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公開番号2024085711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200383
出願日2022-12-15
発明の名称トルクセンサ装置及びトルクセンサ装置の製造方法
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B62D 5/04 20060101AFI20240620BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】フリクションの増加を抑えつつ、シャフトの軸方向の支持剛性を高めること。
【解決手段】出力軸82bに固定されるステータ44と、内側に出力軸82bとステータ44とを配置するハウジング20と、出力軸82bをハウジング20に対して回転自在に支持する軸受60と、を備え、軸受60は、ハウジング20に固定される外輪61と、出力軸82bに固定される内輪62と、外輪61と内輪62との間に配置される複数の転動体63とを有しており、ハウジング20と出力軸82bは、外輪61がハウジング20に固定されて内輪62が出力軸82bに固定される状態において、外輪61と内輪62とに対して軸方向予圧を付与し、少なくとも1つの軸受60は、ハウジング20と出力軸82bとのいずれか一方から径方向予圧が付与されることにより、軸受60が他方に固定されていない状態における外輪61や内輪62と転動体63との残留隙間が0以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
シャフトに固定されるステータと、
前記ステータに対向して配置された円筒状の磁石と、
内側に前記シャフトと前記ステータと前記磁石とを配置するハウジングと、
前記シャフトを前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
を備え、
前記軸受は、前記ハウジングに固定される外輪と、前記シャフトに固定される内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の転動体とを有しており、
前記ハウジングと前記シャフトは、前記外輪が前記ハウジングに固定されて前記内輪が前記シャフトに固定される状態において、前記外輪と前記内輪とに対して前記シャフトの軸方向における互いに反対方向に付与する予圧である軸方向予圧を付与し、
少なくとも1つの前記軸受は、前記ハウジングと前記シャフトとのいずれか一方から前記軸受の径方向に付与される予圧である径方向予圧が付与されることにより、前記軸受が他方に固定されていない状態における前記外輪と前記内輪と前記転動体との前記径方向の隙間である残留隙間が0以下である、トルクセンサ装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記径方向予圧が付与される前記軸受は、前記内輪を前記シャフトに圧入することにより、前記外輪が前記ハウジングに固定されていない状態における前記残留隙間が0以下である請求項1に記載のトルクセンサ装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記外輪に対して前記軸方向予圧を付与する段部を備え、
前記段部は、内周面が前記外輪の外周面に対向する大径部と、内径が前記大径部の内径よりも小さい小径部と、前記大径部と前記小径部とを接続し、前記軸方向における前記外輪の側面に対向する接続部とを有し、
前記段部は、前記外輪の前記側面に対して前記接続部が当接することにより、前記外輪に対して前記軸方向予圧を付与する請求項2に記載のトルクセンサ装置。
【請求項4】
前記小径部の内径は、前記ステータの外径より大きく、且つ、前記外輪の外径より小さい請求項3に記載のトルクセンサ装置。
【請求項5】
前記シャフトは、前記内輪を圧入する部分に対して前記径方向における外側に突出する径方向凸部を有し、
前記シャフトは、前記径方向凸部が前記軸方向における前記内輪の側面に当接することにより、前記内輪に対して前記軸方向予圧を付与する請求項2に記載のトルクセンサ装置。
【請求項6】
前記シャフトは、ステアリングホイールが連結される入力軸と、トーションバーを介して前記入力軸に連結される出力軸と、を有し、
前記磁石と前記ステータとは、一方が前記入力軸に固定され、他方が前記出力軸に固定され、
前記出力軸には、電動モータで発生する補助操舵トルクを出力する駆動ギヤに噛み合うことにより前記補助操舵トルクを前記出力軸に伝達する被動ギヤが固定され、
