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公開番号2024029803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022132190
出願日2022-08-23
発明の名称熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、および、それを用いた樹脂成形体、およびその製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08G 69/32 20060101AFI20240229BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を提供すること。
【解決手段】芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンと、から誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、および、それを用いた樹脂成形体により得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとから誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、前記芳香族ジアミンから誘導される単位が、第1の芳香族ジアミン成分としてのメタフェニレンジアミン成分と、第2の芳香族ジアミン成分とを含む請求項1に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
【請求項3】
前記第2の芳香族ジアミン成分が、パラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、および4,4’-ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分であり、メタフェニレンジアミン成分と、前記第2の芳香族ジアミン成分のモル比の比率が、65:35~95:5である請求項2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
【請求項4】
1)請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、2)前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
【請求項6】
JIS K 7171に規定される曲げ強度が50MPa以上で、JIS K 7171に規定される曲げ弾性率が3500~15000MPaである請求項5記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
【請求項7】
前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、をさらに含有する請求項5に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
【請求項8】
芳香族ジカルボン酸と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを重合することで得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を圧縮成形して得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、およびそれを用いた樹脂成形体に関するものである。さらに詳しくは、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体、およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的特性等に優れた材料であり、電子・電気部品、自動車等の用途で幅広く利用されている。例えば、電子機器に用いられる高周波用配線基板や多層配線基板という用途ではより高性能な、特に機械物性や耐熱性の高い樹脂成形体を得るための熱可塑性樹脂が求められているが、一般的な脂肪族ポリアミドや半芳香族ポリアミドでは機械物性や耐熱性が不十分であった。
【0003】
機械物性や耐熱性が高いポリアミドとして、例えば、特許文献1のようなパラ型全芳香族ポリアミドが挙げられる。パラ型全芳香族ポリアミドは、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性等に優れる一方で、融点と分解温度が近く、熱可塑性樹脂としての取扱い性が悪いという課題がある。機械物性や耐熱性が高いポリアミドとして、例えば、特許文献2のようなメタ型全芳香族ポリアミドが挙げられる。特許文献2では、メタフェニレンジアミンと、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライドを用いた、ポリマー繰り返し単位の40モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位である芳香族ポリアミド樹脂およびそれを用いた成形品が開示されているが、機械物性が低く、従来技術では、高性能な熱可塑性コポリアミド樹脂を得ることができていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-32123号公報
特開昭62-121731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した背景の通り、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、複数の特定のモノマーを重合することにより熱可塑性コポリアミド樹脂が得られることを見出し、その樹脂を用いることで高い機械物性と耐熱性を有する樹脂成形体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明によれば、
1.芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとから誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、
2.前記芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、前記芳香族ジアミンから誘導される単位が、第1の芳香族ジアミン成分としてのメタフェニレンジアミン成分と、第2の芳香族ジアミン成分とを含む前記1に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、
3.前記第2の芳香族ジアミン成分が、パラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、および4,4’-ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分であり、メタフェニレンジアミン成分と、前記第2の芳香族ジアミン成分のモル比の比率が、65:35~95:5である前記2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、そして、
4.1)前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、2)前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂組成物、そして、
5.前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、
6.JIS K 7171に規定される曲げ強度が50MPa以上で、JIS K 7171に規定される曲げ弾性率が3500~15000MPaである請求項5記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、
7.前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、をさらに含有する前記5に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、そして、
8.芳香族ジカルボン酸と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを重合することで得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂の製造方法。
9.前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を圧縮成形して得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体の製造方法、
が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンから誘導される単位から構成され、熱可塑性を示す芳香族コポリアミド樹脂である。より好ましくは、芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、芳香族ジアミンが、メタフェニレンジアミン成分と、メタフェニレンジアミン成分とは異なる第2の芳香族ジアミン成分とを含むことが好ましい。
【0010】
芳香族ジカルボン酸誘導体は、例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、1,5-(9-オキソフルオレン)ジカルボン酸ジクロライド、1,4-アントラセンジカルボン酸ジクロライド、1,4-アントラキノンジカルボン酸ジクロライド、2,5-ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、1,5-ビフェニレンジカルボン酸ジクロライド、4,4’-ビフェニルジカルボニルクロライド、4,4’-メチレン二安息香酸ジクロライド、4,4’-イソプロピリデン二安息香酸ジクロライド、4,4’-ビベンジルジカルボン酸ジクロライド、4,4’-スチルベンジカルボン酸ジクロライド、4,4’-トランジカルボン酸ジクロライド、4,4’-カルボニル二安息香酸ジクロライド、4,4’-オキシ二安息香酸ジクロライド、4,4’-スルホニル二安息香酸ジクロライド、4,4’-ジチオ二安息香酸ジクロライド、p-フェニレン二酢酸ジクロライド、3,3’-p-フェニレンジプロピオン酸ジクロライド等の芳香族ジカルボン酸ジクロライド等の成分を挙げることができる。機械物性と耐熱性の高い溶融成形体を得るためには、イソフタル酸ジクロライド成分を用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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