TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024050218
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156940
出願日2022-09-29
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E03D 1/28 20060101AFI20240403BHJP(上水;下水)
要約【課題】壁の裏側又はキャビネット内に配置される貯水タンクの容量の確保と、ポンプ装置及びその周辺機器のメンテナンス性の確保とを両立させることができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、汚物を受ける汚物受け面10と、この汚物受け面の上縁に形成されるリム部12と、を含むボウル部14と、このボウル部内の汚物を排出する排水流路16と、ボウル部及び排水流路の外側から取り囲むスカート部18と、を備えた便器本体2と、洗浄水を貯留する貯水タンク4を備えたタンク装置6と、貯水タンクから供給される洗浄水を加圧して便器本体のボウル部に供給するポンプ装置8と、を有し、貯水タンクは、便器本体の後方に配置された壁Wの裏側又はキャビネットC内に隠蔽されることにより便器本体の外部に配置されている一方、ポンプ装置8は、便器本体のスカート部よりも内側に配置されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物を受ける汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に形成されるリム部と、を含むボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水流路と、上記ボウル部及び上記排水流路の外側から取り囲むスカート部と、を備えた便器本体と、
洗浄水を貯留する貯水タンクを備えたタンク装置と、
上記貯水タンクから供給される洗浄水を加圧して上記便器本体のボウル部に供給するポンプ装置と、を有し、
上記貯水タンクは、上記便器本体の後方に配置された壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽されることにより上記便器本体の外部に配置されている一方、上記ポンプ装置は、上記便器本体のスカート部よりも内側に配置されていることを特徴とする水洗大便器。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
上記貯水タンクの下端位置は、上記便器本体のリム部の上面よりも下方の位置に設定されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
上記スカート部は、上記便器本体の背面側に設けられた後壁部と、この後壁部を前後方向に貫く便器側開口部と、を備えており、
上記貯水タンクは、上記便器本体の後方側から上記便器側開口部に向かって差し向けられて上記貯水タンク内の洗浄水を上記便器本体側に供給する供給口を備えており、
上記水洗大便器は、さらに、上記貯水タンクの供給口と上記ポンプ装置とを接続する通水部材を有し、この通水部材は、上記便器側開口部を経由するように配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記水洗大便器は、さらに、上記ポンプ装置を制御する制御装置を有し、この制御装置は、上記便器本体に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項5】
上記水洗大便器は、さらに、上記便器本体の上面後方に設けられ且つ便器使用者の局部に対して洗浄水を噴射して洗浄する局部洗浄装置を有し、この局部洗浄装置は、その外郭を形成する外郭部を備えており、
上記貯水タンク内の洗浄水のオーバーフロー水位は、上記便器本体のリム部の上面よりも高い位置に設定され、かつ、上記局部洗浄装置の外郭部の上端よりも低い位置に設定されている請求項3記載の水洗大便器。
【請求項6】
上記水洗大便器は、さらに、上記便器本体の後方に位置する壁の裏側又はキャビネット内に配置され且つ上記便器本体及び上記タンク装置を固定するフレーム部を有する壁掛式の水洗大便器であり、上記便器本体の排水流路は、その下流側が上記壁の裏側又は上記キャビネット内に差し向けられており、上記貯水タンクは、上記排水流路よりも上方に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項7】
