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公開番号2024027760
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130841
出願日2022-08-19
発明の名称電力融通システム、電力融通方法、電力融通プログラム
出願人国立大学法人東北大学,学校法人中部大学,国立大学法人京都大学,株式会社明電舎
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02J 3/00 20060101AFI20240222BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】配電系統における停電復旧スイッチ構成の切替手順中で新たな停電区間の発生を防止する。
【解決手段】方法は、配電系統のスイッチ構成すべてを圧縮したZDDのデータ構造を構築し、このZDDのデータ構造から事故時の区間をすべて含み、かつ、故障個所を含まない集合を実行可能な解集合ZDDとするS02。また、ZDDで表されたS01の各スイッチ構成それぞれについて「add演算」と「安全なswap演算」とを実行し、両演算の結果の和集合演算を行うS03。この和集合演算の結果と解集合ZDDとの共通集合演算を行うことにより、n+1手で得られるスイッチ構成に対して、各演算を行い、n+1手で切り替えられるスイッチ構成すべてを得る。これを繰り返すことで、すべての区間を含むスイッチ構成、即ちすべての区間が通電しているスイッチ構成又は区間最大数や停電量が最小のスイッチ構成を切替手順保存部5に保存して実行する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
複数の開閉器を備える配電系統の電力融通システムであって、
前記配電系統の情報を保持する系統設備データ部と、
前記系統設備データ部の保持情報を取得し、停電復旧の手順を算出する演算処理部と、
前記停電復旧後の切替手順を保持する切替手順保存部と、
を備え、
前記演算処理部は、
前記配電系統のスイッチ構成すべてを圧縮したゼロサプレス型二分決定グラフ(以下、ZDDとする。)のデータ構造から事故時の通電している区間をすべて含み、かつ故障個所を含まない集合を抽出し、抽出された集合を実行可能な解集合とし、
前記ZDDのデータ構造で表されたn(n=0以上の整数)手で切り替えられる各スイッチ構成それぞれについてadd演算とswap演算とを実行し、
前記add演算の実行により、前記開閉器を開状態から閉状態に変更して前記ZDDのデータ構造を作り変え、
前記swap演算の実行により、事故を発生させていない場合に限り、前記開閉器を開状態から閉状態に変更し、かつ別の開閉器を一つ閉状態から開状態に変更して前記ZDDのデータ構造を作り変え、
前記add演算と前記swap演算との結果の和集合演算を実行し、前記解集合と前記和集合との共通集合演算を行うことにより、n+1手で切り替えられるスイッチ構成の集合を取得し、
前記取得した集合を前記切替手順保存部に保持し、
前記切替手順保存部に保持した開閉器の開閉状態を実行することを特徴とする電力融通システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記各演算を行い前記開閉状態を切り替えながら、全区間が通電状態であるスイッチ構成が得られるまで前記演算を繰り返す
ことを特徴とする請求項1記載の電力融通システム。
【請求項3】
すべての区間が通電している集合が得られなかった場合には、区間最大数または停電量が最小の開閉状態を前記切替手順保存部に保持する
ことを特徴とする請求項1記載の電力融通システム。
【請求項4】
前記ZDDのデータ構造は、どの区間もただ1つの前記開閉器から供給を受けることで事故時の停電区間を極小化する放射状制約と、
前記配電系統内の各線路を許容電流以下にする線路容量制約と、
前記配電系統内の各箇所を許容電圧範囲内に収める電圧制約と、
を同時に満たすことを特徴とする請求項1記載の電力融通システム。
【請求項5】
複数の開閉器を備えた配電系統の情報を保持する系統設備データ部と、
前記系統設備データ部の保持情報を取得し、停電復旧の手順を算出する演算処理部と、
前記停電復旧後の切替手順を保持する切替手順保存部と、
を備えた配電系統の電力融通システムの実行する方法であって、
前記演算処理部が、
前記配電系統のスイッチ構成すべてを圧縮したゼロサプレス型二分決定グラフ(以下、ZDDとする。)のデータ構造から事故時の通電している区間をすべて含み、かつ故障個所を含まない集合を抽出し、抽出された集合を実行可能な解集合とするステップと、
前記ZDDのデータ構造で表されたn(n=0以上の整数)手で切り替えられる各スイッチ構成それぞれについてadd演算とswap演算とを実行し、
前記add演算の実行により、前記開閉器を開状態から閉状態に変更して前記ZDDのデータ構造を作り変え、
前記swap演算の実行により、事故を発生させていない場合に限り、前記開閉器を開状態から閉状態に変更し、かつ別の開閉器を一つ閉状態から開状態に変更して前記ZDDのデータ構造を作り変え、
前記add演算と前記swap演算との結果の和集合演算を実行するステップと、
前記解集合と前記和集合との共通集合演算を行うことにより、n+1手で切り替えられるスイッチ構成の集合を取得するステップと、
前記取得した集合を切替手順保存部に保持し、前記切替手順保存部に保持した開閉器の開閉状態を実行するステップと、
を有することを特徴とする電力融通方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか記載の電力融通システムとしてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一般送配電事業者の配電系統における電力融通の技術に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
配電系統における電力の供給経路は、開閉器の開閉状態(スイッチ構成)によって放射状系統を形成している。配電系統に停電などの事故が発生した場合や工事等で計画的に停電を行う場合には、通常の経路からの電力供給が不可能となる。
【0003】
したがって、別の経路からの電力供給が必要となる。このときスイッチ構成を変更することで周辺の電力を融通する“別の経路”を算出する。その手法として、特許文献1および非特許文献1,2の技術が公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-061334
【非特許文献】
【0005】
井上武,高野圭司,渡辺喬之,川原純,岸本章宏,津田宏治,湊真一,林泰弘 “ZDDを用いた系統運用制約を満たす配電網構成の網羅的探索手法” 平成24年度電気学会全国大会,6-031(2012)
Takehiro Ito, Jun Kawahara, Yu Nakahata, Takehide Soh, Akira Suzuki, Junichi Teruyama, Takahisa Toda, “ZDD-Based Algorithmic Framework for Solving Shortest Reconfiguration Problems,”arXiv 2207.13959, 2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、系統構成データに基づき供給点が複数の需要点に繋がっているか否かを確認し、繋がっている場合に供給点を所定の仮想供給点に分割し、仮想供給点の供給量の合計が供給点と一致するように設定する。ところが、特許文献1では、木構造の多段融通は考慮されておらず、停電箇所が多く残る可能性があった。
【0007】
この点につき非特許文献1では、ゼロサプレス型二分決定グラフ(以下、ZDDとする。)と呼ばれるデータ構造を用いることで配電系統において実行可能な全てのスイッチ構成を圧縮して保持することを可能としている。これにより多段融通も考慮に入れた停電復旧のスイッチ構成を求めることができるものの、停電発生時のスイッチ構成から停電復旧のスイッチ構成への切替手順は求められなかった。
【0008】
そこで、非特許文献2では、ZDDのデータ構造を用いて、多段融通を考慮した停電復旧のスイッチ構成を算出するだけでなく、そのスイッチ構成への切替手順を同時に求めている。ここではZDDのデータ構造に対して、add演算とswap演算とを定義することで切替手順を算出している。
【0009】
しかしながら、この技術が算出する停電復旧スイッチ構成への切替手順では、その途中で新たな停電区間を発生させる場合があり、実運用への適用に問題を生じるおそれがあった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、配電系統における停電復旧スイッチ構成の切替手順中で新たな停電区間を発生させないことを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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