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公開番号2024035578
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022140140
出願日2022-09-02
発明の名称絶縁型電源装置
出願人ミツミ電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20240307BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ラッチ機能を備えた制御ICを使用している絶縁型電源装置において、数秒程度の短い時間のACコンセントからのプラグの抜き差しによりラッチ停止状態を解除させて電源出力を復帰させ、ユーザーが電源装置の故障と誤判断するのを防止する。
【解決手段】トランスの一次側巻線と直列に接続されたスイッチング素子と、スイッチング素子を制御する制御ICと、制御ICの電源電圧を生成する補助電源回路とを備え、ダイオード・ブリッジ回路の正極側出力端子と制御ICの電源電圧端子または高電圧入力端子との間に抵抗素子が接続され、制御ICは異常検出時にスイッチング動作を停止させるラッチ機能を備えている絶縁型電源装置において、ダイオード・ブリッジ回路の一方の入力端子と制御ICの電源電圧端子との間に、交流入力がなくなったことを検出して平滑コンデンサを放電させることによってラッチ停止状態を解除するラッチ解除回路を設けた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力された交流を直流に変換するダイオード・ブリッジ回路と、該ダイオード・ブリッジ回路の後段に接続された平滑コンデンサと、補助巻線を備え前記平滑コンデンサにより平滑された電圧が一次側巻線に印加される電圧変換用のトランスと、前記一次側巻線と直列に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する電源制御用半導体装置と、前記補助巻線に誘起された電圧を整流し平滑して前記電源制御用半導体装置の電源電圧を生成する補助電源回路と、を備え、前記ダイオード・ブリッジ回路の正極側出力端子と前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子または高電圧入力端子との間に抵抗素子が接続されている絶縁型電源装置であって、
前記電源制御用半導体装置は、異常検出時に前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させるラッチ機能を備え、
前記ダイオード・ブリッジ回路の一方の入力端子と前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子との間に、前記ダイオード・ブリッジ回路への交流入力がなくなったことを検出して前記平滑コンデンサの蓄積電荷を放電させることによって前記ラッチ機能によるラッチ停止状態を解除するラッチ解除回路が設けられていることを特徴とする絶縁型電源装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ラッチ解除回路は、前記ダイオード・ブリッジ回路への交流入力の有無を検出する交流入力検出回路と、前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子と接地点との間に接続され前記交流入力検出回路からの信号によってオン、オフされる第1トランジスタを有する放電回路と、を備え。
前記交流入力検出回路は、前記ダイオード・ブリッジ回路の一方の入力端子と接地点との間に直列形態に接続された整流素子および高抵抗素子を含む複数の抵抗素子からなり前記交流入力を分圧する抵抗分圧回路を備え、前記抵抗分圧回路により分圧された電圧に基づいて前記ダイオード・ブリッジ回路への交流入力の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の絶縁型電源装置。
【請求項3】
前記交流入力検出回路は、前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子と接地点との間に直列形態に接続された高抵抗素子および第2トランジスタを備え、該第2トランジスタの制御端子に前記抵抗分圧回路により分圧された電圧が印加され、当該第2トランジスタの出力電位によって前記放電回路を構成する前記第1トランジスタがオン、オフ制御されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の絶縁型電源装置。
【請求項4】
前記抵抗分圧回路は、
前記ダイオード・ブリッジ回路の一方の入力端子と接地点との間に前記整流素子と直列形態に接続された第1抵抗素子および第2抵抗素子と、
前記第1抵抗素子と第2抵抗素子の接続ノードと接地点との間に直列形態に接続された第3抵抗素子および第4抵抗素子と、
前記第1抵抗素子と第2抵抗素子の接続ノードと接地点との間に接続された容量素子と、を備え、少なくとも前記第1抵抗素子は高抵抗素子により構成されており、
前記第3抵抗素子と第4抵抗素子の接続ノードに、前記第2トランジスタの制御端子が接続され、
前記第2トランジスタはバイポーラトランジスタであり、前記第3抵抗素子と第4抵抗素子の接続ノードの電位は、交流が入力されている状態であって交流入力電圧が最低値の時でもベース・エミッタ間飽和電圧以上になるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の絶縁型電源装置。
【請求項5】
前記交流入力検出回路による交流入力の遮断検出から前記放電回路による放電開始までの時間は、通常動作時における前記スイッチング素子のスイッチング動作1サイクルの時間よりも長くなるように、前記抵抗分圧回路の時定数が設定されていることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の絶縁型電源装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換用トランスの一次側巻線と直列に接続されたスイッチング素子を制御する制御用半導体装置を備えた絶縁型電源装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、スイッチング電源装置の1つとして、トランスの一次側巻線に間欠的に電流を流すためのスイッチング素子としてのトランジスタ(シリコン基板の他、GaNやSiCの基板上のトランジスタを含む)および該スイッチング素子をオン、オフ制御する制御回路(一次側制御IC)を備え、一次側巻線に電流を流すことで二次側巻線に誘起された電流をダイオードにより整流し、コンデンサで平滑して出力するスイッチング電源装置(絶縁型DC-DCコンバータ)がある。
