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公開番号2024122931
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2024028110
出願日2024-02-28
発明の名称メンブランベシクルの生産方法及びメンブランベシクルを利用した物質生産方法
出願人国立大学法人神戸大学
代理人個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20240902BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】効率的な大腸菌からのメンブランベシクル生産およびその制御法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)生産遺伝子をコードした大腸菌をグルコース存在下で培養し、大腸菌の細胞内にポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)を蓄積させることにより細胞内の内圧を高める工程と、大腸菌の細胞膜の外膜-ペプチドグリカン-内膜に物理的な摂動を誘発させる工程と、細胞膜の外膜にメンブランベシクルを生産する工程と、を有する、メンブランベシクルの生産方法により解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)生産遺伝子をコードした微生物を炭素源存在下で培養し、前記微生物の細胞内にポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)を蓄積させることにより細胞内の内圧を高める工程と、
前記微生物の細胞膜の外膜-ペプチドグリカン-内膜に物理的な摂動を誘発させる工程と、
メンブランベシクルを前記細胞膜の外膜に生産する工程と、
を有する、メンブランベシクルの生産方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記微生物が、細胞壁生合成酵素の遺伝子欠損株である、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項3】
前記微生物が、単機能性ペプチドグリカングリコシルトランスフェラーゼ(MtgA)をコードする遺伝子の変異を含む細菌株である、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項4】
前記メンブランベシクルの平均粒子径が、50~200nmである、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項5】
前記炭素源が、グルコースである、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項6】
前記グルコースが、0.1~15.0重量%である、請求項5に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項7】
前記グルコース濃度を調整することにより、単層MV(outer MV)と多層 MV(outer/inner MV)の発生を制御する、
請求項5に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項8】
前記微生物が、グラム陰性菌である、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項9】
前記グラム陰性菌が、大腸菌である、請求項8に記載のメンブランベシクルの生産方法。
【請求項10】
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)が、ポリ(3-ヒドロキシブチレートである、請求項1に記載のメンブランベシクルの生産方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を利用したメンブランベシクルの効率的生産法及びメンブランベシクルを利用した物質生産方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
多くの細菌は細胞膜からメンブランベシクル(membrane vesicle、以下「MV」ということがある)という膜小胞を生産することが知られている。MVの大きさは20~200nmであり、細胞膜から数多くのMVが放出される様子から、シャボン玉に例えられることもある。MVは細胞膜由来のリン脂質や膜タンパク質、LPS(lypopolysaccharide)等で構成されており、細胞表面と類似の構造を持つことから、DNA、RNA、酵素などの様々な物質を含有していることも明らかになりつつある。MVは構造安定性も高いことから、多面的な機能を有していると考えられ、ドラックデリバリー(DDS)に代表されるような効率的な微生物制御への応用も期待されている。またMVはワクチン抗原としてあるいは抗原を輸送するキャリアとして近年注目されており研究が進んでいる。
【0003】
尾花ら(2016)は、様々な遺伝子変異株や制御因子を用いた解析により多くのMV生産関連遺伝子が同定され、様々なMV機構が提唱されているが、これらのMV生産機構に共通することとして細胞膜がたわむことが挙げられることを報告している(非特許文献1)。
【0004】
また、特開2021-71357号公報には、ドラッグデリバリーシステムおよびワクチン等への応用が期待されている一方で、これまで一般的であった超遠心分離法によりメンブランベシクルが損傷を受ける問題点を解決するため、担体に担持されたペプチドまたはポリミキシンBとを接触させることによって複合体を形成し、担体に結合したメンブランベシクルを温和な条件で担体から解離できるようにしたメンブランベシクルの単離方法を開示している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-71357号公報
【非特許文献】
【0006】
尾花ら,“グラム陽性細菌が能動的につくるメンブランベシクルの機能と生合成”,日本乳酸菌学会,2016年,第27巻,第1号,p.10-16
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまでの報告はMVの生産をあくまでも自然現象として確認したものであり、効率的なMV生産およびその制御法や、人為的に目的物質をMVに包摂させることについては十分に検討されていない。
【0008】
そこで、本発明は、効率的な大腸菌からのMV生産およびその制御法を提供することを目的とする。また、本発明は、その制御法を利用した物質生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、効率的な大腸菌からのMV生産およびその制御法を提供するため、大腸菌にバイオポリマーを生産させ、また培地中のグルコース濃度を調整することにより、大腸菌から均一な粒子径のMVを効率的に高生産することを見出した。さらに、本発明者らは、当該MVの内部に人為的に目的物質を包摂しうることを見出した。
【0010】
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)生産遺伝子をコードした微生物を炭素源存在下で培養し、前記微生物の細胞内にポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)を蓄積させることにより細胞内の内圧を高める工程と、前記微生物の細胞膜の外膜-ペプチドグリカン-内膜に物理的な摂動を誘発させる工程と、メンブランベシクルを前記細胞膜の外膜に生産する工程と、を有する、メンブランベシクルの生産方法を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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