発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、3C-SiC単結晶エピタキシャル基板の製造方法、3C-SiC自立基板の製造方法、及び3C-SiC単結晶エピタキシャル基板に関する。 続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】 【0002】 SiCは、2.2~3.3eVという広いバンドギャップを有することから高い絶縁破壊強度を有し、また熱伝導率も大きいためパワーデバイスや高周波用デバイスなどの各種半導体デバイス用の半導体材料として期待されている材料である。またSiCは結晶構造が異なる3C、4H、6Hなどが知られているが、3Cは立方晶であり、デバイスでは方位依存性がなく有望な材料として知られている。 【0003】 このような背景から、3C-SiC成長は古くから研究されており、バルク成長(非特許文献1および2)やヘテロエピタキシャル成長(非特許文献3:初期のヘテロエピタキシャル成長、特許文献1から5には、最近のシリコン基板上へのヘテロエピタキシャル成長について)が知られている。 【0004】 これらの先行研究・特許をまとめると、(1)バルク成長は高温が必要(>1500℃)であり、デバイスに適応するような大口径化は非常に難しい、(2)一方、エピタキシャル成長では、4Hや6Hのような高温(>1500℃)を必要とせず、およそ1100℃の温度で成長が可能なことから、シリコン基板への成長も可能であり、大口径化という意味では有利である。 【0005】 これらのことから、単結晶シリコン基板上に3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長し3C-SiCエピタキシャル膜だけを残すことが研究されている(非特許文献4)。この方法では、Si(111)基板上におよそ100μmの3C-SiCを成長したあとに、フッ硝酸でSiを除去することで、2インチの3C-SiC自立基板を作製している。この方法は、成長後にエッチング工程を追加する必要がある。 【0006】 また、Siのように融点の低い基板上にSiCのような融点の高い膜を成長させたのちに、融点の低い基板を高温で溶解させる方法が特許文献6および7にて開示されている。 【0007】 また3C-SiCの成長については、特許文献8に記載のある通り、SiC結晶成長表面において、Si原子がC原子に対し過剰となるように保ちながら成長することで低温での成長も可能であることが開示されている。この場合のSiとCの供給源については一般的にはガスを用いる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0008】 特表2018-522412号公報 特開2021-20819号公報 特開2006-253617号公報 特開2008-184361号公報 特開2017-39622号公報 米国特許出願公開第2013/157448号明細書 米国特許出願公開第2016/307800号明細書 特開平11-162850号公報 【非特許文献】 【0009】 H. Nagasawa, K. Yagi and T. Kawahara," 3C-SiC hetero-epitaxial growth on undulant Si(001) substrate", Journal of Crystal Growth,239 (2002), p1244. D. Chaussende, F. Mercier, A. Boulle, F. Conchon, M.Soueidan, G. Ferro, A. Mantzari, A. Andreadou, E. K.Polychroniadis, C. Balloud, S. Juillaguet, J. Camassel and M.Pons, " Prospects for 3C-SiC bulk crystal growth" Journal of Crystal Growth, 310 (2008), p976. T. Ujihara, R. Maekawa, R. Tanaka, K. Sasaki, K. Kuroda andY. Takeda, " Solution growth of high-quality 3C-SiC crystals" Journal of Crystal Growth, 310 (2008) p1438. 浅村他、「低温成長による3C-SiC(111)自立基板の結晶性評価」、第62回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 13-095(2015)、応用物理学会 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 非特許文献4や特許文献6、7のように下地のSiを溶解させることで、SiCエピタキシャル層だけを残す方法では溶解したSiをどのように処理するかが非常に大きな問題となり、エピタキシャル成長装置の内部に残渣が残る等の問題が考えられる。またすべてのSiを気化させてしまうにはかなりの温度と時間を要することが、Siの蒸気圧からも容易に想像できる(1908K/1Pa)。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する