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公開番号2024072221
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-27
出願番号2022182972
出願日2022-11-15
発明の名称光合成微生物を利用した有用有機物の製造方法
出願人国立大学法人神戸大学
代理人弁理士法人 津国
主分類C12N 1/13 20060101AFI20240520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、目的の有用有機物(有機酸など)の産生量や収率に優れる、光合成微生物を利用した有用有機物の製造法方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、光合成微生物を培養する光合成微生物培養工程、ここで、光合成微生物は、培養中に細胞外に有機物を放出する、及び、従属栄養微生物を培養する従属栄養微生物培養工程、ここで、従属栄養微生物は、培養中に前記光合成微生物が放出した有機物を代謝し、目的の有用有機物を産出するを含む、有用有機物の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
光合成微生物を培養する光合成微生物培養工程、ここで、光合成微生物は、培養中に細胞外に有機物を放出する、及び、
従属栄養微生物を培養する従属栄養微生物培養工程、ここで、従属栄養微生物は、培養中に前記光合成微生物が放出した有機物を代謝し、目的の有用有機物を産出する
を含む、有用有機物の製造方法。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
光合成微生物培養工程及び従属栄養微生物培養工程が、同じ培地中で行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
光合成微生物培養工程及び従属栄養微生物培養工程が、同じ培地中で同時に行われる、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
光合成微生物から放出される有機物が、有機酸である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
光合成微生物から放出される有機物が、C4ジカルボン酸である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
光合成微生物が、微細藻及びシアノバクテリアから選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
光合成微生物が、シアノバクテリアである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
光合成微生物が、組換え生物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
光合成微生物培養工程が、暗黒嫌気性環境下で行われる、請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
従属栄養微生物が、C4ジカルボン酸を産出する、請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光合成微生物を利用した有用有機物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
現代社会ではプラスチックをはじめ繊維、ゴム、溶剤、塗料、洗剤、液体燃料等の多くの材料の生産が石油化学産業に依存している。しかし、これ以上の石油の利用拡大は資源の枯渇や環境負荷の増大を深刻化させるため、石油依存から脱却し、植物系バイオマスから得られるデンプンや糖蜜、セルロース等から燃料・化学品を生産することに期待が寄せられている。
【0003】
乳酸やコハク酸等の有機酸は、食品、医薬品、その他化学品の合成原料として広く用いられている。これら有機酸についても、デンプン及びセルロース等の糖質系バイオマスからの生産が期待されている。例えば、農業用マルチフィルム、包装材、農業・土木資材等に広く活用されているポリブチレンサクシネート(PBS)等の生分解性プラスチックは、原材料となるコハク酸を石油由来のものからバイオマス由来のものに切り替えていこうという流れがある。
【0004】
光合成能を有し、光独立栄養的に生育が可能な微生物である光合成微生物、例えば、微細藻類やシアノバクテリア(ラン藻)などは、光環境下で直接CO

を吸収し、オイル、デンプン、グリコーゲン、有機酸、その他の機能性物質(色素類や機能性脂質等)等を生産することができる。このため、従来、石油に頼らない有用物質の生産方法として、これら光合成微生物を利用した有用物質の生産方法が着目されている。特に、光合成微生物を利用した有機酸生産は、近年、実用化に向けて、生産性の向上のための種々の方法が積極的に開発されてきた。例えば、特許文献1には、光合成微生物である微細藻類による有機酸生産において、より効率的な生産のため、微細藻類を35℃~40℃の、従来より高い温度条件で培養する方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、これまで開発された方法による有用有機物(有機酸など)の生産性は、未だ十分なものとはいえず、より有用有機物の産生量や収率に優れる製造法方法の開発が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開公報2018/051916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、より有用有機物(有機酸など)の産生量や収率に優れる光合成微生物を利用した有用有機物の製造法方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、光合成微生物を利用した有用有機物(有機酸など)の生産にあたり、従属栄養微生物をさらに組み合わせて用いることで、目的の有用有機物の生産量や収率を増大させることができることを見出して本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0009】
[1]光合成微生物を培養する光合成微生物培養工程、ここで、光合成微生物は、培養中に細胞外に有機物を放出する、及び、従属栄養微生物を培養する従属栄養微生物培養工程、ここで、従属栄養微生物は、培養中に前記光合成微生物が放出した有機物を代謝し、目的の有用有機物を産出するを含む、有用有機物の製造方法。
[2]光合成微生物培養工程及び従属栄養微生物培養工程が、同じ培地中で行われる、[1]に記載の製造方法。
[3]光合成微生物培養工程及び従属栄養微生物培養工程が、同じ培地中で同時に行われる、[2]に記載の製造方法。
[4]光合成微生物から放出される有機物が、有機酸である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]光合成微生物から放出される有機物が、C4ジカルボン酸である、[4]に記載の製造方法。
[6]光合成微生物が、微細藻及びシアノバクテリアから選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]光合成微生物が、シアノバクテリアである、[6]に記載の製造方法。
[8]光合成微生物が、組換え生物である、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]光合成微生物培養工程が、暗黒嫌気性環境下で行われる、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]従属栄養微生物が、C4ジカルボン酸を産出する、[1]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]従属栄養微生物が、コハク酸を産出する、[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]従属栄養微生物が、目的の有用有機物を細胞外に放出する、[1]~[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]従属栄養微生物が、Dcuシステムを有する、[12]に記載の製造方法。
[14]従属栄養微生物が、エンテロバクター属細菌及びエシェリヒア属細菌から選択される少なくとも1種である、[13]に記載の製造方法。
[15]従属栄養微生物培養工程が、嫌気性環境下で行われる、[1]~[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]光合成微生物培養において、光合成微生物をコーンスティープリカーを含有する培地中で培養する、[1]~[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]光合成微生物を、光独立栄養条件下で培養する光合成工程をさらに含む、[1]~[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18]従属栄養微生物培養工程の後に、有用有機物を回収する有用有機物回収工程をさらに含む、[1]~[17]のいずれかに記載の製造方法。
[19]目的の有用有機物が、コハク酸である、[1]~[18]のいずれかに記載の製造方法。
[20]従属栄養微生物が、単離された微生物である、[1]~[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]光合成微生物と組み合わせて使用されることを特徴とする、従属栄養微生物を含む、有用有機物製造用組成物。
[22]光合成微生物と従属栄養微生物とを含む、有用有機物製造用組成物。
[23]光合成微生物と従属栄養微生物とを含む、有用有機物製造用キット。
[24]光合成微生物と従属栄養微生物とからなる、有用有機物製造用微生物群。
【0010】
なお、前記[1]から[24]の各構成は、任意に2つ以上を選択して組み合わせることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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