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公開番号2024093711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210254
出願日2022-12-27
発明の名称分析方法
出願人月島食品工業株式会社
代理人個人
主分類G01N 30/88 20060101AFI20240702BHJP(測定;試験)
要約【課題】遊離脂肪酸、及び脂肪酸エステルを含む脂質の遊離脂肪酸由来の脂肪酸組成及び、脂肪酸エステル由来の脂肪酸組成を、同時に分析できる方法を提供する。
【解決手段】脂質を疎水性溶媒に溶解する溶解工程S1と、溶解液に、水酸化アルカリ金属物、水酸化アルカリ土類金属物及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれるアルカリ性触媒、及び炭素数1~4のアルコール溶液を添加して混合液を調製し、混合液を疎水性溶媒層と親水性溶媒層の二層に分離するとともに、遊離脂肪酸を脂肪酸アルカリ塩として親水性溶媒層に抽出し、脂肪酸エステルを低級アルキルエステル化して疎水性溶媒層に抽出する第一抽出工程S2と、混合液に酸性水溶液をさらに添加して、脂肪酸アルカリ塩を中和して遊離脂肪酸として疎水性溶媒層に抽出する第二抽出工程S3と、疎水性溶媒層を採取する分離工程S4と、ガスクロマトグラフィーに供するGC工程S5と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
遊離脂肪酸(a)と、脂肪酸エステル(b)とを含む脂質の分析方法であって、
前記脂質を疎水性溶媒に溶解し、溶解液を得る溶解工程と、
当該溶解液に、水酸化アルカリ金属物、水酸化アルカリ土類金属物及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1つ以上のアルカリ性触媒、及び炭素数1~4のアルコール溶液を添加して混合液を調製し、当該混合液を疎水性溶媒層と親水性溶媒層の二層に分離するとともに、前記遊離脂肪酸(a)を脂肪酸アルカリ塩(a’)として当該親水性溶媒層に抽出し、前記脂肪酸エステル(b)を低級アルキルエステル化して脂肪酸低級アルキルエステル(b’)として当該疎水性溶媒層に抽出する第一抽出工程と、
前記混合液に酸性水溶液をさらに添加して、前記脂肪酸アルカリ塩(a’)を中和して遊離脂肪酸(a)として前記疎水性溶媒層に抽出する第二抽出工程と、
前記疎水性溶媒層を採取して、前記遊離脂肪酸(a)及び前記脂肪酸低級アルキルエステル(b’)を含む抽出溶液を得る分離工程と、
前記抽出溶液をガスクロマトグラフィーに供するGC工程と、
を含み、
前記GC工程において、前記遊離脂肪酸(a)を構成する脂肪酸、及び前記脂肪酸エステル(b)を構成する脂肪酸を同時に分析する、分析方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の分析方法であって、
前記炭素数1~4のアルコール溶液はメタノール溶液である、分析方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の分析方法であって、
前記疎水性溶媒は、脂肪族炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル溶媒、及び有機酸アルキルエステル溶媒からなる群から選択される1種又は2種以上である、分析方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の分析方法であって、
前記酸性水溶液は、硫酸、塩酸、硝酸、及びリン酸からなる群から選択される1種又は2種以上を含む水溶液である、分析方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の分析方法であって、
前記ガスクロマトグラフィーは、固定相としてニトロテレフタル酸により修飾されたポリエチレングリコールを用いる、分析方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の分析方法であって、
前記GC工程において、前記抽出溶液を前記ガスクロマトグラフィーにインジェクションした後に、以下の段階1及び段階2を連続に備える、分析方法。
段階1:カラム温度を上昇する
段階2:段階1で到達した温度を保持する
【請求項7】
請求項6に記載の分析方法であって、
前記段階1及び段階2の後に、以下の段階3及び段階4を連続に備えることを特徴とする、分析方法。
段階3:前の段階の温度からさらに温度を上昇する
段階4:段階3で到達した温度を保持する
【請求項8】
請求項7に記載の分析方法であって、
段階3及び段階4を続けて2以上繰り返す、分析方法。
【請求項9】
請求項6に記載の分析方法であって、
前記遊離脂肪酸(a)に由来する成分と、前記脂肪酸エステル(b)に由来する成分とのリテンションタイムの差が0.8分以上となるように、段階1及び/又は段階2のカラム温度及び/又は昇温速度を調整する、分析方法。
【請求項10】
請求項7に記載の分析方法であって、
