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公開番号2024042369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022147040
出願日2022-09-15
発明の名称電池システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類H02J 7/04 20060101AFI20240321BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】拘束部材の変形を抑制すると共に電池セルの熱連鎖を抑制することができる電池システムを提供する。
【解決手段】電池セルの劣化度に応じて変化するセル膨張に起因する拘束部材の拘束荷重が所定の閾値を超えないようにする第1上限SOC(ステップST4で算出される第1上限SOC)、および、熱連鎖の発生を抑制できる第2上限SOC(ステップST5で算出される第2上限SOC)のうち低い側の上限SOCである設定上限SOC(ステップST7またはステップST8で決定される設定上限SOC)を用いて組電池の充電制御を行う。このため、拘束部材の変形を抑制すると共に電池セルの熱連鎖を抑制することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
積層された複数の電池セルが拘束部材によって積層方向に拘束されて成る組電池を含む電池システムにおいて、
前記電池セルの劣化度に応じて変化するセル膨張に起因する前記拘束部材の拘束荷重が所定の閾値を超えないようにする第1上限SOCを算出する第1上限SOC算出部と、
前記電池セルの劣化度に応じて変化する熱連鎖の発生のしやすさに基づき、熱連鎖の発生を抑制できる第2上限SOCを算出する第2上限SOC算出部と、
前記第1上限SOCおよび前記第2上限SOCのうち低い側の上限SOCを用いて前記組電池の充電制御を行う充電制御部と、を備えていることを特徴とする電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電池システムに係り、特に、拘束部材の変形を抑制すると共に電池セルの熱連鎖を抑制するための改良に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される電池モジュール(組電池)は、複数の電池セルが積層されていると共に、その電池セルの積層体が拘束部材によって積層方向に拘束された構成となっている。電池セルは高充電状態であるほど膨張(セル膨張)が大きくなり、また、同一充電状態であっても劣化度が高いほど(長期間使用に起因する劣化度が高いほど)セル膨張が大きくなることが知られている。
【0003】
特許文献1には、このセル膨張による拘束部材の変形を抑制することを目的として、電池セルの劣化度の上昇に従って上限SOC(State of Charge)を低く設定することが開示されている。また、この特許文献1には、電池セルの劣化度、温度およびSOCから拘束荷重を推定し、該拘束荷重の履歴から算出される累積ダメージ量に基づいて拘束部材の疲労故障を判定することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-119820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池セル同士の間にはセル間セパレータ(弾性体や断熱材で成る)が介在されている。ある電池セル(トリガセル)が熱暴走した場合、セル間セパレータが高温に曝されることになり、当該セル間セパレータの消失または弾性力の低下によって電池セル同士の間の熱抵抗が低下することになる。また、セル膨張に伴う拘束荷重の上昇によりセル間セパレータが圧縮された場合にも電池セル同士の間の熱抵抗が低下することになる。このような状況では、隣接セルへの伝熱により各電池セルが連鎖的に熱暴走する熱連鎖を引き起こしてしまうことが懸念される。
【0006】
特許文献1にあっては、拘束部材の変形を抑制するために上限SOCを低く設定することにより電池セルのエネルギを低下させて熱暴走時の発熱量を小さくすることは期待できるものの、熱連鎖を抑制する機能が担保されているとは言い難いものである。
【0007】
また、熱連鎖を抑制するためにセル間セパレータとして高性能のもの(例えば高い断熱性能が維持できるもの)を採用することも考えられるが、この場合、電池セルの搭載スペースの確保やコストの面で実用性に欠けるものとなる。このため、従来技術にあっては、拘束部材の変形を抑制すると共に電池セルの熱連鎖を抑制するための実用性の高い技術については確立されていない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、拘束部材の変形を抑制すると共に電池セルの熱連鎖を抑制することができる電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、積層された複数の電池セルが拘束部材によって積層方向に拘束されて成る組電池を含む電池システムを前提とする。そして、この電池システムは、前記電池セルの劣化度に応じて変化するセル膨張に起因する前記拘束部材の拘束荷重が所定の閾値を超えないようにする第1上限SOCを算出する第1上限SOC算出部と、前記電池セルの劣化度に応じて変化する熱連鎖の発生のしやすさに基づき、熱連鎖の発生を抑制できる第2上限SOCを算出する第2上限SOC算出部と、前記第1上限SOCおよび前記第2上限SOCのうち低い側の上限SOCを用いて前記組電池の充電制御を行う充電制御部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この特定事項により、第1上限SOC(拘束部材の拘束荷重が所定の閾値を超えないようにする上限SOC)および第2上限SOC(熱連鎖の発生を抑制できる上限SOC)のうち低い側の上限SOCを用いて組電池の充電制御を行うため、拘束荷重を低く抑えることによって拘束部材の変形を抑制することができると共に電池セルの熱連鎖を抑制することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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