上記タンク装置は、さらに、上記貯水タンクと上記便器本体とを接続し且つ上記貯水タンクからオーバーフローした洗浄水を通水させるオーバーフロー経路を備えており、このオーバーフロー経路は、上記貯水タンク側に接続された上流端と、上記便器本体側に接続された下流端と、を備えており、上記貯水タンクからオーバーフローした洗浄水を上記上流端から上記便器側開口部を経由して上記下流端から上記便器本体まで通水させる請求項5記載の水洗大便器。
【請求項8】
上記便器本体又は上記局部洗浄装置の後方に配置された上記壁又は上記キャビネットの前壁には、点検用開口部が設けられており、上記通水部材又は上記オーバーフロー経路は、上記点検用開口部を経由するように配置されている請求項7記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、貯水タンクに貯留された洗浄水をポンプ装置によって便器本体に加圧して便器洗浄を行う、いわゆる、「ポンプ式の水洗大便器」が知られている。
上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、貯水タンク及びポンプ装置のそれぞれが、便器本体の後方に配置された壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽されることにより便器本体の外部に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-199996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の水洗大便器においては、貯水タンク及びポンプ装置が便器本体の後方の壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽されるため、貯水タンクの容量を確保しつつ、ポンプ装置の配置スペースを確保するためには、壁の裏側又はキャビネット内のスペースをある程度大きく確保しなければならないという問題がある。
また、洗浄水を貯留する貯水タンクは比較的長寿命であるが、ポンプ装置やその駆動部を制御する制御装置等の関連機器においては、技術進歩が大きく、定期的なメンテナンスや、部品や機器の取り替えが必要であるため、ポンプ装置やその周辺機器(制御装置等)が壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽されていると、メンテナンス性が損なわれるという問題がある。
したがって、いかに、壁の裏側又はキャビネット内に配置される貯水タンクの容量を確保しつつ、ポンプ装置及びその周辺機器のメンテナンス性を確保するかが、近年要請されている課題となっている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、壁の裏側又はキャビネット内に配置される貯水タンクの容量の確保と、ポンプ装置及びその周辺機器のメンテナンス性の確保とを両立させることができるポンプ式の水洗大便器を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、汚物を受ける汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に形成されるリム部と、を含むボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水流路と、上記ボウル部及び上記排水流路の外側から取り囲むスカート部と、を備えた便器本体と、洗浄水を貯留する貯水タンクを備えたタンク装置と、上記貯水タンクから供給される洗浄水を加圧して上記便器本体のボウル部に供給するポンプ装置と、を有し、上記貯水タンクは、上記便器本体の後方に配置された壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽されることにより上記便器本体の外部に配置されている一方、上記ポンプ装置は、上記便器本体のスカート部よりも内側に配置されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、タンク装置の貯水タンクを便器本体の後方に配置された壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽することにより便器本体の外部に配置する一方、ポンプ装置を便器本体のスカート部よりも内側に配置することができた。
これにより、便器本体のデザイン性を損なうことなく、便器本体の後方の壁の表側又はキャビネットの外部のスペース(便器本体の後方かつ上方のスペース等)を確保することができるため、これらのスペースについて、例えば、窓や飾り棚等を設置するスペースとして活用することができる等、水洗大便器の周辺スペースにおけるレイアウトの自由度を高めることができる。
