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公開番号2024078775
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191318
出願日2022-11-30
発明の名称フッ化物イオンとリン酸イオンの選択除去性を持つ無機系凝集剤によるヨウ素成分含有水溶液の製造方法
出願人株式会社合同資源,株式会社日本海水
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/52 20230101AFI20240604BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】凝集法により非処理水中のフッ化物イオン濃度および/またはリン酸イオン濃度を低減しつつもヨウ化物イオン濃度を維持できるヨウ素成分含有水溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のヨウ素成分含有水溶液の製造方法は、ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと、を含む非処理水に、ヨウ化物イオンよりも選択的にフッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと反応する無機系凝集剤を接触させて、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと無機系凝集剤とが反応してなる凝集物を得る凝集工程と、非処理水中から凝集物を除去し、非処理水中にヨウ化物イオンを残存させることにより、処理水を得る分離工程と、を含むものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと、を含む非処理水に、ヨウ化物イオンよりも選択的にフッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと反応する無機系凝集剤を接触させて、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと前記無機系凝集剤とが反応してなる凝集物を得る凝集工程と、
前記非処理水中から前記凝集物を除去し、前記非処理水中にヨウ化物イオンを残存させることにより、処理水を得る分離工程と、を含む、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記凝集工程において、前記無機系凝集剤を含む前記非処理水のpHが、3.0以上11.5以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
レーザー回折散乱法を用いて体積頻度粒度分布を測定し、前記体積頻度粒度分布における粒子径が小さい側から50%累積したときの粒子径をD
50
としたとき、前記凝集物のD
50
が、1μm以上80μm以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記無機系凝集剤が、セリウム系凝集剤、ジルコニウム系凝集剤、アルミニウム系凝集剤、およびカルシウム系凝集剤および鉄系凝集剤からなる群から選ばれる一または二以上を含む、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のヨウ化物イオンの濃度をC
Ia
(mg/L)とし、前記処理水中のヨウ化物イオンの濃度をC
Ib
(mg/L)としたとき、
(C
Ib
/C
Ia
)×100により算出されるヨウ化物イオンの回収率が90%以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のフッ化物イオンの濃度をC
Fa
(mg/L)、リン酸イオンの濃度をC
Pa
(mg/L)とし、前記処理水中のフッ化物イオンの濃度をC
Fb
(mg/L)、リン酸イオンの濃度をC
Pb
(mg/L)としたとき、
式[100-〔(C
Fa
-C
Fb
)/C
Fa
〕×100]により算出されるフッ化物イオンの残存率が5%以下であるか、
または、式[100-〔(C
Pa
-C
Pb
)/C
Pa
〕×100]により算出されるリン酸イオンの残存率が5%以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
[前記ヨウ化物イオンの回収率/前記フッ化物イオンの残存率]または[前記ヨウ化物イオンの回収率/前記リン酸イオンの残存率]により算出される、前記無機系凝集剤のヨウ化物イオン非選択指数が、1.5以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のヨウ化物イオンの濃度が5g/L以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
【請求項9】
ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと、を含む非処理水に用いる無機系凝集剤であって、
フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンに対して、ヨウ化物イオンよりも選択的に反応し、凝集物を生成させる、ヨウ化物イオン非選択性の無機系凝集剤。
【請求項10】
ヨウ化物イオンを含むリサイクル水溶液であって、
当該リサイクル水溶液中の前記ヨウ化物イオンの濃度が5g/L以上であり、
当該リサイクル水溶液に含まれるフッ化物イオンの濃度および/またはリン酸イオンの濃度が8mg/L以下である、リサイクル水溶液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ化物イオンとリン酸イオンの選択除去性を持つ無機系凝集剤によるヨウ素成分含有水溶液の製造方法、無機系凝集剤、およびリサイクル水溶液に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
これまでヨウ化物イオンおよびフッ化物イオンを含む非処理液中からヨウ化物イオンを選択的に回収する手法について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、電気透析法により、ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよびホウ素イオンの少なくとも一方を含む非処理液中から、ヨウ化物イオンを分離する手法が記載されている(特許文献1の請求項1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-97182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気透析法により、ヨウ化物イオンおよびフッ化物イオンを含む非処理液中からヨウ化物イオンを選択的に回収することが一般的な手法として知られていた。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、電気透析法では非処理水中のフッ化物イオン濃度を十分に低減できないことが判明し(上記特許文献1の比較例)、電気透析法とは異なる別の手法の検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らはさらに検討した結果、フッ化物イオンと選択的に反応して凝集物を形成するが、ヨウ化物イオンとは選択的に反応しない特性を有する無機系凝集剤を見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、ヨウ化物イオン非選択性の無機系凝集剤を使用すると、ヨウ化物イオンとフッ化物イオンとを含む非処理水中からフッ化物イオンを選択的に分離できるため、フッ化物イオンの濃度を十分に低減できる凝集法を見出し、本発明を完成するに至った。