また、直流電源装置には、交流電源を整流するダイオード・ブリッジ回路と、該回路で整流された直流電圧を、上記スイッチング電源装置(絶縁型DC-DCコンバータ)で降圧して所望の電位の直流電圧に変換する絶縁型AC-DCコンバータがある。
【0003】
従来、絶縁型AC-DCコンバータを構成する一次側制御ICには、安全性を確保するために、入力電圧の異常や過電流出力、過電圧出力、内部温度上昇などの異常を検出する保護機能が設けられている。かかる保護機能として、異常検出時にスイッチング素子の発振(スイッチング動作)を強制的に停止させるラッチ機能と呼ばれる制御機能がある。なお、ラッチ機能に関する発明は、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
このラッチ機能による停止状態を解除するためには、通常の場合、電源装置のユーザーが異常要因を取り除いた後、ACコンセントから電源コードの先端のプラグを引き抜いて電源装置を切り離し、数分~数十分の間放置する必要がある。理由は、ダイオード・ブリッジ回路の後段には安定化用の大容量コンデンサが設けられており、このコンデンサに蓄積された電荷によって一次側制御ICの電源電圧が下がらず動作状態をキープするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-135967号公報
特開2019-92289号公報
特開2019-103290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラッチ機能を備えた一次側制御ICを使用した電源装置においては、ラッチ停止状態に陥った場合、スイッチング動作が停止するのみで、状態表示を行うことはない。そのため、かかる電源装置のユーザーは、ラッチ停止で電源装置の出力がなくなると、ラッチ状態であることに気づかず、ACコンセントからプラグを引き抜いてすぐに差し込む操作を、一般に行う。しかし、ラッチ停止の場合、一次側コンデンサの残留電荷で一次側制御ICが作動状態を継続しているので、ラッチ停止状態が解除されることがない。そのため、ユーザーはプラグを抜き差ししたことで一次側制御ICが再起動したと勘違いし、プラグを抜き差ししても電源装置の出力がないと、その時点で電源装置が故障していると判断してしまう可能性が高いという課題がある。
【0007】
なお、AC電源がオフなったことを検出したときに、ダイオード・ブリッジ回路の後段のコンデンサに保持されている残留電荷を放電させる放電回路を設けるようにした発明として、例えば特許文献2に記載されているものがある。また、上記コンデンサの電荷量がスイッチングIC(一次側制御IC)の作動に必要な最低限の電荷量を下回った場合に、二次側からのフィードバック電圧を保持する第2のコンデンサを放電させ、発振停止状態を解除する強制放電回路を設けるようにした発明として、例えば特許文献3に記載されているものがある。
【0008】
特許文献2に記載されている放電回路は、一次側巻線に接続されているスイッチング素子を利用してダイオード・ブリッジ回路の後段のコンデンサに保持されている残留電荷を放電させるものであり、本願発明とは放電の仕方が全く異なる。
また、特許文献3に記載されている強制放電回路は、AC電源が断たれダイオード・ブリッジ回路の後段のコンデンサの電荷量がスイッチングICの作動に必要な最低限の電荷量を下回った場合に、フィードバック電圧を保持する第2のコンデンサを放電させるというもので、本願発明とは放電対象のコンデンサが異なる。
【0009】
本発明は前述したような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ラッチ停止の機能を備えた一次側制御ICを使用している絶縁型電源装置において、数秒程度の短い時間のACコンセントからのプラグの抜き差しによりラッチ停止状態を解除させて電源出力を復帰させることができ、それによってユーザーが電源装置の故障と誤判断するのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明は、
入力された交流を直流に変換するダイオード・ブリッジ回路と、該ダイオード・ブリッジ回路の後段に接続された平滑コンデンサと、補助巻線を備え前記平滑コンデンサにより平滑された電圧が一次側巻線に印加される電圧変換用のトランスと、前記一次側巻線と直列に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する電源制御用半導体装置と、前記補助巻線に誘起された電圧を整流し平滑して前記電源制御用半導体装置の電源電圧を生成する補助電源回路と、を備え、前記ダイオード・ブリッジ回路の正極側出力端子と前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子または高電圧入力端子との間に抵抗素子が接続されている絶縁型電源装置において、
前記電源制御用半導体装置は、異常検出時に前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させるラッチ機能を備え、
前記ダイオード・ブリッジ回路の一方の入力端子と前記電源制御用半導体装置の電源電圧端子との間に、前記ダイオード・ブリッジ回路への交流入力がなくなったことを検出して前記平滑コンデンサの蓄積電荷を放電させることによって前記ラッチ機能によるラッチ停止状態を解除するラッチ解除回路が設けられているように構成したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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