また、タンク装置の貯水タンクを便器本体の後方の壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽して便器本体の外部に配置し、ポンプ装置を便器本体のスカート部よりも内側に配置したことにより、ポンプ装置をタンク装置の貯水タンクと共に壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽した場合に比べて、ポンプ装置が占有するスペース分だけ、壁の厚み又はキャビネット内のスペースを抑制しつつ、貯水タンクの容量を大きく確保することができる。
さらに、ポンプ装置を便器本体の後方の壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽してしまうと、ポンプ装置やその周辺機器に対する点検や部品交換等のメンテナンス時にアクセスがし難くなるが、便器本体のスカート部よりも内側のスペースにポンプ装置を配置したことにより、壁の表側又はキャビネットの外部でポンプ装置やその周辺機器に容易にアクセスがし易くなるため、メンテナンス性を向上させることができる。
したがって、貯水機能を損ない難く、長寿命なタンク装置の貯水タンクについては壁の裏側又はキャビネット内に配置する一方、貯水タンクに比べて技術進歩が大きく、点検や部品交換等のメンテナンス頻度が高いポンプ装置については、便器本体内の一部に配置することができた。
これによりに、壁の裏側又はキャビネット内に配置される貯水タンクの容量の確保と、便器本体側におけるポンプ装置及びその周辺機器のメンテナンス性の確保とを両立させることができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記貯水タンクの下端位置は、上記便器本体のリム部の上面よりも下方の位置に設定されている。
このように構成された本発明においては、便器本体の後方に配置された壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽された従来の貯水タンクでは、その内部の洗浄水について重力(位置エネルギー)を利用して下流側(便器本体側)に供給する、いわゆる、「重力給水式の貯水タンク」が採用されていたため、貯水タンク内の洗浄水の重力(位置エネルギー)の作用を発揮させるために、貯水タンク内の水位(例えば、貯水タンク内の待機時の水位等)を可能な限り高く設定すべく、貯水タンクの下端位置を便器本体のリム部の上面よりも上方の位置に設定していた。
これに対し、本発明では、ポンプ装置により貯水タンクから供給される洗浄水を加圧して便器本体のボウル部に供給する、いわゆる、「ポンプ式の貯水タンク」が採用されていることにより、貯水タンクの下端位置を便器本体のリム部の上面よりも下方の位置に設定することができる。
したがって、便器本体の上方のスペース等について、より大きく確保することができ、有効的に活用することができる。
また、貯水タンクの下端位置が便器本体のリム部の上面よりも下方の位置に設定されていることにより、貯水タンク内の洗浄水の重力(位置エネルギー)の作用が発揮し難い状況であっても、ポンプ装置の加圧力により貯水タンク内の洗浄水を便器本体のボウル部に十分に供給することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記スカート部は、上記便器本体の背面側に設けられた後壁部と、この後壁部を前後方向に貫く便器側開口部と、を備えており、上記貯水タンクは、上記便器本体の後方側から上記便器側開口部に向かって差し向けられて上記貯水タンク内の洗浄水を上記便器本体側に供給する供給口を備えており、上記水洗大便器は、さらに、上記貯水タンクの供給口と上記ポンプ装置とを接続する通水部材を有し、この通水部材は、上記便器側開口部を経由するように配置されている。
このように構成された本発明においては、便器本体のスカート部の背面側の後壁部に対して、前後方向に貫く便器側開口部を設けることができると共に、貯水タンク内の洗浄水を便器本体側に供給する貯水タンクの供給口について、便器本体の後方側から便器側開口部に向かって差し向けるように設けることができた。また、貯水タンクの供給口とポンプ装置とを接続する通水部材について、便器本体の便器側開口部を経由するように配置することができた。
また、貯水タンクの供給口が便器側開口部に向かって差し向けられていることにより、貯水タンクの供給口とポンプ装置とを接続する通水部材が迂回するような無駄なスペースを削減し、最短経路で貯水タンクの供給口とポンプ装置とを接続することができる。
したがって、貯水タンクの容量を確保することができると共に、通水部材の流路長による圧力損失を低減することができるため、貯水タンク内の洗浄水をポンプ装置により効率よく便器本体のボウル部に供給することができる。
なお、通水部材については、ポンプ装置に対して一体に設けられていてもよい。これにより、通水部材とポンプ装置との接続部において必要となる保持部材(ホースクランプ等)が不要となる。よって、貯水タンクとポンプ装置とを前後方向の距離が最短になるように接続することができるため、水洗大便器の前出寸法を抑制することができる。