前記径方向予圧が付与される前記軸受は、前記出力軸を回転自在に支持する請求項1に記載のトルクセンサ装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記入力軸を収容する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに連結され前記出力軸を収容する第2ハウジングとを有し、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとには、前記軸受がそれぞれ固定され、
前記軸方向予圧は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが連結されることにより、前記第1ハウジングに固定される前記軸受と前記第2ハウジングに固定される前記軸受とに対してそれぞれ付与される請求項6に記載のトルクセンサ装置。
【請求項8】
前記径方向予圧が付与される前記軸受は、前記外輪を前記ハウジングに圧入することにより、前記内輪が前記シャフトに固定されていない状態における前記残留隙間が0以下である請求項1に記載のトルクセンサ装置。
【請求項9】
シャフトに固定されるステータと、
前記ステータに対向して配置された円筒状の磁石と、
内側に前記シャフトと前記ステータと前記磁石とを配置するハウジングと、
前記シャフトを前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
を備え、
前記軸受は、前記ハウジングに固定される外輪と、前記シャフトに固定される内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の転動体とを有しており、
前記ハウジングと前記シャフトは、前記外輪が前記ハウジングに固定されて前記内輪が前記シャフトに固定される状態において、前記外輪と前記内輪とに対して前記シャフトの軸方向における互いに反対方向に付与する予圧である軸方向予圧を付与し、
少なくとも1つの前記軸受は、前記ハウジングと前記シャフトとのいずれか一方から前記軸受の径方向に付与される予圧である径方向予圧が付与されることにより、前記軸受が他方に固定されていない状態における前記外輪と前記内輪と前記転動体との前記径方向の隙間である残留隙間が0以上であり、且つ、前記軸受が他方に固定されている状態であって前記シャフトが回転している状態における前記外輪と前記内輪と前記転動体との前記径方向の隙間である有効隙間が0以下であり、
前記軸受に前記径方向予圧が付与されていない状態における前記外輪と前記内輪と前記転動体との間の前記径方向の隙間を内部隙間とする場合に、前記残留隙間と前記内部隙間との差分が、前記有効隙間と前記残留隙間との差分より大きい、トルクセンサ装置。
【請求項10】
シャフトに固定されるステータと、
前記ステータに対向して配置された円筒状の磁石と、
内側に前記シャフトと前記ステータと前記磁石とを配置するハウジングと、
前記ハウジングに固定される外輪と、前記シャフトに固定される内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の転動体とを有し、前記シャフトを前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
を備えるトルクセンサ装置の製造方法において、
前記シャフトを少なくとも1つの前記軸受の前記内輪に圧入することにより、前記軸受に対して前記軸受の径方向に付与される予圧である径方向予圧を付与し、前記軸受の前記外輪が前記ハウジングに固定されていない状態における前記外輪と前記内輪と前記転動体との前記径方向の隙間である残留隙間を0以下にする第1工程と、
前記第1工程の後で、前記軸受の前記外輪を前記ハウジングに固定することにより、前記ハウジングと前記シャフトとによって前記軸受の前記外輪と前記内輪とに対して、前記シャフトの軸方向における互いに反対方向に付与する予圧である軸方向予圧を付与する第2工程とを含む、トルクセンサ装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、トルクセンサ装置及びトルクセンサ装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
運転者の操舵をアシストする操舵装置では、運転者による操舵トルクをトルクセンサによって検出し、検出した操舵トルクに応じてモータの出力を出力軸に伝達することにより、運転者の操舵のアシストを行う。例えば、特許文献1に記載された動力舵取装置では、ウォームホイールが一体回転可能に結合される操舵軸を転がり軸受によって回転自在に支持し、モータの回転軸に連結されるウォーム軸をウォームホイールと噛み合わせてモータの出力を操舵軸に伝えることにより、モータを用いて補助操舵力を得ている。