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公開番号2024075023
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186128
出願日2022-11-22
発明の名称素子、電子デバイス、電子機器及びシステム
出願人株式会社Gaianixx
代理人
主分類H03H 9/25 20060101AFI20240527BHJP(基本電子回路)
要約【課題】環境に優しく、精度に優れた素子を提供する。
【解決手段】結晶基板上に、第1の中間膜としてHfを含む化合物膜を積層し、ついで第2の中間膜として熱処理又は加工によりマルテンサイト変態する金属を含む金属膜を積層した後、直接に又は他の層を介して、結晶成長により、圧電体膜を積層し、ついで前記結晶基板を剥離する。そして、得られた圧電体を、略円柱状の基体に巻回し、接合箇所から順に、反射器とすだれ状電極とを設けて圧電体素子を作製する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
1以上のすだれ状電極が圧電体に設けられている素子であって、前記圧電体がシート状であることを特徴とする素子。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記圧電体が基体に接合されている請求項1記載の素子。
【請求項3】
前記基体が円柱状、略円柱状、樽状又は略樽状であり、前記圧電体が前記基体に巻回して円状又は略円状を形成し、前記円状又は略円状の円周方向又は略円周方向に表面弾性波が伝搬可能となるように前記すだれ状電極が設置されている請求項2記載の素子。
【請求項4】
前記表面弾性波の伝搬経路内に反射器が設けられている請求項3記載の素子。
【請求項5】
前記反射器が2以上設けられており、前記の巻回による前記圧電体同士の接合部が、前記反射器間に設けられている請求項4記載の素子。
【請求項6】
前記すだれ状電極が前記表面弾性波を発生させるSAW発生手段及び前記表面弾性波を受信するSAW受信手段を備えている請求項3~5のいずれかに記載の素子。
【請求項7】
前記圧電体が、金属膜上に成膜されてなる請求項1~6のいずれかに記載の素子。
【請求項8】
前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ(100)方向に配向している請求項7記載の素子。
【請求項9】
前記金属膜が2種以上の金属層からなる請求項7又は8に記載の素子。
【請求項10】
前記金属膜が熱処理又は加工によりマルテンサイト変態する金属を含み、前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ略同一の結晶軸方向に配向している請求項7~9のいずれかに記載の素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、素子、電子デバイス、電子機器及びシステムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
圧電素子の一つである表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子は、水晶基板などの圧電基板上にすだれ状電極(IDT:Interdigital Transducer)を備えている。すだれ状電極は、一対となっており、櫛型の電極が非接触で対向するように圧電基板上に形成されている。このすだれ状電極に交流電圧を印加することで、圧電基板の有する圧電効果および逆圧電効果により、すだれ状電極が形成されている圧電基板の表面および表面付近を周波数帯で振動させることができる。表面弾性波素子は、すだれ状電極の組合せや構成によって、発振器、帯域フィルタ、ジャイロなど、様々な電子機器を構成する電子回路に幅広く用いられている。
【0003】
また、近年においては、例えば、移動体通信に用いられる携帯端末装置の小型化、軽量化が進むとともに、高い通信品質を実現するために、さらに高い精度を有する表面弾性波素子が求められており、このような要求に応えるべく、球状SAWセンサ(ボールSAWセンサ)等が検討されている(特許文献1)。ボールSAWセンサは、SAWの自然なコリメートビームが多重周回する現象を利用して、相互作用距離を平面型センサよりも著しく増加させることができたため、高感度化に有用である。しかしながら、製造工程が煩雑になるなどコストの問題があり、高周波特性等についてもSAWデバイスには課題が多くあり、まだまだ満足のいくものではなかった。さらには、環境問題等に対する省エネの要求も加わり、これら課題を解決するような新規SAW素子が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-154015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、環境に優しく、優れた精度を有する素子、電子デバイス、電子機器及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、金属膜上に圧電体が同一の結晶軸方向に配向して積層されている積層構造体の創製に成功し、このような積層構造体によれば、1以上のすだれ状電極が圧電体に設けられている素子であって、前記圧電体がシート状である素子が容易に実現できることを知見し、このような素子が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 1以上のすだれ状電極が圧電体に設けられている素子であって、前記圧電体がシート状であることを特徴とする素子。
