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公開番号2024040809
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145404
出願日2022-09-13
発明の名称送電装置及び非接触給電システム
出願人株式会社パワーウェーブ
代理人個人
主分類H02J 50/90 20160101AFI20240318BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】負荷状態及び移動体の位置の変化による高周波電源から見た入力インピーダンスの影響を抑制できる送電装置及び非接触給電システムを提供すること。
【解決手段】高周波電源12は、その高周波電源12から見た入力インピーダンスZinの実部が変化しても、その入力インピーダンスZinの虚部が略ゼロである場合に、定電圧又は定電流を出力するものが用いられる。送電装置10には、高周波電源12と送電電極11との間に可変移相部13が設けられている。可変移相部13では、位相検出器15によって検出された電圧と電流との位相に基づき、高周波電源12から見た入力インピーダンスZinが、負荷としてのバッテリ31のインピーダンスZlの変化及び移動体30の位置の変化に対して略実部上を変化するように、位相制御器16によって可変移相器14が制御され、高周波電源から供給される電力の位相を変化させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
移動体に設けられた負荷に対して給電する電力を受信するための受電電極を有して前記移動体に設けられた受電装置に対し、電界結合方式により非接触にて電力を送信する送電装置であって、
前記受電電極と対向することにより形成される電界結合によって電力を送信する送電電極と、
その送電電極に高周波電力を供給する高周波電源と、
その高周波電源と前記送電電極との間に設けられ、前記高周波電源から供給される電力の位相を変更可能な可変移相部と、を備え、
前記高周波電源は、その高周波電源から見た入力インピーダンスの実部が変化しても、その入力インピーダンスの虚部が略ゼロである場合に、定電圧又は定電流を出力するものであり、
前記可変移相部は、
前記高周波電源から供給される電力の位相を変更する可変移相器と、
前記可変移相器の前段又は後段に設けられ、位相を判断するための電圧及び電流を検出する位相検出器と、
その位相検出器の検出結果に基づき、前記高周波電源から見た入力インピーダンスが、前記負荷のインピーダンスの変化及び前記移動体の位置の変化に対して略実部上を変化するように、前記可変移相器を制御する位相制御器と、
を備えることを特徴とする送電装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記可変移相器は、リアクタンスを変化可能な可変リアクタを有し、その可変リアクタにてリアクタンスを変化させることで前記電力の位相を変更するものであることを特徴とする請求項1記載の送電装置。
【請求項3】
前記可変移相器は、リアクタンスを変化可能な可変リアクタを有する90°ハイブリッド回路により構成され、前記可変リアクタのリアクタンスを変化させることで前記電力の位相を変更するものであることを特徴とする請求項1記載の送電装置。
【請求項4】
前記高周波電源は、出力する電圧を一定に制御する定電圧電源であり、
前記位相制御器は、前記高周波電源から見た入力インピーダンスの実部が前記伝送線路の特性インピーダンス以上となるように前記可変移相器を制御することを特徴とする請求項1記載の送電装置。
【請求項5】
前記高周波電源は、出力する電流を一定に制御する定電流電源であり、
前記位相制御器は、前記高周波電源から見た入力インピーダンスの実部が前記伝送線路の特性インピーダンス以下となるように前記可変移相器を制御することを特徴とする請求項1記載の送電装置。
【請求項6】
移動体に設けられた負荷に対して非接触にて給電する非接触給電システムであって、
請求項1から5のいずれかに記載の送電装置と、
その送電装置の送電電極から送信される電力を電界結合方式により非接触にて受信する受電電極を有し、受信した電力を前記負荷に対して給電する前記移動体に設けられた受電装置と、を備えることを特徴とする非接触給電システム。
【請求項7】
前記送電電極において、前記受電電極と対向する位置から前記高周波電源と離れる側を開放状態に設定する開放状態設定部を備えることを特徴とする請求項6記載の非接触給電システム。
【請求項8】
移動体に設けられた負荷に対して給電する電力を受信するために前記移動体に設けられた受電装置に対し、非接触にて電力を送信する送電装置であって、
前記受電装置に対して電力を送信する送電部と、
その送電部に高周波電力を供給する高周波電源と、
その高周波電源と前記送電部との間に設けられ、前記高周波電源から供給される電力の位相を変更可能な可変移相部と、を備え、
前記高周波電源は、その高周波電源から見た入力インピーダンスの実部が変化しても、その入力インピーダンスの虚部が略ゼロである場合に、定電圧又は定電流を出力するものであり、
前記可変移相部は、
前記高周波電源から供給される電力の位相を変更する可変移相器と、
前記可変移相器の前段又は後段に設けられ、位相を判断するための電圧及び電流を検出する位相検出器と、
その位相検出器の検出結果に基づき、前記高周波電源から見た入力インピーダンスが、前記負荷のインピーダンスの変化及び前記移動体の位置の変化に対して略実部上を変化するように、前記可変移相器を制御する位相制御器と、
