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公開番号2024074184
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022185314
出願日2022-11-18
発明の名称水電解セル用部材、水電解セル及び水電解セルスタック
出願人東京瓦斯株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C25B 9/65 20210101AFI20240523BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】コーティング材と、アノードガス拡散層の基材又はセパレータの基材との間で亀裂が低減され、貫通抵抗の小さい接合界面を形成して腐食が抑制可能な水電解セル用部材を提供する。
【解決手段】アノードガス拡散層及びセパレータの少なくとも一方である水電解セル用部材であって、アノードガス拡散層の基材及びセパレータ基材の少なくとも一方の基材と、前記基材の表面上の少なくとも一部に位置する導電性セラミクスを含むコーティング材と、前記基材と前記コーティング材との間に位置する酸素を含むチタン層と、を備え、前記酸素を含むチタン層の厚さは、78.7nm以下であり、前記コーティング材の厚さは、190nm以上4223nm以下である水電解セル用部材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アノードガス拡散層及びセパレータの少なくとも一方である水電解セル用部材であって、
アノードガス拡散層の基材及びセパレータ基材の少なくとも一方の基材と、
前記基材の表面上の少なくとも一部に位置する導電性セラミクスを含むコーティング材と、
前記基材と前記コーティング材との間に位置する酸素を含むチタン層と、を備え、
前記酸素を含むチタン層の厚さは、78.7nm以下であり、
前記コーティング材の厚さは、190nm以上4223nm以下である水電解セル用部材。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記導電性セラミクスは、窒化物、炭化物及び炭窒化物の少なくともいずれかを含み、前記窒化物、前記炭化物及び前記炭窒化物は、それぞれ独立に、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルを少なくとも1種類以上含む請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項3】
前記導電性セラミクスは、窒化チタンを含む請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項4】
前記酸素を含むチタン層の厚さは、45.5nm以下である請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項5】
前記酸素を含むチタン層の厚さは、10.9nm以下である請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項6】
前記コーティング材の厚さは、490nm以上4223nm以下である請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項7】
前記コーティング材の厚さは、2042nm以上4223nm以下である請求項1に記載の水電解セル用部材。
【請求項8】
セパレータと、アノードガス拡散層と、アノード触媒と、カソード触媒と、電解質膜と、を備える水電解セルであって、
前記水電解セルに含まれる前記セパレータ及び前記アノードガス拡散層の少なくとも一方は、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の水電解セル用部材から構成されている水電解セル。
【請求項9】
請求項8に記載の水電解セルを複数積層してなる水電解セルスタック。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水電解セル用部材、水電解セル及び水電解セルスタックに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
水の電気分解(以下、「水電解」という場合がある。)は、電気分解によって水から水素及び酸素を生成する方法である。例えば、エネルギー源として水素を利用する技術において、水電解は、持続可能な水素生成のための有望な技術である。
【0003】
水電解に用いる水電解セルは、セパレータ、アノードガス拡散層、アノード触媒層、電解質膜等をこの順番で備える(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許7053128号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アノードで発生する酸素ガスと接触する部材、例えば、ガス拡散層(GDL)、セパレータ等は、高酸化雰囲気にさらされる。そのため、ガス拡散層、セパレータ等は、腐食しやすく、その結果、水電解セルの抵抗が増加しやすくなり、水電解セルが短寿命化しやすい。
【0006】
触媒との接触抵抗低減及び腐食の抑制の観点から、特許文献1に記載の水電解セルにて、アノード触媒層とアノードガス拡散層との間を白金等の貴金属でめっき被覆する方法がある。しかし、アノードガス拡散層に亀裂が生じやすく、未被覆部が露出して腐食を抑制できないおそれがある。
【0007】
本開示の目的は、コーティング材と、アノードガス拡散層の基材又はセパレータの基材との間で亀裂が低減され、貫通抵抗の小さい接合界面を形成して腐食が抑制可能な水電解セル用部材、並びにこれを備える水電解セル及び水電解セルスタックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下の態様を含む。
<1> アノードガス拡散層及びセパレータの少なくとも一方である水電解セル用部材であって、
アノードガス拡散層の基材及びセパレータ基材の少なくとも一方の基材と、
前記基材の表面上の少なくとも一部に位置する導電性セラミクスを含むコーティング材と、
前記基材と前記コーティング材との間に位置する酸素を含むチタン層と、を備え、
前記酸素を含むチタン層の厚さは、78.7nm以下であり、
前記コーティング材の厚さは、190nm以上4223nm以下である水電解セル用部材。
<2> 前記導電性セラミクスは、窒化物、炭化物及び炭窒化物の少なくともいずれかを含み、前記窒化物、前記炭化物及び前記炭窒化物は、それぞれ独立に、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルを少なくとも1種類以上含む<1>に記載の水電解セル用部材。
<3> 前記導電性セラミクスは、窒化チタンを含む<1>に記載の水電解セル用部材。
<4> 前記酸素を含むチタン層の厚さは、45.5nm以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の水電解セル用部材。
<5> 前記酸素を含むチタン層の厚さは、10.9nm以下である<1>~<4>のいずれか1つに記載の水電解セル用部材。
<6> 前記コーティング材の厚さは、490nm以上4223nm以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の水電解セル用部材。
<7> 前記コーティング材の厚さは、2042nm以上4223nm以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載の水電解セル用部材。
<8> セパレータと、アノードガス拡散層と、アノード触媒と、カソード触媒と、電解質膜と、を備える水電解セルであって、
前記水電解セルに含まれる前記セパレータ及び前記アノードガス拡散層の少なくとも一方は、<1>~<7>のいずれか1つに記載の水電解セル用部材から構成されている水電解セル。
<9> <8>に記載の水電解セルを複数積層してなる水電解セルスタック。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コーティング材と、アノードガス拡散層の基材又はセパレータの基材との間で亀裂が低減され、貫通抵抗の小さい接合界面を形成して腐食が抑制可能な水電解セル用部材、並びにこれを備える水電解セル及び水電解セルスタックが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、水電解セルの概略断面図である。
図2は、実施例1~7及び比較例1~4に示したコーティング材付き基材の貫通抵抗と、酸素を含むチタン層の厚さの関係を示すグラフである。
図3は、実施例1~7及び比較例1~4に示したコーティング材付き基材の貫通抵抗と、コーティング材の厚さの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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