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公開番号2024090441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206358
出願日2022-12-23
発明の名称演算処理プログラム、演算処理方法および情報処理装置
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G06F 17/10 20060101AFI20240627BHJP(計算;計数)
要約【課題】2電子積分の計算に必要なメモリ量を抑える。
【解決手段】情報処理装置1は、複数回の演算を実行することで求める2電子積分計算において、第1の回の演算では、バッファ群a21の値を入力値として演算した結果を第1の回の演算結果としてバッファ群b22に出力する演算処理と、第1の回の次に実行される第2の回の演算では、第1の回の演算結果として出力されたバッファ群b22の値を入力値として演算した結果を、第2の回の演算結果としてバッファ群a21に出力することで、バッファ群a21の値を更新する処理と、を含み、更新したバッファ群a21の値を入力値として用いて、第2の回の次に実行される第3の回の演算で実行される演算処理を実行する。かかる情報処理装置1の処理は、例えば、創薬や材料開発向けシミュレーションに適用できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数回の演算を実行することで求める2電子積分計算をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
第1の回の演算では、第1のバッファの値を入力値として演算した結果を前記第1の回の演算結果として第2のバッファに出力する演算処理と、
前記第1の回の次に実行される第2の回の演算では、前記第1の回の演算結果として出力された前記第2のバッファの値を入力値として演算した結果を、前記第2の回の演算結果として前記第1のバッファに出力することで、前記第1のバッファの値を更新する処理と、を含み、
前記プログラムは前記コンピュータに、更新した前記第1のバッファの値を入力値として用いて、前記第2の回の次に実行される第3の回の演算で実行される前記演算処理を実行させる
ことを特徴とする演算処理プログラム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記演算処理は、前記第1の回の演算では、前記第1のバッファに含まれる前回の演算の演算結果を示す所定個数の中間点の値を入力値として用いて、前記第1の回の所定個数の中間点の2電子積分を計算した結果を前記第2のバッファに出力し、
前記更新する処理は、前記第2の回の演算では、前記第2のバッファに含まれる所定個数の中間点の値を入力値として用いて、前記第2の回の所定個数の中間点の2電子積分を計算した結果を前記第1のバッファに出力することで、前記第1のバッファの値を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の演算処理プログラム。
【請求項3】
前記演算処理および前記更新する処理は、回が変わる毎に、前記第1のバッファおよび前記第2のバッファの入出力を切り替える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の演算処理プログラム。
【請求項4】
複数回の演算を実行することで求める2電子積分計算において、
第1の回の演算では、第1のバッファの値を入力値として演算した結果を前記第1の回の演算結果として第2のバッファに出力する演算処理と、
前記第1の回の次に実行される第2の回の演算では、前記第1の回の演算結果として出力された前記第2のバッファの値を入力値として演算した結果を、前記第2の回の演算結果として前記第1のバッファに出力することで、前記第1のバッファの値を更新する処理と、を含み、
前記更新する処理は、更新した前記第1のバッファの値を入力値として用いて、前記第2の回の次に実行される第3の回の演算で実行される前記演算処理を実行する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする演算処理方法。
【請求項5】
複数回の演算を実行することで求める2電子積分計算において、
第1の回の演算では、第1のバッファの値を入力値として演算した結果を前記第1の回の演算結果として第2のバッファに出力する演算部と、
前記第1の回の次に実行される第2の回の演算では、前記第1の回の演算結果として出力された前記第2のバッファの値を入力値として演算した結果を、前記第2の回の演算結果として前記第1のバッファに出力することで、前記第1のバッファの値を更新する更新部と、を含み、
前記更新部は、更新した前記第1のバッファの値を入力値として用いて、前記第2の回の次に実行される第3の回の演算で実行される前記演算部による処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、演算処理プログラムなどに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
量子化学シミュレーションで一般的な密度汎関数法では、電子ペアの相互作用計算(2電子積分)が、非常に重いことが知られている。2電子粒子の基底関数がガウス型積分(式(1)参照)で表される場合、Obara-Saikaアルゴリズム(例えば、非特許文献1参照)によって、効率的な計算が可能である。Obara-Saikaアルゴリズムでは、計算量の大部分を占める2電子積分を漸化式(式(2)参照)で表すことで、効率的な計算を可能としている。なお、式(1)で示されるa

、a

およびa

と、式(2)のaとは、a=a

+a

+a

(a:0以上の整数)の関係で表される。ここでいうaは、角運動量(Angular Momentum)を意味する。式(2)の角運動量b,c,dについても、角運動量aの場合と同様に関係付けられる。
【0003】
TIFF
2024090441000002.tif
9
170
【0004】
TIFF
2024090441000003.tif
79
170
【0005】
すなわち、Obara-Saikaアルゴリズムは、(00|00)
(m´)
の値リストを初期値として、再帰的に(ab|cd)
(m)
を求める。なお、(ab|cd)=(ab|cd)
(0)
が、2電子積分の値である。
【0006】
図6は、Obara-Saikaアルゴリズムによる2電子積分の計算を表す模式図である。図6に示すように、(a+1 b|cd)に対応するベクトルv(a+1,b,c,d)は、(ab|cd)に対応するベクトルv(a,b,c,d)と(a-1 b|cd)に対応するv(a-1,b,c,d)と(a b-1|cd)に対応するv(a,b-1,c,d)と(ab|c-1 d)に対応するv(a,b,c-1,d)と(ab|c d-1)に対応するv(a,b,c,d-1)とから計算できる。
【0007】
ここで、量子力学では、量子状態を記述するための記法としてbra-ket記法が知られている。「bra」,「ket」のうち「bra」に限定すると、braインデックス(a,b)の展開は、braインデックスa,bについての2次元の漸化式となる。図7は、braインデックスの展開を示す参考図である。図7に示すように、braインデックスa,bにおける2種類の展開を交互に適用することで、目的とする値が計算できる。すなわち、a展開としてインデックスaの+1方向の計算v(a+1,b)は、v(a-1,b)とv(a,b)とv(a,b-1)とから計算できる。b展開としてインデックスbの+1方向のv(a,b+1)は、v(a-1,b)とv(a,b)とv(a,b-1)とから計算できる。a展開とb展開とを交互に適用することで目的とするv(5,5)の値が計算できる。目的データに至る中間データ(中間点)の数は、高々2×N(N:aとbの最大インデックス)である。なお、図7の灰色の丸がそれぞれ中間データ(中間点)である。
【0008】
また、図8は、braインデックスおよびketインデックスの展開を示す参考図である。図8に示すように、ketインデックス(c,d)における展開の各中間点でbraインデックス(a,b)の展開が実行されると、2次元の展開が2組組み合わせられることとなり、4次元の漸化式が計算できる。
【0009】
ここで、2電子積分において、2電子積分の値が演算された場合に、計算負荷の大きい基底関数に対応する2電子積分の値から優先的にバッファ領域に記憶させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2005-202855号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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