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公開番号2024039976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2022144759
出願日2022-09-12
発明の名称廃コンクリートからのセメント原料回収方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C04B 18/16 20230101AFI20240315BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】廃コンクリートから骨材の混入が抑えられたセメント原料を回収する方法を提供すること。
【解決手段】廃コンクリートを破砕する第1の工程と、
廃コンクリートの破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する第2の工程と、
細粒を乾式比重選別し、重比重物と軽比重物とに選別する第3の工程と、
軽比重物を回収する第4の工程、を含む、
廃コンクリートからのセメント原料回収方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
廃コンクリートを破砕する第1の工程と、
第1の工程で得られた破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する第2の工程と
第2の工程で得られた細粒を乾式比重選別し、重比重物と軽比重物とに選別する第3の工程と
第3の工程で得られた軽比重物を回収する第4の工程
を含む、廃コンクリートからのセメント原料回収方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
第2の工程後、第3の工程前において、第2の工程で得られた粗粒を破砕した後、破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する工程を含む、請求項1記載のセメント原料回収方法。
【請求項3】
第2の工程後、第3の工程前において、第2の工程で得られた粗粒を、目開き5mmの篩を少なくとも用いて2以上の粒群に分級し、粒径5mm以上の粗粒を除く各粒群を乾式比重選別して軽比重物を得、該軽比重物を破砕した後、破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する工程を含む、請求項1記載のセメント原料回収方法。
【請求項4】
第1の工程において、粒径5mm以上の破砕物中のセメントペースト含有率が15質量%以下となるまで破砕する、請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント原料回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃コンクリートからのセメント原料回収方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート建築物等の解体工事に伴って発生する廃コンクリートは、鉄筋等のコンクリート以外の異物を除去した後、粒径が40mmアンダー程度となるまで破砕され、路盤材又は埋戻し材等として活用されていた。しかし、大都市部を中心に廃コンクリートが増加しているのに対し、路盤材等の需要が減少傾向にあるため、破砕後の廃コンクリートを更に磨砕等することで、コンクリート中の骨材に付着しているセメントペーストと骨材とを分離し、この骨材を再生骨材として再利用する試みがなされている。
【0003】
例えば、粒径1000mm以下の廃コンクリートを破砕機及び細破砕機により篩分機を介在させて粒径約5mm以下に粉砕した後、粒径0.5~5mmの粉砕物を比重選別し、粒径0.5mm以下の粉砕物をサイクロンで選別し、高比重物を再生細骨材として回収する方法(特許文献1)、約40mm以下の廃コンクリート破砕物を更に5mm以下に破砕し、これを研磨してモルタルを除去し、被処理物から微粉を除去して再生細骨材として回収する方法(特許文献2)が提案されている。また、廃コンクリートを破砕し、振動篩により粒径5mm未満の砂セメントと粒径5mm以上の砂利砕石分とに選別した後、砂利砕石分を摩鉱してモルタル分を剥離して砂利砕石分とモルタル分との集合体とし、この集合体を比重選別して高比重物を再生骨材として回収するとともに、砂セメントを摩鉱してモルタル分を剥離して砂分とモルタル分との集合体とし、この集合体をスパイラル分級して砂とセメントを回収する方法(特許文献3)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-220192号公報
特開平08-245248号公報
特開平11-314951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した先行技術により回収されるセメント原料には、カルシウムが濃縮しているものの、再生骨材の品位を向上させるために過粉砕されることに起因し、骨材を多く含んでいる。ゆえに、回収されるセメント原料は、アルカリ等量が高くなるため、その再利用が制限されるという課題が存在する。また、再生骨材の普及が進んでいないことから、再生骨材製造工程のみに依存しないセメント原料の回収方法が求められている。
したがって、本発明の課題は、廃コンクリートから骨材の混入が抑えられたセメント原料を回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、セメント原料への骨材の混入を抑制すべく検討した結果、廃コンクリートを破砕し、その破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級し、予めセメントペーストに富む細粒を採取したうえで、その細粒を乾式比重選別して軽比重物を回収することで、廃コンクリートから骨材の混入の抑えられたセメント原料を効率よく回収できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔4〕を提供するものである。
〔1〕廃コンクリートを破砕する第1の工程と、
第1の工程で得られた破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する第2の工程と
第2の工程で得られた細粒を乾式比重選別し、重比重物と軽比重物とに選別する第3の工程と
第3の工程で得られた軽比重物を回収する第4の工程
を含む、廃コンクリートからのセメント原料回収方法。
〔2〕第2の工程後、第3の工程前において、第2の工程で得られた粗粒を破砕した後、破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する工程を含む、前記〔1〕記載のセメント原料回収方法。
〔3〕第2の工程後、第3の工程前において、第2の工程で得られた粗粒を、目開き5mmの篩を少なくとも用いて2以上の粒群に分級し、粒径5mm以上の粗粒を除く各粒群を乾式比重選別して軽比重物を得、該軽比重物を破砕した後、破砕物を、細粒中のセメントペースト含有率が60質量%以上となる分級点で分級する工程を含む、前記〔1〕又は〔2〕記載のセメント原料回収方法。
〔4〕第1の工程において、粒径5mm以上の破砕物中のセメントペースト含有率が15質量%以下となるまで破砕する、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載のセメント原料回収方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、廃コンクリートから骨材の混入が抑えられたセメント原料を効率よく回収することができる。したがって、本発明により回収されたセメント原料は、セメントペースト分が高く、アルカリ等量が低いため、高い原料原単位で再利用することができる。更に、本発明によれば、廃コンクリートから再生骨材として再資源化可能な材料も効率的に回収することができる。したがって、本発明の回収方法は、廃コンクリートの再生方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る回収方法に適用可能なセメント原料回収装置の一実施形態を示す図である。
本発明に係る回収方法に適用可能なセメント原料回収装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら好適な実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係る回収方法に適用可能なセメント原料回収装置の一例を図1に示す。図1に示されるセメント原料回収装置は、廃コンクリートを貯蔵する廃コンクリートホッパと、廃コンコンクリートに熱風を通しながら撹拌して水分量を調整するための乾燥機と、乾燥後の廃コンクリートを破砕する破砕装置と、廃コンクリートの破砕物を分級する分級装置と、分級装置により分離された細粒を乾式比重選別する乾式比重選別装置を備え、破砕装置の下流側には、破砕時に発生するダストを吸引する吸気ファンと、吸引ファンで吸引したダストを選別する吸引風力式比重選別機(サイクロン)が設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

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