場合、漏水量は、水槽52の幅B、水槽52の底板52aから堰の底面58aまでの距離D及び堰の水位hなどをパラメータとし、水槽52の水面WLの高さに応じてそれぞれ異なる周知の公式によって求められる。
【0005】
このように、漏水測定装置50は堰を越流する水の高さに基づいて漏水量を算出する構造となっている。しかしながら、ダムからの漏水には、水垢や石灰分などの不純物が含まれているため、この不純物が三角堰51の越流部56の側面56a、56bや四角堰57の側面57a、57b及び底面57c、あるいは全幅堰58の底面58a及び当該箇所における水槽52の側板52b、52cの内面(以下、越流部56の内壁面という。)などに付着すると、越流部56の断面形状が変化する。この場合、堰の上流側の水位が上昇するため、水位検出器54の測定結果に誤差が生じることになる。すなわち、従来の漏水測定装置50には、漏水に含まれる不純物が堰の越流部56の内壁面に付着する結果、漏水量の測定精度が低下してしまうという課題があった。
【0006】
このような課題に対処するものとして、例えば、特許文献1には「漏水測定装置」という名称で、施設の漏水量を一定の精度で測定できる装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、堰の越流部の上流側の水位を測定することで、漏水量を測定する装置であって、越流部に向けて圧縮空気を噴射させることによって、当該部分に付着した不純物を除去する機構を備えたことを特徴としている。
このような構造によれば、圧縮空気を噴射して越流部に付着した不純物を除去することにより、越流部の断面形状が常に一定に保たれるため、越流部を流れる水の量を一定の精度で測定することができる。
【0007】
堰の越流部の付着物を除去する技術に関するものではないが、特許文献2には「角溝清掃ロボット」という名称で、水路に設けられる角落し材挿入用の角溝を清掃する装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された角溝清掃ロボットは、貝殻などの水中付着物を削り取るための複数個の切削刃が円周に沿って表面に配置され、油圧モータによって回転駆動される清掃用円板と、油圧モータによって回転駆動される底面清掃ブラシと角溝底部清掃ブラシ具を備えた構造となっている。
このような構造によれば、油圧モータに駆動されて清掃用円板が回転すると、水路の底面や角溝の内壁面に付着した貝殻などが削り落とされるため、それらの付着物を容易に除去することができる。
【0008】
さらに、特許文献3には「流量計用自掃装置」という名称で、ゴミのような異物を含んだ流体の流量を測定する流量計に適用される自掃装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、軸によって回動自在に水路中に設けられた堰のエッジを清掃する目的で回動自在にブラシが設けられた構造となっている。
このような構造によれば、ブラシを回動させることによって堰のエッジを清掃することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-178174号公報
特開平4-60007号公報
特開昭55-20429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示された発明において越流部の側面に圧縮空気を吹き付けて付着物を除去するためには、側面に対して平行に圧縮空気を吹き付けることが有効であるが、噴射ノズルをそのような場所に配置すると水流を阻害することになる。特に、四角堰の場合には、越流部の底面に上から圧縮空気を吹き付けることになるため、付着物を除去する効果がほとんど発揮されないおそれがある。すなわち、特許文献1に開示された発明では、噴射ノズルを適切な位置に配置できないため、越流部の側面から付着物を効率良く除去することが難しいという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明では、全幅堰や幅の広い四角堰には適用できるものの、三角堰の越流部の下縁(鉛直方向に対して傾斜した側面が交叉する部分)の近くには清掃用円板や清掃ブラシを配置できないため、三角堰には適用できないという課題があった。さらに、清掃用円板や清掃ブラシを使用しない場合には、水流を阻害しないように、それらを越流部から退避させる必要があるが、特許文献2に開示された発明では、清掃用円板や清掃用ブラシを越流部から移動させる機構が大掛かりで複雑な構造となるため、製造コストが高くなってしまうという課題があった。
さらに、特許文献3に開示された発明では、ブラシの取り付けに関する構成が示されておらず、回転可能に構成された堰に対してブラシがどのように取り付けられるのか、その具体的な構造が不明であるため、実現できない可能性が高い。また、堰の種類や越流部の大きさの異なる堰に対して適用できないおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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