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公開番号2024055881
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-19
出願番号2023174673
出願日2023-10-06
発明の名称反転銅箔の生産プロセス
出願人広東盈華電子科技有限公司,Guangdong Yinghua Electronic Technology Co. Ltd.
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C25D 7/06 20060101AFI20240412BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】製造された反転銅箔の比較的高い耐剥離強度を保証すると共に、プロファイルを明かに低下させる、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスを提供する。
【解決手段】順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含み、本発明は、粗化液の配合方法を最適化することで、即ち粗化処理中に粗化液に濃度比が0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であるモリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンを加えることで、粗化層の構造を明らかに改善し、銅箔の表面に比較的に多くの微小な「枝」状の結晶を形成させ、銅箔の表面の粗さを向上させ、後続の硬化のためにより多くの成長点を提供し、製造した反転銅箔が高い耐剥離強度を保証するとともに、プロファイルを明らかに低下させ、製造した反転銅箔の粗化面はRz≦1.5μmであり、耐剥離強度≧1.2N/mmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスであって、
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30-40℃であり、硫酸の濃度が120-180g/Lであり、銅イオンの濃度が8-12g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm

であり、温度が25-30℃であり、硫酸の濃度が150-200g/Lであり、銅イオンの濃度が15-20g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1-3g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm

であり、温度が40-50℃であり、硫酸の濃度が120-160g/Lであり、銅イオンの濃度が50-60g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が4-8A/dm

であり、温度が45-55℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が80-120g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が5-12g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が0.8-1.5g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が25-35℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が3-6g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、180-220℃であることを特徴とする、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が32-38℃であり、硫酸の濃度が130-160g/Lであり、銅イオンの濃度が10-12g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項3】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm

であり、温度が26-29℃であり、硫酸の濃度が160-180g/Lであり、銅イオンの濃度が16-19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1.2-2.5g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項4】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、その濃度比は、0.2:0.2:2.0であることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項5】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm

であり、温度が42-48℃であり、硫酸の濃度が130-150g/Lであり、銅イオンの濃度が52-58g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項6】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が5-7A/dm

であり、温度が48-52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が90-110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が6-10g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.0-1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項7】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.2:0.2:2.0であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm

であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm

であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が5.0g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、200℃であることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の生産プロセス。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の生産プロセスで製造される超低プロファイル反転銅箔。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解銅箔製造分野に属し、具体的には超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電解銅箔は、電子と電気工業における重量な原材料であり、銅張積層板の生産に使用可能であり、さらにプリント回路基板の製造に用いられ、特殊なプロセスと後続の方法を経た後に、リチウム電子電池専用の負極集電体材料として用いられることもできる。従来の電解銅箔は、平滑面と粗化面の二つの部分を有し、一般的には、回路基板に用いられる場合、粗化面を樹脂に接続することで引張力を生じ、樹脂と銅箔の結合力を大きくするが、粗化面の粗さが比較的に大きいため、粗化面を回路基板の表面に配置すると、均一な粗化面に乾燥膜を直接的に貼り付けることができ、おおくの前処理を必要とすることなく、良好な結合力を得ることができる。そのため、銅箔サプライヤーは、銅箔の粗面を反転させ、平滑面に対して別途強化結合処理を行うことを試みる。このような使用方法は、いわゆる反転銅箔の使用方法である。
【0003】
電解銅箔は、PCB生産の主要原料の一つであり、その製作プロセスは、圧延法と電解法の二つの方法があり、圧延銅箔は、伸び率、耐屈曲などの性能の点で比較的大きい優位性を有する。近年では、電解銅箔生産技術の進化に伴い、日本の一部の銅箔のメーカーは、フレキシブルプリント回路基板の要件を満たすことができる多くの高品質の電解銅箔をすでに開発した。電解銅箔製造技術の進化と価格の点での優位性により、電解銅箔は、フレキシブルプリント回路基板にますます広く応用されている。電解銅箔を用いるフレキシブルプリント回路基板について、その主な特徴は、プロファイルが低く、伸び率が高く且つ引張強度が高いことであり、これらはいずれも耐屈曲性能の向上に有利である。銅箔の表面の粗さが低いほど、製造されたフレキシブルプリント回路基板の機械的厚さが低下し、耐屈曲性能が著しく向上する。比較的高い伸び率を有すると、フレキシブルプリント回路基板の屈曲時の銅割れの問題を効果的に解決することができる。高い引張強度を有すると、銅箔の耐疲労性能を改善することができる。
【0004】
中国特許出願201210120479.3には銅箔の表面処理プロセスが開示されており、それは、酸洗浄-粗化-硬化-黒化-亜鉛メッキ-絶縁化-シランカップリング剤-乾燥のプロセスフローを含み、それは、黒化ステップにおいて、黒化剤を添加することで、銅箔の表面に銅箔の耐食性を向上させ、銅箔のエッチング性を改善することができる黒色の超微細めっき層を形成することを特徴とする。処理された超低プロファイル銅箔の表面は、黒色となり、良好な耐食性とエッチング性を有し、優れた耐常温、高温酸化性能を有し、方面の粗さRz≦2.5μmであり、フレキシブル銅張積層板に適用できる。
【0005】
中国特許出願202210173287.2には、フレキシブル銅張積層板用の反転電解銅箔の表面処理プロセスが開示されており、前記プロセスは、順番に応じて、酸洗浄、粗化I、粗化II、硬化I、硬化II、酸化防止、水洗浄I、水洗浄II、シラン吹き付け及び乾燥を含み、この出願では、実施過程において、二段階の粗化と二段階の硬化の処理方式を用い、処理ステップを簡略化すると同時に、電解銅箔の性能を向上させ、酸化防止プロセスにおいて、ニッケル、コバルトの二種類の金属元素を添加し、亜鉛、ニッケル、コバルトという三種類のイオンの濃度比を制御することで、電解銅箔の耐剥離強度と耐酸化性能を明かに向上した。
【0006】
しかしながら、上記従来の技術において得られた電解銅箔のプロファイルがいずれも比較的に高く、いずれも>2.0μmであり(プロファイルとは、プリント回路基板用の銅箔の規格において、絶縁形成材料との貼り合わせ面とする接合面の表面粗さRzjisを、JIS B0601-2013に従ってTD方向に測定した値により規定した定義を指す)、需要をより良く満たすことができないため、比較的高い耐剥離強度を保証する超低プロファイルの反転銅箔を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術に存在する欠点によれば、本発明の一つの目的は、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスを提供することであり、本発明は、粗化液の配合方法を最適化することで、製造された反転銅箔の比較的高い耐剥離強度を保証すると共に、プロファイルを明かに低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0009】
超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスであって、順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0010】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30-40℃であり、硫酸の濃度が120-180g/Lであり、銅イオンの濃度が8-12g/Lであることである。
(【0011】以降は省略されています)

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