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公開番号2024053480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159794
出願日2022-10-03
発明の名称窒化ケイ素焼結体の製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C04B 35/587 20060101AFI20240408BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】優れた破壊靭性を有する窒化ケイ素焼結体を得ることができる、窒化ケイ素焼結体の製造方法を提供すること。
【解決手段】窒化ケイ素焼結体の製造方法は、JIS R1607に規定する方法に従って測定される破壊靭性が、7.9MPa√m以上である窒化ケイ素焼結体の製造方法であって、以下の工程:ケイ素含有粉末および気孔形成材料を含む混合原料の成形体を脱脂処理して、気孔が形成された脱脂体を得る脱脂工程;および前記脱脂体またはその窒化体を焼結して、緻密な窒化ケイ素焼結体を得る焼結工程;を含み、前記気孔形成材料は、平均粒子径が1μm以上100μm以下であり、前記気孔形成材料の平均粒子径と前記混合原料中の前記気孔形成材料の添加量とを所定の範囲に調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
JIS R1607に規定する方法に従って測定される破壊靭性が、7.9MPa√m以上である窒化ケイ素焼結体の製造方法であって、
以下の工程:
ケイ素含有粉末および気孔形成材料を含む混合原料の成形体を脱脂処理して、気孔が形成された脱脂体を得る脱脂工程;および
前記脱脂体またはその窒化体を焼結して、緻密な窒化ケイ素焼結体を得る焼結工程;
を含み、
前記気孔形成材料は、平均粒子径が1μm以上100μm以下であり、
前記気孔形成材料の平均粒子径が1μm以上10μm以下である場合、前記混合原料中の前記気孔形成材料の添加量は、窒化後の総体積に対して1~56体積%であり、
前記気孔形成材料の平均粒子径が10μm超30μm以下である場合、前記混合原料中の前記気孔形成材料の添加量は、窒化後の総体積に対して1~18体積%であり、
前記気孔形成材料の平均粒子径が30μm超50μm以下である場合、前記混合原料中の前記気孔形成材料の添加量は、窒化後の総体積に対して1~12体積%であり、
前記気孔形成材料の平均粒子径が50μm超100μm以下である場合、前記混合原料中の前記気孔形成材料の添加量は、窒化後の総体積に対して1~6体積%である
ことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記脱脂体は、平均気孔径1μm以上100μm以下の気孔を含む
ことを特徴とする請求項1の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項3】
前記ケイ素含有粉末は、ケイ素、窒化ケイ素、有機ケイ素ポリマーのうちの少なくともいずれか一つを含む
ことを特徴とする請求項1の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項4】
前記混合原料は、焼結助剤を含み、
前記焼結助剤は、酸化マグネシウム、ケイ化マグネシウム、窒化ケイ素マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素から選択された1種または2種以上である
ことを特徴とする請求項1の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項5】
前記混合原料は、焼結助剤として、1種または2種以上の希土類元素化合物を含み、
前記希土類元素化合物は、Y、Sc、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Er、Lu、Ybから選択された元素を含む
ことを特徴とする請求項1の窒化ケイ素焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ケイ素焼結体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器、半導体デバイスの高集積化、高電力化に伴い半導体素子から発生する熱の放熱技術が極めて重要になってきている。このため、電子機器や、半導体デバイスで絶縁部材として用いられる基板等において放熱性に優れた放熱基板が求められている。
【0003】
放熱基板の材料としては、例えば、樹脂や金属、セラミックス等が検討されている。しかしながら、樹脂は、高温下での使用は不可能であり、金属は、セラミックスと比較をすると耐酸化性、耐水性、耐食性に劣る。また、金属は導電性を有するため、絶縁を要する高密度実装基板など高い放熱性を要求される絶縁基板として用いることは困難である。
【0004】
一方、セラミックスは高い耐酸化性、耐水性、耐食性を有しており、アルミナや窒化アルミニウムが放熱基板の材料として汎用的に採用されてきた。特に、窒化アルミニウムは優れた絶縁性と高熱伝導率を合わせ持つことから、パワーモジュール用放熱基板材料として使用されているが、強度・破壊靭性等の機械的特性が低く、その用途は非常に限定的であった。
【0005】
これに対し、窒化ケイ素焼結体は、高い強度と高い靱性を合わせ持つ優れた構造用セラミック材料として広く知られており、単結晶の理論的な熱伝導率は200W/(m・K)と極めて高い。このため、窒化ケイ素焼結体は、放熱基板の材料としての利用が期待されている。
【0006】
例えば、窒化ケイ素基板をパワーモジュールの絶縁放熱基板として使用する際、一般に、金属が直接接合されたメタライズ基板として使用される。金属と窒化ケイ素とでは、熱膨張率差が大きく、温度サイクル環境下で接合部に大きな熱応力が生じるため、温度サイクル下では基板強度の低下が生じやすい。したがって、このような基板の劣化を抑制するために、破壊靭性に優れた窒化ケイ素焼結体を製造する方法が求められている(例えば、非特許文献1)。
【0007】
窒化ケイ素焼結体の製造方法の一つとして、例えば、ケイ素粉末を原料とし、かつ、焼結助剤を添加して、反応焼結と緻密化焼結とを併用するポスト反応焼結法(2段焼結法ともいう)が知られている。典型的には、ポスト反応焼結法は、反応焼結の出発原料であるケイ素粉末に焼結助剤を添加し、ケイ素を窒化させる窒化工程を行った後、更に焼成温度を上げることで緻密化させる焼結工程を行う。
【0008】
例えば、特許文献1には、金属Si、焼結助剤、および、加熱することによって気孔を形成する造孔剤を含む混合物の圧紛体を加熱して、上記圧紛体中の金属Si間に気孔を形成する造孔工程(脱脂工程)と、造孔工程にて得られた、気孔が形成された金属Siおよび焼結助剤を含む多孔体を、窒素雰囲気下にて焼成して反応焼結体を得る窒化工程と、窒化工程での反応焼結体を焼成した窒化温度を超える温度にて反応焼結体を焼成して緻密化し、最終焼結体を得る緻密化工程と、を含む窒化ケイ素焼結体の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2012-180235号公報
【非特許文献】
【0010】
H. Miyazaki et. al. “ Improved resistance to thermal fatigue of active metal brazing substrates for silicon carbide power modules using tough silicon nitrides with high thermal conductivity”Ceram. Int., 44 (2018) 8870-8876.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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