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公開番号2024036099
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-15
出願番号2022140826
出願日2022-09-05
発明の名称電動車両の製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 9/19 20060101AFI20240308BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】搭載しているモータを過不足なく冷却して、エネルギ効率の向上を図ることのできる電動車両の製造方法を提供する。
【解決手段】電磁鋼板を積層したコアに巻き線を保持させたコイルを有するモータを駆動力源として備え、かつモータと熱交換器との間でフルードを循環させてモータを冷却する冷却機構を備えた電動車両の製造方法であって、モータをユニットに組み立て(ステップS1)、そのモータを予め定めた指示トルクを出力するように駆動し、かつその際にモータが出力する実トルクを計測し(ステップS2)、電動車両に組み付けた冷却機構によるモータに対するフルードの供給量を、計測された実トルクに基づいた量に設定する(ステップS3)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電磁鋼板を積層したコアに巻き線を保持させたコイルを有するモータを駆動力源として備え、かつ前記モータと熱交換器との間で冷媒を循環させて前記モータを冷却する冷却機構を備えた電動車両の製造方法であって、
前記モータをユニットに組み立て、
前記ユニットにおける前記モータを予め定めた指示トルクを出力するように駆動し、かつその際に前記モータが出力する実トルクを計測し、
前記電動車両に組み付けた前記冷却機構による前記モータに対する冷媒の供給量を、計測された前記実トルクに基づいた量に設定する
ことを特徴とする電動車両の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、駆動力源としてモータを備えている電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)などの電動車両を製造する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
モータには、銅損や鉄損が必ずあるので、動作することにより発熱する。永久磁石を備えた同期モータでは、回転数が増大するほど鉄損が増大し、発熱量が増大する。また、温度が高くなると電線の被覆が損傷して絶縁不良が生じるおそれがあるばかりでなく、磁石の熱減磁によって出力トルクが低下してしまう可能性がある。そのため、従来一般に、車両の駆動力源として用いられるモータは、強制冷却を行っており、最近ではフルード(オイル)をポンプによって、モータと熱交換器(放熱器)との間で循環させて、モータを冷却することも行われている。
【0003】
モータを動作させることに伴う発熱量は、電流に比例し、また電流に比例して出力トルクが大きくなる。したがって、発熱量は出力トルクにほぼ比例するので、モータの冷却は、出力トルクに応じて、もしくは出力トルクに基づいて行うことが好ましいと言える。
【0004】
なお、モータの出力トルクを測定する発明が特許文献1に記載されている。その特許文献1に記載の発明では、動作中の同期モータの回転角、該モータのステータの温度、電流、および、端子電圧を測定し、該温度に基づいて該ステータの巻線抵抗値を補正し、該補正された巻線抵抗値、該電流、および、該端子電圧に基づいて該ステータの誘起電圧を算出し、該同期モータの回転数を算出し、前記誘起電圧と前記回転数とに基づいて前記同期モータのトルクを算出し、前記誘起電圧と前記回転数とに対応して予め算出した前記同期モータの損失のトルク換算値により前記算出されたトルクを補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平07-128161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載された発明によれば、モータのトルクを測定することができるが、特許文献1では、そのようにして測定されるトルクを出力している際の発熱量やそれに応じた冷却については言及されていない。上述したようにモータにおいてはトルクの出力と冷却とは同時並行的に行う必要があり、例えば上記の強制冷却を行う場合には、仕様上定まる指示トルクに応じて冷却のためのフルードを循環させている。しかしながら、指示トルクに応じた冷却を一律に行うと、冷却に過不足が生じることがある。すなわち、コイルを構成している巻き線のターン数やコイルの軸線方向での長さが同じであっても、コアを構成している電磁鋼板の厚さが異なっていれば、渦電流や熱容量あるいは放熱の仕方などが電磁鋼板の厚さによって異なり、鉄損やそれに伴う発熱量がモータごとに異なる場合がある。このような場合、モータとして仕様が同一もしくは類似していることにより、同一の冷却を行うとすれば、発熱量が多いモータについては冷却不足が生じてモータの耐久性が低下する可能性がある。これとは反対に発熱量が少ないモータについては冷却のためのポンプなどを過剰に駆動することになるので、必要以上に動力を消費してエネルギ効率を低下させてしまう可能性がある。
【0007】
この発明は上述した技術的課題に着目してなされたものであって、搭載しているモータを過不足なく冷却して、エネルギ効率の向上を図ることのできる電動車両の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、電磁鋼板を積層したコアに巻き線を保持させたコイルを有するモータを駆動力源として備え、かつ前記モータと熱交換器との間で冷媒を循環させて前記モータを冷却する冷却機構を備えた電動車両の製造方法であって、前記モータをユニットに組み立て、前記ユニットにおける前記モータを予め定めた指示トルクを出力するように駆動し、かつその際に前記モータが出力する実トルクを計測し、前記電動車両に組み付けた前記冷却機構による前記モータに対する冷媒の供給量を、計測された前記実トルクに基づいた量に設定することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0009】
この発明の製造方法によれば、モータにその冷却のために供給される冷媒の量が、モータが出力する実トルクに応じた量に設定される。モータは、実トルクに応じた渦電流損失などに基づく熱を発生し、その実トルクやそれに応じた渦電流損失などは、コアを構成している電磁鋼板の厚さなどの影響を受けて、モータごとに異なる場合があるが、この発明によれば、実トルクに応じた冷却を行うことになるので、モータに過剰に冷媒を供給したり、モータに対する冷媒の供給量が不足したりすることを回避することができる。すなわち、冷却機構を過不足なく駆動して不必要にエネルギを消費することのない電動車両を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
モータと冷却機構との概略的な構成を説明するための模式図である。
そのコイルの一部とそのコアにおける電磁鋼板の積層状態を示す模式図である。
指示トルクと実トルクとの関係を説明するための線図である。
指示トルクに対する実トルクの増減量と冷却のためのフルードの供給量との関係を説明するための線図である。
この発明の実施形態における製造手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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