前記遊離脂肪酸(a)に由来する成分と、前記脂肪酸エステル(b)に由来する成分とのリテンションタイムの差が0.8分以上となるように、段階1~段階4から選ばれる1又は2以上の段階の、カラム温度及び/又は昇温速度を調整する、分析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分析方法に関する。より詳細には、遊離脂肪酸と、脂肪酸エステルとを含む脂質の遊離脂肪酸を構成する脂肪酸、及び脂肪酸エステルを構成する脂肪酸を同時に分析する分析方法に関する
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
油脂に含有される脂肪酸は、通常、トリアシルグリセロールに代表される脂肪酸エステル、又は遊離脂肪酸の形態で存在する。
食用に供される精製動植物油脂はアシルグリセロールが大半を占め、遊離脂肪酸はわずかに存在するに過ぎないが、特に未精製の動植物油脂には遊離脂肪酸が多く含まれる場合があり、また、水の存在下で加熱されるなど化学的な要因、酵素や微生物の存在など生物学的な要因でアシルグリセロールが加水分解され、遊離脂肪酸が増加する場合もある。
【0003】
ところで、脂肪酸組成を分析する方法としてはガスクロマトグラフィーが使用される。その場合には、脂肪酸の飽和蒸気圧を上げる目的で、ガスクロマトグラフィーによる分析に先立ち、脂肪酸を低級アルキルエステル化する方法が一般的である。例えば特許文献1の実施例には、脂質組成物の脂肪酸をメチルエステル化して得た試料をGC-FID(水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)により分析したことが開示されている。詳細には、脂質を濃縮乾固し、メタノールと1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて脂肪酸成分をメチルエステルへと変換し、その後、1規定の塩酸により中和した後、クロロホルムにより脂肪酸メチルエステルを抽出し、GC-FIDにより分析している。
【0004】
一方、脂肪酸エステル由来の脂肪酸組成、遊離脂肪酸由来の脂肪酸組成のそれぞれを分析する方法としては、薄層クロマトグラフィーやカラムクロマトグラフィーなどで脂肪酸エステルと遊離脂肪酸を分画した後に、それぞれを低級アルキルエステル化し、それぞれをガスクロマトグラフィー分析に供することで分析を行うのが一般的であった。例えば非特許文献1では、牛肉試料からFolch法で総脂質を抽出し、これをシリカゲルを充てんしたガラスカラムにて、コレステロールエステル画分、トリアシルグリセロール画分、遊離脂肪酸画分を順次溶出させた後、各脂質クラスから三フッ化ホウ素-メタノール法で脂肪酸メチルエステルを調整し、ガスクロマトグラフで脂肪酸組成分析を行っている。
【0005】
非特許文献2では、粗米油中の遊離脂肪酸を触媒縮合により脂肪酸N,N-ジメチルアミドに選択的に誘導化した後に、脂肪酸エステルをアルカリ金属アルコキシドとメタノールで脂肪酸メチルエステルに誘導化し、得られた脂肪酸N,N-ジメチルアミドと脂肪酸メチルエステルを同時にガスクロマトグラフィーにて分析することにより、粗米油中の遊離脂肪酸の脂肪酸組成及び脂肪酸エステル由来の脂肪酸組成それぞれを求めることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-509号公報
【非特許文献】
【0007】
平成23年度 食肉に関する助成研究調査成果報告書(Vol.30)公益財団法人伊藤記念財団:p68-75
Journal of American Oil Chemists’Society(2021)98:p.149-155
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されるような技術は、アルカリ性触媒を用いて低級アルキルエステル化をするものであるため、脂肪酸エステル由来の脂肪酸のみが低級アルキルエステル化され、遊離脂肪酸由来の脂肪酸組成を特定することはできなかった。また一方で、酸触媒を用いて遊離脂肪酸を低級アルキルエステル化する方法も一般的に行われるが、この場合も、遊離脂肪酸由来の脂肪酸組成を特定するためには、脂肪酸エステルと遊離脂肪酸を事前に分離する必要があった。
また、非特許文献1に開示される方法では、操作が煩雑である上に、特に鎖長差のある脂肪酸が混在する組成の場合には脂質クラス間での分画の精度が問題となる。また非特許文献2に開示される方法では、誘導体化を2回に分けて行うため、操作が煩雑であり、それ故、定量値の正確性において改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、脂肪酸エステルと遊離脂肪酸とを含む脂質の脂肪酸分析を同時に行いつつ、分析精度を向上すべく、鋭意検討を行った。その結果、脂肪酸のアルキルエステル化に用いる試薬として特定のアルカリ性触媒及び炭素数1~4のアルコール溶液を用いることで脂肪酸エステル由来の脂肪酸のみを低級アルキルエステル化し、その後、酸により中和して遊離脂肪酸を疎水性溶媒層に回収し、脂肪酸エステル由来の低級アルキルエステル及び遊離脂肪酸を同時にガスクロマトグラフィーにより分離、定量することが有効であるという知見を得、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、以下の遊離脂肪酸と、脂肪酸エステルとを含む脂質を構成する脂肪酸の分析方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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