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公開番号2024083170
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022197538
出願日2022-12-09
発明の名称GSR素子の製造方法
出願人マグネデザイン株式会社
代理人
主分類G01R 33/02 20060101AFI20240613BHJP(測定;試験)
要約【課題】集積回路基板(ASIC)上にGSR素子を直接形成する際、ポジレジスト系の樹脂被膜にマスク露光、現像、キュア熱処理をすることで逆台形状の溝を形成できるが、ワイヤを配置する直線的な溝を形成できる場所はASIC基板の開口部の配置依存するため、溝上部形状が非対称となってしまい、微細コイルの形成が困難であった。
【解決手段】ASIC基板上にポジレジスト系の樹脂被膜を塗布し、磁性ワイヤを設置するための溝と複数のアライメントマーク用凹部とASIC基板の電極取出し部を同時に露光、現像した後、磁性ワイヤ85を設置するための溝部のみ部分露光を追加した後、キュア熱処理して樹脂被膜を硬化することで、逆台形状かつ左右対称である溝を形成でき、3μm以下の微細コイルピッチを有するGSR素子をASIC基板上に直接製造できる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
磁性ワイヤ、前記磁性ワイヤを周回する下部コイルと上部コイルよりなる10μm以下のコイルピッチを有する検出コイル、および電極配線からなるGSR素子を特定用途向け集積回路(以下、ASICという。)の基板上に直接製造するGSR素子の製造方法において、
(1)前記ASIC基板上にポジレジスト系の樹脂被膜(以下、P系樹脂
被膜という。)を塗布し、露光、現像して前記P系樹脂被膜に前記磁性ワイヤを配置するための溝と前記ASIC基板上の電極取出し用開口部(以下、開口部という。)を同時に形成し、
前記磁性ワイヤを配置するための溝部のみを追加露光した後、キュア熱処理して前記P系樹脂被膜を硬化し、溝上部の対称性を改善した逆台形状溝とASIC基板上の前記開口部を形成する工程と、
(2)前記ASIC基板の全面に金属皮膜を成膜し、前記逆台形状の溝に被覆した前記金属皮膜を使って、前記逆台形状溝の溝面に沿って前記下部コイルを形成する工程と、
(3)前記下部コイルを形成した前記逆台形状溝に張力付加した前記磁性ワイヤを配置して樹脂で仮固定し、次いでキュア熱処理して固定する工程と、
(4)前記磁性ワイヤと前記電極配線を接合する部分のみ、前記磁性ワイヤを被覆している絶縁性ガラスをCF4-RIEにより除去する工程と、
(5)前記ASIC基板の全面に金属皮膜を成膜し、前記上部コイルと前記電極配線を形成する工程と、
(6)前記磁性ワイヤと前記検出コイルと前記電極配線からなる素子の集合体からなる素子基板を個片化する工程と、
からなることを特徴とするGSR素子の製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1の工程(1)において、
(1A)前記ASIC基板上にポジレジスト系の樹脂被膜(以下、P系樹脂被膜という。)を塗布し、露光、現像して前記P系樹脂被膜に前記磁性ワイヤを設置するための溝と前記ASIC基板上の電極取出し用開口部(以下、開口部という。)およびアライメントマークを同時に形成し、
さらに、前記磁性ワイヤを設置するための溝部のみ部分露光を追加した後、キュア熱処理して前記P系樹脂被膜を硬化し、溝上部の対称性を改善した逆台形状溝を形成する、
ことを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項3】
請求項1の工程(1)において、
(1B)前記ASIC基板上にネガレジスト系の第一樹脂被膜(以下、N系第一樹脂被膜という。)を塗布、露光、現像して、キュア熱処理後に平坦化処理をして、平坦で硬い樹脂製の第一台座を溝形成部とアライメントマーク形成部に形成した後、
前記ASIC基板に溝深さよりも厚いポジレジスト系の第二樹脂被膜(以下、P系第二樹脂被膜という。)を塗布して第二台座とし、前記第二台座に前記溝と前記ASIC基板の電極取出し用開口部(以下、開口部という。)と前記アライメントマークを露光、現像して形成し、
さらに溝部のみに追加露光後に第二台座をキュア熱処理して溝上部の対称性を改善した逆台形状溝を形成する、
ことを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項4】
請求項1の工程(1)、請求項2の工程(1A)および請求項3の工程(1B)において、
前記逆台形状溝を形成した後、
前記ASIC基板にネガレジスト系の樹脂被膜(以下、N系樹脂被膜という。)を塗布し、露光、現像して前記逆台形溝の溝部のみにN系樹脂被膜を残し、キュア熱処理によって溝の底部にR形状を形成する工程を、
有することを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項5】
請求項1の工程(5)において、
(5A)前記逆台形状溝に前記磁性ワイヤを配置後、前記ASIC基板の全面にポジレジスト系樹脂被膜を塗布し、露光、現像して前記溝と磁性ワイヤ部のみにポジレジスト系の樹脂被膜(以下、P系樹脂被膜という。)を残し、キュア熱処理して溝と磁性ワイヤの段差を滑らかにする工程と、
前記ASIC基板の全面に金属皮膜を成膜し、前記上部コイルと前記電極配線を形成する工程を、
有することを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項6】
請求項2~請求項4のいずれか一項において、
前記ASIC基板の全面に金属皮膜を成膜し、前記金属皮膜を前記アライメントマーク用凹部の反射膜として使うことにより視認性の高いアライメントマークを形成する工程と、