[2] 前記圧電体が基体に接合されている前記[1]記載の素子。
[3] 前記基体が円柱状、略円柱状、樽状又は略樽状であり、前記圧電体が前記基体に巻回して円状又は略円状を形成し、前記円状又は略円状の円周方向又は略円周方向に表面弾性波が伝搬可能となるように前記すだれ状電極が設置されている前記[2]記載の素子。
[4] 前記表面弾性波の伝搬経路内に反射器が設けられている前記[3]記載の素子。
[5] 前記反射器が2以上設けられており、前記の巻回による前記圧電体同士の接合部が、前記反射器間に設けられている前記[4]記載の素子。
[6] 前記すだれ状電極が前記表面弾性波を発生させるSAW発生手段及び前記表面弾性波を受信するSAW受信手段を備えている前記[3]~[5]のいずれかに記載の素子。
[7] 前記圧電体が、金属膜上に成膜されてなる前記[1]~[6]のいずれかに記載の素子。
[8] 前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ(100)方向に配向している前記[7]記載の素子。
[9] 前記金属膜が2種以上の金属層からなる前記[7]又は[8]に記載の素子。
[10] 前記金属膜が熱処理又は加工によりマルテンサイト変態する金属を含み、前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ略同一の結晶軸方向に配向している前記[7]~[9]のいずれかに記載の素子。
[11] 前記金属膜が、Feを含む前記[10]記載の素子。
[12] 前記金属膜が、Crを含む前記[10]又は[11]に記載の素子。
[13] 前記圧電体が単結晶膜からなる前記[1]~[12]のいずれかに記載の素子。
[14] 素子を含む電子デバイス、電子機器又はシステムであって、前記素子が前記[1]~[13]のいずれかに記載の素子である電子デバイス、電子機器又はシステム。
【発明の効果】
【0008】
本発明の素子、電子デバイス、電子機器及びシステムは、環境に優しく、優れた精度を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の素子の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
本発明の素子に好適に用いられる反射器の一例を模式的に示す図である。
本発明の素子の別の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
本発明の素子における表面弾性波の伝搬方向等を模式的に説明する図である。
本発明の積層構造体の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
実施例におけるXRD回折パターンを示す図である。
試験例における実施例品の試験片を説明する図である。
試験例における比較例品の試験片を説明する図である。
試験例における曲げ強度試験結果を示す図である。
実施例において好適に用いられる成膜装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の素子は、1以上のすだれ状電極がシート状の圧電体に設けられている素子であれば特に限定されない。本発明においては、前記圧電体が基体に接合されているのが好ましい。前記の接合は公知の接合手段が用いられてよく、本発明においては、金属接合手段又は貼付手段であるのが好ましい。前記金属接合手段は公知の金属接合手段であってよく、金属膜を前記圧電体に貼り付けて用いてもよいが、本発明においては、前記金属膜上に前記圧電体を成膜し、得られた積層構造体を用いるのが好ましい。なお、本発明においては、前記圧電体が金属膜上に成膜されてなるのが好ましく、前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ(100)方向に配向しているのがより好ましい。また、本発明においては、前記金属膜が2種以上の金属層からなるのが好ましく、うち一種が、熱処理又は加工によりマルテンサイト変態する金属を含み、前記圧電体と前記金属膜とがそれぞれ略同一の結晶軸方向に配向しているのがより好ましい。このような好ましい範囲によれば、前記素子の精度をより優れたものとすることができる。また、前記金属膜は、Feを含むのが好ましく、さらに、Crを含むのがより好ましい。このような好ましい範囲によれば、可撓性により優れたものとなり、前記圧電体の曲げを伴う素子において、より容易に優れた精度を奏することができる。なお、前記圧電体は単結晶膜からなるのが好ましい。また、前記貼付手段は、特に限定されないが、公知の接着剤を用いる手段などが好適な例として挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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