また、特許文献1では、転がり軸受の内輪をウォームホイールに当接させてウォームホイールに軸方向の予圧を与えることにより、ウォーム軸とウォームホイールとの間のバックラッシを抑制し、ラトル音による騒音の発生を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-362387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、運転者による操舵トルクをトルクセンサは、トーションバーを介して連結される一対のシャフトのうち、一方のシャフトに固定される磁石と、他方のシャフトに固定されるステータと、ステータからの磁束を集磁する集磁ヨークとを有しており、集磁ヨークで集磁した磁束に基づいてトルクの検出を行う。集磁ヨークは、ステータが有するフランジ部に対してギャップを有して重なって配置されているが、集磁ヨークとステータとのギャップが変化すると、トルクセンサでトルクを検出した際の出力特性が変化する。例えば、シャフトが外力を受けて軸方向に移動すると、シャフトに固定されるステータもシャフトと共に軸方向に移動するため、ステータと集磁ヨークとのギャップが変化し、トルクセンサの出力特性が変化してしまう。
【0005】
集磁ヨークとステータとのギャップの変化を抑制してトルクセンサの出力特性の変化を抑制するためには、ステータが固定されるシャフトを軸受によって支持する際における、軸方向の支持剛性を高める必要がある。軸方向の支持剛性を高めてシャフトを支持する方法としては、例えば、シャフトを支持する軸受に軸方向に予圧をかけて、軸受の外輪と内輪との軸方向の相対移動を抑えることにより、シャフトの軸方向の移動を抑制する手法が考えられる。
【0006】
つまり、軸受は、外輪や内輪と転動体との間の隙間である内部隙間を有しているため、外輪と内輪とに対して軸方向において互いに反対方向の予圧をかけた状態で配置することにより、外輪や内輪と転動体と接触させ続けることができ、外輪と内輪との軸方向の相対移動を抑制することができる。これにより、シャフトが軸方向に移動することを抑制することができ、トルクセンサの出力特性の変化を抑えることができる。
【0007】
しかし、軸受に対して軸方向の予圧をかけた場合、予圧によって軸受のフリクションが増加し、シャフトが回転する際のフリクションが増加する可能性がある。このため、軸受によってシャフトを支持する際における軸方向の支持剛性を、シャフトの回転時のフリクションを増加させることなく高めるのは、大変困難なものとなっていた。
【0008】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、フリクションの増加を抑えつつ、シャフトの軸方向の支持剛性を高めることのできるトルクセンサ装置及びトルクセンサ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のトルクセンサ装置は、シャフトに固定されるステータと、前記ステータに対向して配置された円筒状の磁石と、内側に前記シャフトと前記ステータと前記磁石とを配置するハウジングと、前記シャフトを前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、を備え、前記軸受は、前記ハウジングに固定される外輪と、前記シャフトに固定される内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の転動体とを有しており、前記ハウジングと前記シャフトは、前記外輪が前記ハウジングに固定されて前記内輪が前記シャフトに固定される状態において、前記外輪と前記内輪とに対して前記シャフトの軸方向における互いに反対方向に付与する予圧である軸方向予圧を付与し、少なくとも1つの前記軸受は、前記ハウジングと前記シャフトとのいずれか一方から前記軸受の径方向に付与される予圧である径方向予圧が付与されることにより、前記軸受が他方に固定されていない状態における前記外輪や前記内輪と前記転動体との前記径方向の隙間である残留隙間が0以下である。
【0010】
この構成によれば、ハウジングとシャフトは、軸受の外輪がハウジングに固定されて内輪がシャフトに固定される状態において、外輪と内輪とに対して軸方向予圧を付与するため、ステータが固定されるシャフトを軸受によって支持する際における軸方向の支持剛性を高めることができる。また、軸受は、径方向予圧が付与されることにより残留隙間が0以下になっている。これにより、軸受の外輪と内輪とが転動体を介して相対回転をする際のフリクションを、軸方向予圧が付与されている状態において小さくすることができるため、シャフトが回転をする際におけるフリクションを低減することができる。この結果、フリクションの増加を抑えつつ、シャフトの軸方向の支持剛性を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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