前記視認性の高いアライメントマークと前記逆台形状溝に被覆した前記金属皮膜を使って、前記逆台形状溝の溝面に沿って前記下部コイルを形成する工程を、
有することを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項7】
請求項3~請求項5のいずれか一項において、
前記第二台座に形成した前記アライメントマーク用凹部以外を保護した後、前記第二台座に形成した前記アライメントマーク用凹部自身をマスクにRIE加工をして前記アライメントマーク用凹部の第一台座を掘りこむことを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項8】
請求項1~請求項3のいずれか一項において、
前記磁性ワイヤを配置するための前記溝部のみを追加露光する際の露光量は、前記溝部の前記露光量の4%以下であることを特徴とするGSR素子の製造方法
【請求項9】
請求項1~請求項7のいずれか一項において、
前記溝の前記下部コイルの上に配置する前記磁性ワイヤは、弾性限を超える張力30~100kg/mm

を負荷し、樹脂により前記溝内に埋設して250~350℃の温度にて張力熱処理して前記磁性ワイヤを固定することを特徴とするGSR素子の製造方法。
【請求項10】
請求項3または請求項4において、
前記N系第一樹脂被膜の膜厚は、前記ASIC基板上の凹凸の3倍以上であることを特徴とするGSR素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界検出素子と特定用途向け集積回路(以下、ASICと言う)との一体化プロセスによるGSR素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
高感度磁気センサには、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、高周波キャリアセンサ、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサなどがある。これらのセンサのうち、ホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、キャリアセンサは素子とASICが一体化されて小型化、薄型化は実現されているが、検出感度の改善が課題である。
一方、FGセンサ、MIセンサ、GSRセンサは高い感度を有するが、素子とASICが別々に配置されてワイヤボンディングで接合されており、センサの薄型化、小型化が課題である。
【0003】
この課題を解決するために、本発明者らは、GSR素子をASIC表面の上に形成する技術開発に取り組んだ結果、センサの小型化、薄型化を実現した(特許文献1)。
特許文献1にて、ASIC面上に絶縁性レジストを塗布し、そこに磁性ワイヤを配置する溝を形成し、磁性ワイヤと磁性ワイヤを周回する検出コイルおよび電極からなるGSR素子をASIC面上に一体形成した薄型高感度磁気センサが開示されている。しかし、その製造方法についてその後の改良が続けられているが、現時点ではその技術の詳細は公開されていない。
【0004】
一方、センサの高感度化のためには、微細ピッチコイルを形成してコイルの巻き数を増やす必要がある。しかし、コイルピッチを微細化するほど、ASIC基板の位置とマスクの位置をさらに精度よく合わせることが求められる。その精度を実現するためには、ASIC基板上に視認性の高いアライメントマークを精度高く形成する必要がある。
【0005】
一般的には、アライメントマークは平坦な部分に作られたSiO2膜に形成するために、視認性に問題はなかった。またアライメントマークの形成方法は、特許文献2、特許文献3および特許文献4などに開示されているが、いずれも感光性樹脂の上にアライメントマークを形成するものではない。感光性樹脂上に視認性の高いアライメントマークを形成する技術の検討も課題のひとつである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
公開特許公報2019-191016
公開特許公報2006-229132
公開特許公報2009-004793
特許公報第2016776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
磁性ワイヤを周回するコイルをワイヤ近傍に形成するためには、磁性ワイヤを配置する溝に沿って下部コイルを形成する必要がある。本発明者らは、Si基板に溝を形成し溝の形状を逆台形状にすることで、断線せずに溝に沿って下部コイルを形成できることを見出した。
【0008】
しかし、ASIC基板上にGSR素子を一体化形成する際には、ASIC基板面上には回路配線が存在するので、ASIC基板に直接溝を加工することはできない。そこで、ASIC基板11上にSiO2などの絶縁膜を成膜し、RIE(Reactive Ion Etching)で溝を作製したが、その形状は図1に示すように直方体形状となってしまい、逆台形状の溝を形成できないことがわかった。
【0009】
そこで、ASIC基板上に磁性ワイヤを配置するための逆台形状の溝を形成するプロセスを検討した結果、以下の3つの課題があることがわかった。
【0010】
第1の課題は、逆台形状の溝の形成方法である。前述のように、SiO2などの絶縁膜を成膜し、RIEで溝を作製するとみぞの形状は直方体となってしまうため、レジストを用い、ホトリソ工程のみで溝形成する検討を行った。一般的に構造物として残す感光性樹脂としてはエポキシ系のネガタイプのレジスト(以下、ネガレジストという。)が知られている。ネガレジストの特徴はパターニング後のエッジ形状が急峻であり、構造物として残すためのキュア熱処理後も直方体形状の溝となって形状変化が起こらなかった。したがって、ネガレジストを用いて溝に沿って下部コイルを形成することは困難であることがわかった。
(【0011】以降は省略されています)

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