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公開番号2024082709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196741
出願日2022-12-09
発明の名称抗菌剤
出願人日本メナード化粧品株式会社
代理人
主分類A61K 8/9789 20170101AFI20240613BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】抗菌作用に優れた新規な外用剤を提供する。
【解決手段】波長域570~730nmと400~515nmとの光合成光量子束密度(PPFD)比が4:1~2:1の光を照射して栽培したメリロートの、水、低級アルコール及び液状多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上の溶媒による抽出物を含有することを特徴とする抗菌剤である。
【効果】本願発明の特定のメリロート抽出物は、皮膚にとって有益な菌を残しつつ、有害な菌を抑制できる優れた選択的な抗菌作用を有し、安定性にも優れ、健康用素材、化粧品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
波長域570~730nmと400~515nmとの光合成光量子束密度(PPFD)比が4:1~2:1の光を照射して栽培したメリロートの水、低級アルコール及び液状多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上の溶媒による抽出物を含有することを特徴とする抗菌剤。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
波長域570~730nmと400~515nmとの光合成光量子束密度(PPFD)比が8:1~1:1の光を照射して栽培したメリロートの水、低級アルコール及び液状多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上の溶媒による抽出物を含有することを特徴とする抗菌剤。
【請求項3】
アクネ菌に対して抗菌性を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌剤。
【請求項4】
マラセチア・レストリクタに対して抗菌性を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌剤。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のメリロートの抽出物を含有することを特徴とするニキビ抑制剤。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のメリロートの抽出物を含有することを特徴とする脂漏性皮膚炎抑制剤。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のメリロートの抽出物を含有することを特徴とするアトピー性皮膚炎抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚にとって有益な菌を残しつつ、有害な菌を抑制できる抗菌剤に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ヒト健常皮膚表面には皮膚常在菌と称される様々な微生物が生息しており、皮膚常在菌叢を形成している。個人差や部位差等があるが、皮膚常在菌叢は様々な微生物で構成されており、アクネ菌(Cutibacterium acnes:C.acnes)や表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis:S.epidermidis)等の細菌や、マラセチア・レストリクタ(Malassezia restricta:M.restricta)やマラセチア・シンポディアリス(Malassezia sympodialis:M.sympodialis)といったマラセチア属酵母等の真菌が例として挙げられる。
【0003】
皮膚常在菌は、通常は皮脂膜の一部を構成し、ヒトにとって有益な役割を担っている。例えば、病原菌の排除がある。健康な皮膚は弱酸性であり、皮膚のpHは、皮脂中の汗に含まれる乳酸等様々な因子によって調節されており、その中には皮膚常在菌も含まれる。例えばアクネ菌は皮脂中の中性脂肪(トリグリセリド)を分解し、生成したグリセリンを資化し、代謝産物としてプロピオン酸や酢酸を産生し、これらの働きによって皮膚はpH5.0~5.5程度の弱酸性に保たれている。一方、病原菌である黄色ブドウ球菌は増殖至適pHが中性であるため、弱酸性に保たれた皮膚では増殖が抑制される。また、皮膚常在菌が中性脂肪を分解することで生成されるグリセリンは、皮膚の潤いを保つ天然の保湿成分として役立っている。しかし、何らかの原因によって特定の皮膚常在菌が過剰増殖したりすると、様々な皮膚疾患を引き起こす。皮膚常在菌を理解し、制御することは、皮膚の健康維持のために重要といえる。
【0004】
アクネ菌はヒトの皮膚における最優勢菌である(非特許文献1)。アクネ菌はヒトの皮脂腺から分泌される皮脂を栄養源としており、また嫌気的な性質から、脂腺性毛包(皮脂腺が発達した毛包)の奥の方に多く常在すると言われている。アクネ菌はニキビ(尋常性ざ瘡)の原因菌と考えられている。閉塞した毛穴内は嫌気状態になるため、アクネ菌が活発に増殖する。アクネ菌はリパーゼによって皮脂を分解し、発生した遊離脂肪酸によって炎症が引き起こされる。また、アクネ菌に対するヒトの自然免疫反応がニキビの炎症に関与すると考えられている(非特許文献2)。
【0005】
表皮ブドウ球菌は、アクネ菌と競合する菌であるといえる。表皮ブドウ球菌がアクネ菌の増殖を阻害するという報告は複数ある(非特許文献3、4)。つまり、アクネ菌の過剰増殖を防ぐためには表皮ブドウ球菌を減らさないようにすることが望ましいと考えられる。また、表皮ブドウ球菌は抗菌ペプチドの発現を促進することで病原菌への抵抗力を高めるといわれている。さらに表皮ブドウ球菌が皮脂を分解して、天然の保湿剤であるグリセリンを産生することで皮膚の保湿に貢献しているという報告があり、ヒトにとって有益な菌だと考えられている(非特許文献5)。
【0006】
マラセチア・レストリクタは脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎に深く関与している菌といわれている(非特許文献6、7)。リパーゼによって皮脂を分解し、発生した遊離脂肪酸によって炎症が引き起こされる。また、マラセチア・レストリクタに対するヒトの自然免疫反応がニキビの炎症に関与すると考えられている。
【0007】
一方、マラセチア・シンポディアリスはヒトの皮膚上に生育しているものの、皮膚疾患の原因となるような報告はない。同じマラセチア属であることから、マラセチア・レストリクタとは生息域や皮脂等の栄養源の面で競合する関係にあると推察され、ヒトにとって有益な菌だといえる。
【0008】
皮膚常在菌は、各菌のバランスが取れているときはヒトと共生し、ヒトの皮膚を守ってくれる有益な存在であるが、特定の菌が過剰増殖したときに皮膚疾患の原因となりうるため、菌のバランスを適切な状態に保つことが重要だといえる。しかし現在、皮膚常在菌に対する抗菌剤としては、細菌に対してはナジフロキサシンや過酸化ベンゾイルが汎用されているが、アクネ菌のみならず表皮ブドウ球菌に対しても抗菌性を発揮し、選択的な抗菌性を得ることが難しい。また、真菌に対してはケトコナゾールやルリコナゾールが汎用されているが、マラセチアの菌種ごとに選択的な抗菌性を得ることが難しい。皮膚にとって有益な菌を残しつつ、有害な菌を抑制できる抗菌剤が望まれている。これまでにも特定の菌種にのみ抗菌性を発揮する素材や成分の検討がされてきた(特許文献1~4)。しかし、細菌及び真菌のどちらにおいても皮膚にとって有益な菌を残して有害な菌を減らす素材又は成分が十分提供されているとは言い難い。
【0009】
メリロート(学名:Melilotus officinalis)は、マメ科シナガワハギ属に属する多年草である。これまでメリロートは、美白効果(特許文献5)及びコラーゲン産生促進効果(特許文献6)を持つと知られている。一方、抗菌性については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2021-161043号公報
特開2014-062059号公報
特開2018-150266号公報
特開2013-249293号公報
特開平05-163115号公報
特開2008-024622号公報
J Invest Dermatol,Vol.133(9),PP.2152-2160(2013)
「変貌するざ瘡マネージメント」中山書店,103-108項(2012)
Appl Microbiol Biotechnol,Vol.98(1),PP.411-424(2014)
Exp Dermatol,Vol.26(9),PP.798-803(2017)
Immunity,Vol.42,PP.756-766(2015)
日本医真菌学会雑誌,Vol.46(3),PP.163-167(2005)
日本医真菌学会雑誌,Vol.53(2),PP.97-102(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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