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公開番号2024083997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198139
出願日2022-12-12
発明の名称転がり軸受及び転がり軸受の製造方法
出願人日本精工株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/58 20060101AFI20240617BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】クリープが抑制されるとともに、製造における工数が抑えられる転がり軸受及びその製造方法を提供する。
【解決手段】玉軸受1は、内輪2と、外輪3と、内輪2と外輪3との間に配置される玉4と、を備え、外輪3が固定輪とされる。外輪3の外周面11は、周方向全周に亘って存在し円柱面をなす嵌め合い面13と、周方向に交差して螺旋状に延在し嵌め合い面13から凹むように形成されたクリープ抑制溝15と、を備え、嵌め合い面13は、研削処理がされた研削面であり、クリープ抑制溝15の底面15aは、研削処理がされていない非研削面である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置される転動体と、を備え、前記内輪と前記外輪とのうちの一方が固定輪とされる転がり軸受であって、
前記固定輪の相手部材との嵌合部は、
周方向全周に亘って存在し円柱面をなす嵌め合い面と、
周方向に交差して螺旋状に延在し前記嵌め合い面から凹むように形成された溝と、を備え、
前記嵌め合い面は、研削処理がされた研削面であり、
前記溝の底面は、研削処理がされていない非研削面である、転がり軸受。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記溝の螺旋のピッチは、前記嵌合部の軸方向の全幅以下である、請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記溝は、前記嵌合部の軸方向の一端部から他端部まで途切れずに延在している、請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項4】
前記溝は、前記嵌合部の軸方向の一端部から他端部まで、途中で分断された箇所を含んで延在している、請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項5】
前記溝の最浅部の深さは、最大ラジアル荷重が負荷されたときの前記固定輪の弾性変形量よりも大きい、請求項1~3の何れか1項に記載の転がり軸受。
【請求項6】
内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置される転動体と、を備え、前記内輪と前記外輪とのうちの一方が固定輪とされる転がり軸受の製造方法であって、
前記固定輪の相手部材との嵌合部が旋削され、周方向全周に亘って存在し円柱面をなす嵌め合い面と、周方向に交差して螺旋状に延在し前記嵌め合い面から凹むように形成された溝と、が形成される旋削工程と、
前記旋削工程の後、前記嵌め合い面と前記溝とを含む前記嵌合部が心なし研削処理で研削される研削工程と、を備える、転がり軸受の製造方法。
【請求項7】
前記旋削工程と前記研削工程との間で、前記固定輪が熱処理される熱処理工程を更に備える、請求項6に記載の転がり軸受の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受及び転がり軸受の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、内輪と外輪とのうちの一方を固定輪とし他方を回転輪として使用される転がり軸受が知られている。固定輪は相手部材にすきま嵌めされ、回転輪は相手部材に締まり嵌めされる。この転がり軸受にラジアル荷重が作用すると、固定輪に弾性変形が生じ、弾性変形による進行波が固定輪の嵌め合い面に発生する。この進行波が嵌め合い面から相手部材に伝播されることで、固定輪を周方向に送る力が生じ、固定輪のクリープが発生する。クリープが発生すると相手部材が摩耗するなどの問題がある。このようなクリープを抑制する転がり軸受として、下記の特許文献1及び特許文献2の玉軸受が知られている。
【0003】
特許文献1の玉軸受では、固定輪である外輪の嵌め合い面に環状溝が形成されている。嵌め合い面における進行波が環状溝内で生じることで、外輪からハウジングに伝播される進行波が低減され、進行波によるクリープが抑制されるとされている。また、嵌め合い面には黒色酸化皮膜が形成されており、嵌め合い面とハウジングとの静摩擦係数が高められることで、連れ回りによる外輪のクリープも抑制されるとされている。また、仮にクリープが発生したとしても、黒色酸化皮膜とハウジングとの動摩擦係数は低いので、ハウジングの摩耗を抑制することができるとされている。特許文献2の玉軸受では、外輪の軸方向全幅に亘る逃げ面が表面処理によって形成されている。逃げ面が形成された区間では外輪とハウジングとの間に軸方向全幅に亘る径方向の隙間が生じている。この隙間により、弾性変形する逃げ面はハウジングに接触せず、外輪からハウジングに伝播される進行波が低減され、進行波によるクリープが抑制されるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-113126号公報
特開2020-165498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2の玉軸受を製造する際には、通常の玉軸受の製造工程に加えて嵌め合い面に加工が施される。しかしながら、このようなクリープ抑制のための加工工程を安易に追加すれば、軸受の製造における工数が増加し、製造コスト低減の妨げになる。本発明は、クリープが抑制されるとともに、製造における工数が抑えられる転がり軸受及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は次の通りである。
【0007】
〔1〕内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置される転動体と、を備え、前記内輪と前記外輪とのうちの一方が固定輪とされる転がり軸受であって、前記固定輪の相手部材との嵌合部は、周方向全周に亘って存在し円柱面をなす嵌め合い面と、周方向に交差して螺旋状に延在し前記嵌め合い面から凹むように形成された溝と、を備え、前記嵌め合い面は、研削処理がされた研削面であり、前記溝の底面は、研削処理がされていない非研削面である、転がり軸受。
【0008】
この転がり軸受によれば、固定輪の溝の底面が相手部材に直接接触しない。従って、溝の位置では、荷重により弾性変形した底面が相手部材に接触しにくく、固定輪から相手部材に進行波が伝播され難い。このように、溝の存在により相手部材に伝播される進行波が低減されるので、進行波に起因する固定輪のクリープが抑制される。
【0009】
また、固定輪の弾性変形が発生する位置は、転がり軸受に作用するラジアル荷重とアキシアル荷重との合力に応じて、嵌合部上で軸方向に変動する。弾性変形の発生箇所が溝以外の位置にあればクリープ発生により固定輪が回転し得る。このとき、回転移動した溝が弾性変形の発生箇所を横切る時点でクリープ抑制効果が発生する。上記転がり軸受によれば、溝が周方向に交差して螺旋状に延在しているので、弾性変形の発生箇所が軸方向に変動した場合にも、回転移動した溝の何れかの部分が弾性変形の発生箇所を横切る可能性が高く、クリープ抑制効果が得られやすい。
【0010】
また、嵌め合い面は研削処理がされた研削面であり溝の底面は研削処理がされていない非研削面である。よって、この固定輪の製作においては、溝の底面を研削する処理を行なう必要がなく、その結果、転がり軸受の製造における工数が抑えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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