を備えることを特徴とする送電装置。
【請求項9】
移動体に設けられた負荷に対して非接触にて給電する非接触給電システムであって、
請求項8記載の送電装置と、
その送電装置の送電部から送信される電力を非接触にて受信し、受信した電力を前記負荷に対して給電する前記移動体に設けられた受電装置と、を備えることを特徴とする非接触給電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に設けられた負荷に対して給電する電力を受信するために前記移動体に設けられた受電装置に対し、非接触にて電力を送信する送電装置と、その送電装置を備えた非接触給電システムに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車や、無人で自動的に活動する電動ビークルが注目され、種々の研究開発がなされている。このような電気自動車、電動ビークルを普及させるために、搭載されるバッテリのコストや重量、給電時間の長さ、リサイクルの難度、人的コストの増加等が課題となっている。このような課題を解決するための方法の1つとして、無人かつ非接触で給電する技術が検討されている。
【0003】
このような非接触による給電方式として、電界結合方式がある(例えば、特許文献1、2)。電界結合方式は、送電電極と受電電極との間に形成されるコンデンサによって、高周波電源から送電電極に供給される電力が、電界エネルギーとして空間を伝わることで、非接触で受電電極に電力を伝送する。電界結合方式は、受電効率や電力量が大きく、また、低コストで実現が可能であり、広範囲に亘って送電設備が必要な非接触の給電に適している。よって、電界結合方式は、電気自動車や電動ビークルへの非接触給電の主流方式として注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-3774号公報
特開2017-34919号公報
特開2022-86784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、受電電極に接続された給電対象である負荷は、その状態によってインピーダンスが変動する。例えば、負荷が給電された電力を蓄電するバッテリであれば、そのバッテリ残量によってインピーダンスは変化する。また、負荷がモータであれば、モータの加速度によってインピーダンスは変化する。負荷のインピーダンスが変動すると、高周波電源から見た入力インピーダンスの虚部が変動する。また、移動体が移動して、受電電極と送電電極との位置関係が変化する場合も、高周波電源から見た入力インピーダンスの虚部が変動する。
【0006】
このように、負荷のインピーダンスの変化や移動体の位置の変化に伴って、高周波電源から見た入力インピーダンスの虚部が変動すると、高周波電源においてエネルギー損失が発生し、供給電力の低下、高周波電源の効率低下、ひいてはスイッチング素子やその他の素子の熱破壊が生じる恐れがあるといった問題点があった。また、このような問題は、電界結合方式のみならず、送電装置側のコイルと受電装置側のコイルとを接近させて、電磁誘導により電力を非接触にて給電する磁界結合方式をはじめとして、その他の非接触給電方式においても同様に発生する。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、負荷状態及び移動体の位置の変化による高周波電源から見た入力インピーダンスの影響を抑制できる送電装置及び非接触給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明の送電装置に係る第1の態様は、移動体に設けられた負荷に対して給電する電力を受信するための受電電極を有して前記移動体に設けられた受電装置に対し、電界結合方式により非接触にて電力を送信するものであって、前記受電電極と対向することにより形成される電界結合によって電力を送信する送電電極と、その送電電極に高周波電力を供給する高周波電源と、その高周波電源と前記送電電極との間に設けられ、前記高周波電源から供給される電力の位相を変更可能な可変移相部と、を備え、前記高周波電源は、その高周波電源から見た入力インピーダンスの実部が変化しても、その入力インピーダンスの虚部が略ゼロである場合に、定電圧又は定電流を出力するものであり、前記可変移相部は、前記高周波電源から供給される電力の位相を変更する可変移相器と、前記可変移相器の前段又は後段に設けられ、位相を判断するための電圧及び電流を検出する位相検出器と、その位相検出器の検出結果に基づき、前記高周波電源から見た入力インピーダンスが、前記負荷のインピーダンスの変化及び前記移動体の位置の変化に対して略実部上を変化するように、前記可変移相器を制御する位相制御器と、を備える。
【0009】
本発明の送電装置に係る第2の態様は、第1の態様の送電装置において、前記可変移相器は、リアクタンスを変化可能な可変リアクタを有し、その可変リアクタにてリアクタンスを変化させることで前記電力の位相を変更するものである。
【0010】
本発明の送電装置に係る第3の態様は、第1又は第2の態様の送電装置において、前記可変移相器は、リアクタンスを変化可能な可変リアクタを有する90°ハイブリッド回路により構成され、前記可変リアクタのリアクタンスを変化させることで前記電力の位相を変更するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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