したがって、水洗大便器の周辺スペースにおけるレイアウトの自由度を高めることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記水洗大便器は、さらに、上記ポンプ装置を制御する制御装置を有し、この制御装置は、上記便器本体に配置されている。
このように構成された本発明においては、貯水機能を損ない難く、長寿命なタンク装置の貯水タンクについては壁の裏側又はキャビネット内に配置する一方、貯水タンクに比べて技術進歩が大きく、点検や部品交換等のメンテナンス頻度が高いポンプ装置及び制御装置については、便器本体内の一部に配置することができた。
これにより、便器本体側におけるポンプ装置、制御装置、及び、それらの周辺機器のメンテナンス性を向上させることができる。
また、ポンプ装置や制御装置をタンク装置の貯水タンクと共に壁の裏側又はキャビネット内に隠蔽した場合に比べて、ポンプ装置や制御装置が占有するスペース分だけ、壁の厚み又はキャビネット内のスペースを抑制しつつ、貯水タンクの容量を大きく確保することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記水洗大便器は、さらに、上記便器本体の上面後方に設けられ且つ便器使用者の局部に対して洗浄水を噴射して洗浄する局部洗浄装置を有し、この局部洗浄装置は、その外郭を形成する外郭部を備えており、上記貯水タンク内の洗浄水のオーバーフロー水位は、上記便器本体のリム部の上面よりも高い位置に設定され、かつ、上記局部洗浄装置の外郭部の上端よりも低い位置に設定されている。
このように構成された本発明においては、仮に、貯水タンク内の洗浄水のオーバーフロー水位が便器本体のリム部の上面よりも低い位置に設定されている場合、例えば、便器本体側で詰まりが発生すると、便器本体側が満水になる前に、便器本体の後方の壁の裏側又はキャビネット内において、貯水タンク内の洗浄水がオーバーフロー水位を超えて機外漏水が発生する可能性がある。
また、貯水タンク内の洗浄水のオーバーフロー水位が、局部洗浄装置の外郭部の上端よりも高い位置に設定されている場合、便器本体側で詰まりが発生すると、便器本体側が満水となり、便器本体内の洗浄水がリム部の上面から溢れるため、使用者は便器本体側の漏水に気づくことができるが、このような漏水が局部洗浄装置の外郭部の上端を超えるようになると、局部洗浄装置の外郭部の上端よりも上方のスペースに窓や飾り棚等を設置することができなくなる可能性がある。
そこで、本発明においては、貯水タンク内の洗浄水のオーバーフロー水位が便器本体のリム部の上面よりも高い位置に設定され、かつ、局部洗浄装置の外郭部の上端よりも低い位置に設定されているため、便器本体側で詰まりが発生して便器本体内の洗浄水がリム部の上面から溢れた場合には、使用者が便器本体側の漏水に気づくことができると共に、局部洗浄装置の外郭部の上端よりも上方のスペースに窓や飾り棚等を設置することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
衛生洗浄装置
14日前
TOTO株式会社
擬音発生装置
6日前
TOTO株式会社
トイレシステム
1か月前
TOTO株式会社
トイレシステム
1か月前
TOTO株式会社
トイレシステム
1か月前
TOTO株式会社
先止め式の電気温水器
1か月前
TOTO株式会社
トイレ装置及び便座装置
1か月前
TOTO株式会社
トイレ装置及び排泄物分析システム
1か月前
TOTO株式会社
パッキン及びそれを備えた水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
排泄情報処理装置、プログラム及びシステム
1か月前
TOTO株式会社
水密接続構造、及びそれを備えた水洗大便器
1か月前
TOTO株式会社
排泄情報処理装置、プログラム及びシステム
1か月前
TOTO株式会社
水まわり機器管理システム
27日前
TOTO株式会社
浴室制御装置および浴室制御システム
1か月前
丸一株式会社
排水部材
9日前
個人
便器洗浄タンク装置
1か月前
丸一株式会社
排水栓装置
1か月前
丸一株式会社
排水装置
14日前
個人
シャワーヘッド固定装置
28日前
株式会社KVK
水栓
1か月前
株式会社KVK
水栓
1か月前
株式会社KVK
水栓
1か月前
レック株式会社
薬液供給器
1か月前
株式会社KVK
センサユニット
29日前
株式会社KVK
センサユニット
29日前
株式会社KVK
センサユニット
29日前
株式会社テイエルブイ
フロート式逆流防止弁
1日前
株式会社KVK
センサユニット
29日前
株式会社KVK
水栓及びガイド部材
1か月前
株式会社サワヤ
逆流防止具及び逆流防止方法
2日前
続きを見る