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公開番号2024044450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149966
出願日2022-09-21
発明の名称二酸化炭素吸収焼結体の製造方法
出願人中国電力株式会社,中国高圧コンクリート工業株式会社
代理人弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類C04B 35/64 20060101AFI20240326BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】石炭灰と廃コンクリート等のCa源とを混合させた混合物を用いて二酸化炭素を吸収させた二酸化炭素吸収焼結体を製造するに当たり、焼結時に炭酸カルシウムとして吸収された状態が分解されることを抑制し、また、フライアッシュに含まれる未燃炭素の燃焼により二酸化炭素が放出されることを抑制することが可能な二酸化炭素吸収焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】石炭灰(例えば、フライアッシュ)に対してCa源(例えば、廃コンクリート)を混合させた混合物に二酸化炭素雰囲気下でマイクロ波を照射させて焼結温度以上に昇温させることで二酸化炭素吸収焼結体を製造するに当たり、混合物を、マイクロ波の磁界による加熱によって昇温させるようにした。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
石炭灰に対してCa源を混合させた混合物に二酸化炭素雰囲気下でマイクロ波を照射させて焼結温度以上に昇温させることで二酸化炭素吸収焼結体を製造する方法であって、
前記混合物を、前記マイクロ波の磁界による加熱によって昇温させたことを特徴とする二酸化炭素吸収焼結体の製造方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記石炭灰は、フライアッシュであり、前記Ca源は、廃コンクリート紛であることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素吸収焼結体の製造方法。
【請求項3】
前記マイクロ波の磁界による加熱によって混合物を600℃~1000℃の範囲で焼結させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化炭素吸収焼結体の製造方法。
【請求項4】
前記混合物にNa源を更に加えて前記マイクロ波を照射させることを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化炭素吸収焼結体の製造方法。
【請求項5】
前記混合物にNa源を更に加えて前記マイクロ波を照射させることを特徴とする請求項3に記載の二酸化炭素吸収焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭灰と廃コンクリート等のCa源とを混合させた混合物を用いて二酸化炭素を吸収させた二酸化炭素吸収焼結体を製造する方法に関し、特に、焼結体の製造時に二酸化炭素の放出を低減することが可能な製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
フライアッシュは、火力発電所で化石燃料を燃焼させた場合の主な副産物であり、世界中で年間約5億トンが生成されている。このフライアッシュには、約20質量%の未燃炭素が含まれている。したがって、多くの研究者は、生成されるフライアッシュの量を減らす方法、または残留炭素を除去する方法を模索してきている(非特許文献1~3参照)。
【0003】
本出願人も、石炭火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)と電柱の製造・リサイクル時に発生する廃コンクリート(Ca源)を混合させた混合物にマイクロ波を照射させ、マイクロ波による昇温工程や焼結体を降温させる降温工程で二酸化炭素を炭酸カルシウムとして吸収させて二酸化炭素吸収焼結体を製造する技術を開発してきている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Miyake M, Kimura Y, Ohashi T, Matsuda M. Preparation of activated carbon-zeolite composite materials from coal fly ash. Microporous Mesoporous Mater 2008;112:170-7. https://doi.org/10.1016/j.micromeso.2007.09.028.
Yang L, Li D, Zhu Z, Xu M, Yan X, Zhang H. Effect of the intensification of preconditioning on the separation of unburned carbon from coal fly ash. Fuel 2019;242:174-83. https://doi.org/10.1016/j.fuel.2019.01.038.
Murayama N, Yamamoto H, Shibata J. Zeolite synthesis from coal fly ash by hydrothermal reaction using various alkali sources. J Chem Technol Biotechnol 2002;77:280-6. https://doi.org/10.1002/jctb.604.
【特許文献】
【0005】
特許第6833123号公報.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マイクロ波を照射させる昇温工程において、マイクロ波を調整することなく混合物に照射すると、吸収された炭酸カルシウムが、酸化カルシウムと二酸化炭素に分解され、二酸化炭素の吸収状態が解消される不都合が確認されている。また、焼結時においては、石炭灰(フライアッシュ)に含まれている未燃炭素の燃焼により二酸化炭素が放出される恐れもあるため、これを抑制することも要請される。
【0007】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、石炭灰と廃コンクリート等のCa源とを混合させた混合物を用いて二酸化炭素を吸収させる二酸化炭素吸収焼結体を製造するに当たり、マイクロ波による昇温時に二酸化炭素を炭酸カルシウムとして混合物に吸収させた状態が分解されることを抑制し、また、石炭灰に含まれる未燃炭素の燃焼による二酸化炭素の放出を抑制することが可能な二酸化炭素吸収焼結体の製造方法を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係る二酸化炭素吸収焼結体の製造方法は、石炭灰に対してCa源を混合させた混合物に二酸化炭素雰囲気下でマイクロ波を照射させて焼結温度以上に昇温させることで二酸化炭素吸収焼結体を製造する方法であって、前記混合物を、前記マイクロ波の磁界による加熱(磁界による寄与が最大となる加熱)によって昇温させたことを特徴としている。
すなわち、マイクロ波による磁界加熱を採用し(混合物に照射されるマイクロ波を磁界成分とし)、電界の寄与による加熱を無くす又は最小にすることで二酸化炭素吸収焼結体を製造することを特徴としている。
【0009】
マイクロ波による電界加熱(電界の寄与が最大となる加熱)を行った場合には、300℃付近まで昇温した時点で二酸化炭素の放出が顕著に表れたが、マイクロ波の磁界加熱(磁界の寄与が最大となる加熱)を行った場合には、1000℃付記まで加熱しても二酸化炭素の急激な放出は認められなかった。このことから、二酸化炭素雰囲気下においてマイクロ波の磁界加熱を採用することで、混合物に吸収された炭酸カルシウムや混合物に混在する未燃炭素の加熱が抑制され、二酸化炭素の放出を抑制することが可能となる。
【0010】
ここで、石炭灰としては、フライアッシュを利用し、Ca源としては、コンクリート廃棄物(コンクリートスラッジ、電柱の製造・リサイクル時に発生する廃コンクリート)や、鉄鋼スラグなどのCa分を豊富に含んだ粉末を用いるとよい。
また、磁界加熱において1000℃付近で二酸化炭素の放出が多くなることから、マイクロ波による磁界加熱によって混合物を焼結させる場合には、混合物を600℃~1000℃の範囲で焼結させるようにすることが好ましい。
なお、昇温特性を良くするために、混合物にNa源を更に加えて磁界加熱を行うようにしても、また、昇温工程において二酸化炭素の放出をさらに抑えるために、水を添加するようにしてもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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