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公開番号2024050122
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156772
出願日2022-09-29
発明の名称単結晶の育成方法、半導体基板の製造方法、及び半導体基板
出願人株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
代理人弁理士法人平田国際特許事務所
主分類C30B 29/16 20060101AFI20240403BHJP(結晶成長)
要約【課題】酸素雰囲気下で酸化ガリウム系半導体の単結晶を育成する方法であって、育成した単結晶を用いて製造するデバイスの特性への影響を抑えるために、単結晶中のボイドの状態を制御することのできる単結晶の育成方法、その育成方法により育成された単結晶を用いる半導体基板の製造方法、及びその製造方法により製造された半導体基板を提供する。
【解決手段】一実施の形態として、酸化ガリウム系半導体の単結晶の育成方法であって、単結晶の原料が溶融した融液から、酸化性雰囲気下で単結晶を成長させる工程を含み、単結晶のSi濃度とSn濃度の相対値により、単結晶中のボイドの密度と平均長さを制御する、単結晶の育成方法を提供する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
酸化ガリウム系半導体の単結晶の育成方法であって、
前記単結晶の原料が溶融した融液から、酸化性雰囲気下で前記単結晶を成長させる工程を含み、
前記単結晶のSi濃度とSn濃度の相対値により、前記単結晶中のボイドの密度と平均長さを制御する、
単結晶の育成方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、
請求項1に記載の単結晶の育成方法。
【請求項3】
前記Si濃度を4.0×10
18
cm
-3
未満、前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、
請求項1に記載の単結晶の育成方法。
【請求項4】
酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる半導体基板の製造方法であって、
前記単結晶の原料が溶融した融液から、酸化性雰囲気下で前記単結晶を成長させる工程と、
前記単結晶から前記半導体基板を切り出す工程と、
を含み、
前記単結晶のSi濃度とSn濃度の相対値により、前記単結晶中のボイドの密度と平均長さを制御する、
半導体基板の製造方法。
【請求項5】
前記ボイドが前記半導体基板の両主面の間を貫通することを抑えるために、前記半導体基板の厚さ及び面方位に応じて前記ボイドの平均長さを制御する、
請求項4に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項6】
前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、
請求項4又は5に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項7】
前記Si濃度を4.0×10
18
cm
-3
未満、前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、
請求項4又は5に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項8】
酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる半導体基板であって、
Si濃度からSn濃度を引いた値が-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内にあり、
密度と平均長さがそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内にあるボイドを含む、
半導体基板。
【請求項9】
両主面の間を前記ボイドが貫通していない、
請求項8に記載の半導体基板。
【請求項10】
前記Si濃度が2×10
17
cm
-3
より高く、前記Sn濃度が2×10
16
cm
-3
より高い、
請求項8又は9に記載の半導体基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶の育成方法、半導体基板の製造方法、及び半導体基板に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、酸化ガリウム単結晶を垂直ブリッジマン法(VB法)により育成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的に、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固(VGF)法による酸化ガリウム系半導体の単結晶の育成は、Pt系材料からなる坩堝の破損防止などのために、酸化性雰囲気下で実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-164415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
酸化ガリウム系半導体の融液成長においては、融液がGa

OガスとO

ガスに分解されやすく、それらが育成中の結晶に取り込まれると、ボイドが形成されてしまう。また、融液中と結晶中の酸素の固溶限界の差に起因して固液界面に吐き出される酸素がバブルを形成し、このバブルが成長する結晶に取り込まれてボイドとなる場合もある。育成した酸化ガリウム系半導体の結晶を用いてデバイスを製造する場合、ボイドはデバイス特性に影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
例えば、酸化ガリウム系半導体と同じ高融点酸化物であるサファイアの結晶を育成する場合、還元性ガスを用いることで結晶中のボイドの密度を低減できることが知られている。しかしながら、上述のようにVB法などによる酸化ガリウム系半導体の結晶の育成は酸化性雰囲気下で実施する必要があり、還元性ガスを用いてボイドの密度を低減することはできない。
【0006】
本発明の目的は、酸素雰囲気下で酸化ガリウム系半導体の単結晶を育成する方法であって、育成した単結晶を用いて製造するデバイスの特性への影響を抑えるために、単結晶中のボイドの状態を制御することのできる単結晶の育成方法、その育成方法により育成された単結晶を用いる半導体基板の製造方法、及びその製造方法により製造された半導体基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記の単結晶の育成方法、半導体基板の製造方法、及び半導体基板を提供する。
【0008】
[1]酸化ガリウム系半導体の単結晶の育成方法であって、前記単結晶の原料が溶融した融液から、酸化性雰囲気下で前記単結晶を成長させる工程を含み、前記単結晶のSi濃度とSn濃度の相対値により、前記単結晶中のボイドの密度と平均長さを制御する、単結晶の育成方法。
[2]前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、上記[1]に記載の単結晶の育成方法。
[3]前記Si濃度を4.0×10
18
cm
-3
未満、前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、上記[1]に記載の単結晶の育成方法。
[4]酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる半導体基板の製造方法であって、前記単結晶の原料が溶融した融液から、酸化性雰囲気下で前記単結晶を成長させる工程と、前記単結晶から前記半導体基板を切り出す工程と、を含み、前記単結晶のSi濃度とSn濃度の相対値により、前記単結晶中のボイドの密度と平均長さを制御する、半導体基板の製造方法。
[5]前記ボイドが前記半導体基板の両主面の間を貫通することを抑えるために、前記半導体基板の厚さ及び面方位に応じて前記ボイドの平均長さを制御する、上記[4]に記載の半導体基板の製造方法。
[6]前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、上記[4]又は[5]に記載の半導体基板の製造方法。
[7]前記Si濃度を4.0×10
18
cm
-3
未満、前記Si濃度から前記Sn濃度を引いた値を-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内で調整することにより、前記ボイドの密度と平均長さをそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内で制御する、上記[4]又は[5]に記載の半導体基板の製造方法。
[8]酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる半導体基板であって、Si濃度からSn濃度を引いた値が-2.8×10
18
~3.0×10
18
cm
-3
の範囲内にあり、密度と平均長さがそれぞれ56~57000cm
-2
、14~85μmの範囲内にあるボイドを含む、半導体基板。
[9]両主面の間を前記ボイドが貫通していない、上記[8]に記載の半導体基板。
[10]前記Si濃度が2×10
17
cm
-3
より高く、前記Sn濃度が2×10
16
cm
-3
より高い、上記[8]又は[9]に記載の半導体基板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、酸素雰囲気下で酸化ガリウム系半導体の単結晶を育成する方法であって、育成した単結晶を用いて製造するデバイスの特性への影響を抑えるために、単結晶中のボイドの状態を制御することのできる単結晶の育成方法、その育成方法により育成された単結晶を用いる半導体基板の製造方法、及びその製造方法により製造された半導体基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、VB法において用いられる単結晶育成装置の構成を概略的に示す垂直断面図である。
図2は、本実施の形態に係る(010)面を主面とする半導体基板の断面の光学顕微鏡による観察画像である。
図3は、本実施の形態に係る4種の半導体基板の断面の光学顕微鏡による観察画像である。
図4は、ドーパントであるSi、Snの濃度と半導体基板中のボイドの密度との関係を示すグラフである。
図5は、ドーパントであるSi、Snの濃度と半導体基板中のボイドの平均長さとの関係を示すグラフである。
図6は、半導体基板中のボイドの密度と平均長さとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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