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公開番号2024025288
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128625
出願日2022-08-12
発明の名称太陽電池の製造方法
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類H10K 30/50 20230101AFI20240216BHJP()
要約【課題】全ての製造工程を常温常圧下で行うことが可能な、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池の製造方法は、n型Si基板10をフッ酸に浸漬して、Si基板両面にある自然酸化膜を除去する工程(A)、Si基板の一方の表面に導電性ペーストを塗布して第1の電極30aを形成する工程(B)、Si基板の他方の表面にPEDOT:PSS溶液を塗布してp型PEDOT:PSS層20を形成する工程(C)、及びPEDOT:PSS層表面に導電性ペーストを塗布して第2の電極30bを形成する工程(D)を含み、Si基板のドーピング濃度は、5×1018~5×1019cm-3の範囲にあり、工程(A)後であって、工程(C)前に、Si基板を超純水に浸漬して、Si基板の他方の表面に酸化膜を形成する工程(E)を含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法であって、
n型のSi基板をフッ酸に浸漬して、前記Si基板の両面にある自然酸化膜を除去する工程(A)と、
前記Si基板の一方の表面に、導電性ペーストを塗布して、第1の電極を形成する工程(B)と、
前記Si基板の他方の表面に、PEDOT:PSS溶液を塗布して、p型のPEDOT:PSS層を形成する工程(C)と、
前記PEDOT:PSS層の表面に、導電性ペーストを塗布して、第2の電極を形成する工程(D)と
を含み、
前記Si基板におけるn型不純物のドーピング濃度は、5×10
18
cm
-3
~5×10
19
cm
-3
の範囲にあり、
前記工程(A)の後であって、前記工程(C)の前に、前記Si基板を超純水に浸漬して、少なくとも前記Si基板の他方の表面に酸化膜を形成する工程(E)をさらに含み、
前記工程(A)~前記工程(E)は、全て、常温常圧下で実行される、太陽電池の製造方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記工程(E)は、前記工程(B)の後に実行される、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項3】
前記工程(E)において、前記Si基板を超純水に浸漬する時間は、前記Si基板の他方の表面に形成される酸化膜の厚みが、0.1nm~1nmの範囲になるように制御される、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項4】
前記工程(C)において、前記PEDOT:PSS層の膜厚は、100nm~450nmの範囲に形成される、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
シリコン系や化合物半導体系の太陽電池は、製造プロセスの中で、高温・低圧にする工程があるため、製造コストが高くなり、生産性も低いことから、広く普及を進めることが難しい。一方の有機半導体は、塗布によって積層できるため,従来のpn接合形成に必要な加熱が不要であり、製造工程が大幅に短縮されるため、低コスト・ハイスループットな太陽電池として注目されている。
【0003】
有機半導体を用いた太陽電池として、p型のpoly(3,4-ethylenedioxythiophene) polystyrene sulfonate(PEDOT:PSS)と、n型のSi基板とのヘテロ接合構造を有する太陽電池が開発されている(非特許文献1)。
【0004】
このような構造の太陽電池は、Si基板にPEDOT:PSS溶液を塗布、乾燥させることによって、容易にpn接合を形成することができる。また、電極も、Si基板及びPEDOT:PSS層の表面に、それぞれ、導電性ペーストを塗布することによって、容易に形成することができる。これにより、太陽電池を、低コストで、ハイスループットに製造することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
J. P. Thomas et al., Adv. Funct. Mater. 24, 4978 (2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池では、発電性能を得るために、ドーピング濃度が、10
16
cm
-3
程度の半絶縁性のSi基板が用いられている。そのため、Si基板の表面に導電性ペーストを塗布して電極を形成する場合、Si基板と電極との界面で、実用に適した低抵抗なオーミックコンタクトを得るためには、導電性ペーストを塗布した後、高温でアニールを行う必要がある。そのため、全ての製造工程を、常温常圧下で行って、太陽電池を製造する方法は、未だ確立されていない。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、全ての製造工程を、常温常圧下で行い、発電効率が高く、低コスト、かつハイスループットに製造することが可能な、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法であって、n型のSi基板をフッ酸に浸漬して、Si基板の両面にある自然酸化膜を除去する工程(A)と、Si基板の一方の表面に、導電性ペーストを塗布して、第1の電極を形成する工程(B)と、Si基板の他方の表面に、PEDOT:PSS溶液を塗布して、p型のPEDOT:PSS層を形成する工程(C)と、PEDOT:PSS層の表面に、導電性ペーストを塗布して、第2の電極を形成する工程(D)とを含み、Si基板におけるn型不純物のドーピング濃度は、5×10
18
cm
-3
~5×10
19
cm
-3
の範囲にあり、工程(A)の後であって、工程(C)の前に、Si基板を超純水に浸漬して、少なくともSi基板の他方の表面に酸化膜を形成する工程(E)をさらに含み、工程(A)~工程(E)は、全て、常温常圧下で実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、全ての製造工程を、常温常圧下で行い、発電効率が高く、低コスト、かつハイスループットに製造することが可能な、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
n型Si基板に電極を形成し、伝送線路法を用いて電気抵抗率を測定した結果を示したグラフである。
本発明の一実施形態におけるPEDOT:PSS/Siヘテロ接合構造を有する太陽電池の構造を模式的に示した断面図である。
PEDOT:PSS層の構造式を示した図である。
太陽電池の電流-電圧特性を測定した結果を示したグラフである。
製造プロセスAで作製した太陽電池の構造を模式的に示した図である。
製造プロセスBで作製した太陽電池の構造を模式的に示した図である。
製造プロセスCで作製した太陽電池の構造を模式的に示した図である。
製造プロセスDで作製した太陽電池の構造を模式的に示した図である。
Si基板のドーピング濃度を10
16
cm
-3
にした場合のPEDOT:PSS/Si接合のバンド構造を示した図である。
Si基板のドーピング濃度を10
19
cm
-3
にした場合のPEDOT:PSS/Si接合のバンド構造を示した図である。
Si基板のドーピング濃度を10
19
cm
-3
にすると共に、PEDOT:PSS層とSi基板との界面に酸化膜が形成された場合のPEDOT:PSS/Si接合のバンド構造を示した図である。
本発明の一実施形態における太陽電池の製造方法を模式的に示した断面図である。
製造プロセスDで作製した太陽電池において、Si基板を超純水に浸漬した時間を変えたときの発電効率の変化を測定した結果を示したグラフである。
製造プロセスDで作製した太陽電池において、PEDOT:PSS層の膜厚を変えたときの発電効率の変化を測定した結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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