なお、本発明者らの検討によれば、ヨウ化物イオン非選択性の無機系凝集剤を用いた凝集法により、フッ化物イオンと同様に、リン酸イオンも、ヨウ化物イオンに対して選択的に分離できることが見出された。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下のヨウ素成分含有水溶液の製造方法、無機系凝集剤、およびリサイクル水溶液が提供される。
1. ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと、を含む非処理水に、ヨウ化物イオンよりも選択的にフッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと反応する無機系凝集剤を接触させて、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと前記無機系凝集剤とが反応してなる凝集物を得る凝集工程と、
前記非処理水中から前記凝集物を除去し、前記非処理水中にヨウ化物イオンを残存させることにより、処理水を得る分離工程と、を含む、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
2. 1.に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記凝集工程において、前記無機系凝集剤を含む前記非処理水のpHが、3.0以上11.5以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
3. 1.または2.に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
レーザー回折散乱法を用いて体積頻度粒度分布を測定し、前記体積頻度粒度分布における粒子径が小さい側から50%累積したときの粒子径をD
50
としたとき、前記凝集物のD
50
が、1μm以上80μm以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記無機系凝集剤が、セリウム系凝集剤、ジルコニウム系凝集剤、アルミニウム系凝集剤、およびカルシウム系凝集剤および鉄系凝集剤からなる群から選ばれる一または二以上を含む、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のヨウ化物イオンの濃度をC
Ia
(mg/L)とし、前記処理水中のヨウ化物イオンの濃度をC
Ib
(mg/L)としたとき、
(C
Ib
/C
Ia
)×100により算出されるヨウ化物イオンの回収率が90%以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
6. 5.に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のフッ化物イオンの濃度をC
Fa
(mg/L)、リン酸イオンの濃度をC
Pa
(mg/L)とし、前記処理水中のフッ化物イオンの濃度をC
Fb
(mg/L)、リン酸イオンの濃度をC
Pb
(mg/L)としたとき、
式[100-〔(C
Fa
-C
Fb
)/C
Fa
〕×100]により算出されるフッ化物イオンの残存率が5%以下であるか、
または、式[100-〔(C
Pa
-C
Pb
)/C
Pa
〕×100]により算出されるリン酸イオンの残存率が5%以下である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
7. 6.に記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
[前記ヨウ化物イオンの回収率/前記フッ化物イオンの残存率]または[前記ヨウ化物イオンの回収率/前記リン酸イオンの残存率]により算出される、前記無機系凝集剤のヨウ化物イオン非選択指数が、1.5以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のヨウ素成分含有水溶液の製造方法であって、
前記非処理水中のヨウ化物イオンの濃度が5g/L以上である、ヨウ素成分含有水溶液の製造方法。
9. ヨウ化物イオンと、フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンと、を含む非処理水に用いる無機系凝集剤であって、
フッ化物イオンおよび/またはリン酸イオンに対して、ヨウ化物イオンよりも選択的に反応し、凝集物を生成させる、ヨウ化物イオン非選択性の無機系凝集剤。
10. ヨウ化物イオンを含むリサイクル水溶液であって、
当該リサイクル水溶液中の前記ヨウ化物イオンの濃度が5g/L以上であり、
当該リサイクル水溶液に含まれるフッ化物イオンの濃度および/またはリン酸イオンの濃度が8mg/L以下である、リサイクル水溶液。
11. 10.のリサイクル水溶液であって、
当該リサイクル水溶液中に、セリウムイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオンの少なくとも一つを含む、リサイクル水溶液。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、凝集法により非処理水中のフッ化物イオン濃度および/またはリン酸イオン濃度を低減しつつもヨウ化物イオン濃度を維持できるヨウ素成分含有水溶液の製造方法、それに用いる無機系凝集剤、およびリサイクル水溶液が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態のヨウ素回収システムの構成の一例を模式的に示す図である。
本実施形態のヨウ素成分含有水溶液の製造方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
【0010】
本実施形態のヨウ素成分含有水溶液の製造方法の概要を説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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