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公開番号2024051967
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158378
出願日2022-09-30
発明の名称物質検出装置
出願人国立大学法人北海道大学
代理人弁理士法人ATEN
主分類G01N 31/00 20060101AFI20240404BHJP(測定;試験)
要約【課題】比較的容易に製造可能な物質検出装置を提供する。
【解決手段】紙デバイス1は、試料液300中のカリウムイオン濃度を、テトラフェニルホウ酸イオンとの反応による沈殿物400の生成を利用して検出する装置である。紙デバイス1は、親水性領域1aとその外縁を画定する疎水性領域1bとを有するシート100を備えている。親水性領域1aには、試料液300が供給される試料供給部10と、試料供給部10と連通した試料液300の流路20とが形成されている。流路20は、カリウムイオンと反応して沈殿物400を生成すると共に、沈殿物400により流路20を試料液300が流れにくくするテトラフェニルホウ酸イオンを含んでいる。試料液300が試料供給部10に供給された際に、浸透距離lが当初カリウムイオン濃度に応じて変化する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
親水性領域と当該親水性領域の外縁を画定する疎水性領域とを有するシートを備えており、
前記親水性領域に、水溶液中の被検出物質である第1の物質を含んだ試料液が供給される試料供給部と、前記試料供給部と連通した前記試料液の流路とが形成されており、
前記流路が、前記第1の物質と反応して沈殿物を生成すると共に、前記沈殿物により前記流路を前記試料液が流れにくくする第2の物質を含んでおり、
前記試料液が前記試料供給部に供給された際に、前記試料液が前記試料供給部から最も遠くまで到達する前記流路上の位置から前記試料供給部までの前記流路に沿った距離が、前記試料供給部に供給された前記試料液中の前記第1の物質の量に応じて変化することを特徴とする物質検出装置。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記第1の物質が金属イオンであることを特徴とする請求項1に記載の物質検出装置。
【請求項3】
前記第1の物質がカリウムイオンであり、前記第2の物質がテトラフェニルホウ酸イオンであることを特徴とする請求項2に記載の物質検出装置。
【請求項4】
前記試料供給部に、前記流路を流れる前記試料液と共に前記流路中を移動する色素が含まれていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の物質検出装置。
【請求項5】
前記色素が、前記沈殿物を生成する前の前記第1及び第2の物質のいずれとも反応しないことを特徴とする請求項4に記載の物質検出装置。
【請求項6】
前記色素が、前記沈殿物に対する吸着指示薬であることを特徴とする請求項4に記載の物質検出装置。
【請求項7】
前記流路が、前記試料液に含まれる第3の物質との反応により発色を生じる1又は複数の物質を含んでいることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の物質検出装置。
【請求項8】
前記第1の物質がカリウムイオンであり、前記第2の物質がテトラフェニルホウ酸イオンであり、前記第3の物質が亜硝酸イオン及びリン酸イオンの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の物質検出装置。
【請求項9】
前記流路が、前記試料液のpHに応じた発色を生じる第4の物質を含んでいることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の物質検出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを使用した物質検出装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、物質を検出する装置として、親水性領域及び疎水性領域を有するシート状の装置がある。例えば、親水性領域として試料液が浸透又は流れる領域(流路)を限定するために、ワックスのような疎水性物質を用いてシート上にパターンを描く。そして、親水性領域にあらかじめ染み込ませた試薬と親水性領域に導入した試料液とを反応させて発色させる装置が開発されている。非特許文献1~3はこのような技術の一例に関する。これらの文献において、被検出物質はカリウムイオンであり、カリウムイオンに対する選択性を有するイオノフォアであるバリノマイシンが用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Gerold, C. T.; Bakker, E.; Henry, C. S. Selective Distance-Based K+ Quantification on Paper-Based Microfluidics. Anal. Chem. 2018, 90 (7), 4894-4900.
Soda, Y.; Citterio, D.; Bakker, E. Equipment-Free Detection of K+ on Microfluidic Paper-Based Analytical Devices Based on Exhaustive Replacement with Ionic Dye in Ion-Selective Capillary Sensors. ACS Sensors 2019, 4 (3), 670-677.
Lookadoo, D. B.; Schonhorn, J. E.; Harpaldas, H.; Uherek, C. M.; Schatz, P.; Lindgren, A.; Depa, M.; Kumar, A. A. Paper-Based Optode Devices (PODs) for Selective Quantification of Potassium in Biological Fluids. Anal. Chem. 2021, 93 (27), 9383-9389.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1~3によると、被検出物質に対してイオノフォアとして機能する特殊な物質を検出試薬に使用することが必須となる。また、このような特殊な物質の中には、高価であり容易に調達できないものもある。したがって、試薬の確保が容易でなく、それによって、装置の製造が困難になるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、比較的容易に製造可能な物質検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明1の物質検出装置は、親水性領域と当該親水性領域の外縁を画定する疎水性領域とを有するシートを備えており、前記親水性領域に、水溶液中の被検出物質である第1の物質を含んだ試料液が供給される試料供給部と、前記試料供給部と連通した前記試料液の流路とが形成されており、前記流路が、前記第1の物質と反応して沈殿物を生成すると共に、前記沈殿物により前記流路を前記試料液が流れにくくする第2の物質を含んでおり、前記試料液が前記試料供給部に供給された際に、前記試料液が前記試料供給部から最も遠くまで到達する前記流路上の位置から前記試料供給部までの前記流路に沿った距離が、前記試料供給部に供給された前記試料液中の前記第1の物質の量に応じて変化する。
【0007】
流路に含まれる第2の物質は、被検出物質である第1の物質と反応して沈殿物を生じ、これによって流路を試料液が流れにくくする作用を有する。これにより、試料液が試料供給部から最も遠くまで到達する流路上の位置が、試料液中に当初含まれた第1の物質の量に応じて変化するように装置が構成されている。したがって、試料液が最も遠くまで到達する位置に基づいて試料液に当初含まれていた第1の物質の量を評価できる。
【0008】
本発明1では、検出試薬である第2の物質が第1の物質と反応して沈殿物を生じるものであればよい。このような機能を有する試薬は比較的確保が容易である。このため、装置の製造が比較的容易である。
【0009】
また、本発明2においては、上記本発明1に加えて、前記第1の物質が金属イオンであることが好ましい。これによると、試料液中の金属イオンの検出が可能になる。
【0010】
また、本発明3においては、上記本発明2に加えて、前記第1の物質がカリウムイオンであり、前記第2の物質がテトラフェニルホウ酸イオンであることが好ましい。これによると、試料液中のカリウムイオンの検出が可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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