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公開番号2024064553
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173224
出願日2022-10-28
発明の名称窒化物半導体装置の製造方法
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 21/265 20060101AFI20240507BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高温の熱処理中に窒化物半導体層の表面から窒素が抜けるのを抑えるのに好適なキャップ層を提供する。
【解決手段】窒化物半導体装置(1)の製造方法は、GaNを材料とする窒化物半導体層(14)にドーパントをイオン注入する工程と、窒化物半導体層の表面の少なくとも一部にキャップ層(50)を形成する工程と、熱処理によって前記ドーパントを活性化させるアニール工程と、を備えており、前記キャップ層は、GaNとの格子不整合度が2.5%未満であり、融点が1500℃以上の材料を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
窒化物半導体装置(1)の製造方法であって、
GaNを材料とする窒化物半導体層(14)にドーパントをイオン注入する工程と、
窒化物半導体層の表面の少なくとも一部にキャップ層(50)を形成する工程と、
熱処理によって前記ドーパントを活性化させるアニール工程と、を備えており、
前記キャップ層は、GaNとの格子不整合度が2.5%未満であり、融点が1500℃以上の材料を含む、製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記キャップ層は、ScN、Sc

Al
1-x
N(0<x≦0.36)、HfN、ZrN、ZnO、ScMgAlO
4
、MnO、TaC、NbC、Mo、W、ZrB
2
、WB
2
、MoB
2
、ITOからなる群が選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記キャップ層は、ScNとSc

Al
1-x
N(0<x≦0.36)の少なくともいずれか一方の材料を含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記キャップ層は、
前記窒化物半導体層の前記表面上に形成されている第1キャップ層(52)と、
前記第1キャップ層上に形成されている第2キャップ層(54)と、を有しており、
前記第1キャップ層の材料が、Al

Ga
1-y
N(0≦y≦1)であり、
前記第2キャップ層が、ScN、Sc

Al
1-x
N(0<x≦0.36)、HfN、ZrN、ZnO、ScMgAlO
4
、MnO、TaC、NbC、Mo、W、ZrB
2
、WB
2
、MoB
2
、ITOからなる群が選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1キャップ層は、組成が異なる複数のAlGaN層(56,58)が積層して構成されている、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1キャップ層を構成する前記複数のAlGaN層では、前記窒化物半導体層の前記表面から離れるにつれてアルミニウムの組成比が増加するように構成されている、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1キャップ層(52)と前記第2キャップ層(54)が厚み方向に交互に繰り返した超格子構造を構成しており、
前記第1キャップ層の材料が、Al

Ga
1-y
N(0≦y≦1)であり、
前記第2キャップ層が、ScN、Sc

Al
1-x
N(0<x≦0.36)、HfN、ZrN、ZnO、ScMgAlO
4
、MnO、TaC、NbC、Mo、W、ZrB
2
、WB
2
、MoB
2
、ITOからなる群が選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記キャップ層上にカーボン膜を形成する工程、をさらに備えている、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、窒化物半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
GaN(窒化ガリウム)を材料とする窒化物半導層にイオン注入されたドーパントを活性化するために、1200℃以上の高温の熱処理が必要とされている。しかしながら、このような高温の熱処理を行うと、窒化物半導体層の表面から窒素が抜けて窒化物半導体層の表面にピットが形成されてしまう。
【0003】
特許文献1は、窒化物半導体層の表面から窒素が抜けるのを抑えるために、窒化物半導体層の表面にAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)からなるキャップ層を成膜する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-534058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)のキャップ層は、アルミニウムの組成比を小さくすれば、GaN(窒化ガリウム)を材料とする窒化物半導層との格子不整合度が小さくなって高温の熱処理中におけるクラックの発生を抑えられるものの、融点が低くなって耐熱性が悪化してしまう。一方、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)のキャップ層は、アルミニウムの組成比を大きくすれば、融点が高くなって耐熱性が向上するものの、GaN(窒化ガリウム)を材料とする窒化物半導層との格子不整合度が大きくなって高温の熱処理中にクラックが発生してしまう。このように、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)からなるキャップ層は、高温の熱処理におけるクラックの発生の抑制と耐熱性を両立させることが難しい。
【0006】
本明細書は、高温の熱処理中に窒化物半導体層の表面から窒素が抜けるのを抑えるのに好適なキャップ層を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する窒化物半導体装置(1)の製造方法は、GaNを材料とする窒化物半導体層(14)にドーパントをイオン注入する工程と、窒化物半導体層の表面の少なくとも一部にキャップ層(50)を形成する工程と、熱処理によってドーパントを活性化させるアニール工程と、を備えていてもよい。ここで、窒化物半導体層の表面は、キャップ層を形成しなければアニール工程で外部に露出する面である。窒化物半導体層の表面全体にキャップ層を形成してもよく、窒素抜けによるピットによって電気的特性が影響を受け得る表面の一部のみにキャップ層を形成してもよい。キャップ層は、GaNとの格子不整合度が2.5%未満であり、融点が1500℃以上の材料を含む。上記製造方法で用いられるキャップ層は、特に限定されるものではないが、例えばScN、Sc

Al
1-x
N(0<x≦0.36)、HfN、ZrN、ZnO、ScMgAlO
4
、MnO、TaC、NbC、Mo、W、ZrB
2
、WB
2
、MoB
2
、ITOからなる群が選択される少なくとも1つの材料を含んでもよい。
【0008】
従来からよく用いられるキャップ層の材料であるAlN(窒化アルミニウム)は、GaN(窒化ガリウム)との格子不整合度が2.5%である。AlN(窒化アルミニウム)からなるキャップ層は、高温の熱処理において、GaN(窒化ガリウム)を材料とする窒化物半導体層との格子定数差に起因してクラックの発生が問題となっていた。上記製造方法で用いられるキャップ層に含まれる材料は、GaN(窒化ガリウム)との格子不整合度が2.5%未満であり、GaN(窒化ガリウム)との格子不整合度がAlN(窒化アルミニウム)よりも小さい材料である。このため、上記製造方法で用いられるキャップ層は、AlN(窒化アルミニウム)からなるキャップ層よりもクラックの発生が抑えられる。さらに、上記製造方法で用いられるキャップ層に含まれる材料は、融点が1500℃以上の材料である。このため、上記製造方法で用いられるキャップ層は、高温の熱処理中も安定しており、高い耐熱性を有することができる。このように、上記製造方法で用いられるキャップ層は、高温の熱処理におけるクラックの発生の抑制と耐熱性を両立することができるので、高温の熱処理中に窒化物半導体層の表面から窒素が抜けるのを抑えるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
半導体装置の一実施形態の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置を製造する方法の一部の製造フローを示す。
図1の半導体装置の製造方法における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置の製造方法における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置の製造方法における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置の製造方法の変形例における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置の製造方法の変形例における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
図1の半導体装置の製造方法の変形例における一製造過程の要部断面図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本明細書が開示する半導体装置とその製造方法について説明する。各図面において、図示明瞭化を目的とし、共通する構成要素についてはそれらの1つの構成要素にのみ符号を付すことがある。
(【0011】以降は省略されています)

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