TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024025026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128117
出願日2022-08-10
発明の名称発泡材料の製造方法及び発泡材料
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08J 9/04 20060101AFI20240216BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】発泡剤を使用しない場合でも、発泡倍率が高く、生分解性を有する発泡材料を作製することが可能な発泡材料の製造方法、及び、発泡材料を提供する。
【解決手段】水酸基含有高分子と、水とを含有する発泡性混合物を作製する発泡性混合物作製工程と、前記発泡性混合物を加圧発泡させる加圧発泡工程とを有し、前記水酸基含有高分子は、60℃の水に1重量%以上溶解し、かつ、前記水酸基含有高分子の1重量%溶液は、60℃から25℃まで冷却した際にゲル化せず、前記発泡材料の前記発泡性混合物に対する発泡倍率は、2倍以上である、発泡材料の製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
水酸基含有高分子と、水とを含有する発泡性混合物を作製する発泡性混合物作製工程と、
前記発泡性混合物を加圧発泡させる加圧発泡工程とを有し、
前記水酸基含有高分子は、60℃の水に1重量%以上溶解し、かつ、前記水酸基含有高分子の1重量%溶液は、60℃から25℃まで冷却した際にゲル化せず、
発泡材料の前記発泡性混合物に対する発泡倍率は、2倍以上である、
発泡材料の製造方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記発泡性混合物は、温度25℃で動的粘弾性測定を行った場合、周波数1s
-1
における損失弾性率が100Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率と損失弾性率とが等しくなるクロスオーバー周波数を有し、クロスオーバー周波数よりも低周波数側において貯蔵弾性率が損失弾性率よりも小さく、かつ、クロスオーバー周波数よりも高周波数側で貯蔵弾性率が損失弾性率よりも大きい、請求項1記載の発泡材料の製造方法。
【請求項3】
前記クロスオーバー周波数は、周波数0.1~100s
-1
の間に位置する、請求項2記載の発泡材料の製造方法。
【請求項4】
前記発泡性混合物は、水酸基含有高分子及び水のみからなる、請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
【請求項5】
前記水酸基含有高分子は、25℃の水に40重量%以上溶解する、請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
【請求項6】
前記水酸基含有高分子は、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみから構成される、請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
【請求項7】
前記水酸基含有高分子は、多糖類である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
【請求項8】
前記加圧発泡工程において、1MPa以上で加圧する、請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法で作製される発泡材料であって、密度が0.6g/cm

以下である、発泡材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡材料の製造方法及び発泡材料に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、発泡体は、緩衝材、遮音材、断熱材、食品包装材、衣料材、建材用として用いられており、柔らかさ、クッション性等の弾性、断熱性等に優れているという点が求められている。このような発泡体としては、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン系などに代表される熱可塑性樹脂発泡体がよく知られている。
【0003】
一般的な発泡体を得る方法としては、通常物理的方法によるものと化学的方法によるものとがある。一般的な物理的方法としては、クロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)をポリマーに分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発させることにより気泡を形成させるものである。また化学的方法においては、ポリマーベースに添加された化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得るものである。
例えば、特許文献1には、樹脂の分解温度以下の温度で気体を放出する発泡剤を添加することで発泡成形を行う発泡成形品の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、澱粉、熱可塑性ポリマーに、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の核剤(発泡剤)を添加することで発泡成形を行う発泡プラスチック材料の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭50-109262号公報
特開平8-59892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、二酸化炭素の排出など各種の環境への問題が存在する。また、発泡後、発泡体中に残る、腐食性ガスや不純物による汚染が問題となっている。
更に、ポリ乳酸(PLA)等の生分解性プラスチックを発泡体としたものが市販されているが、ポリ乳酸は発泡性がなく、ビーズ状のポリ乳酸に重曹などの発泡剤を添加させる必要があるため、上記と同様の問題が生じている。
【0006】
本発明は、発泡剤を使用しない場合でも、発泡倍率が高く、生分解性を有する発泡材料を作製することが可能な発泡材料の製造方法、及び、発泡材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
項1.水酸基含有高分子と、水とを含有する発泡性混合物を作製する発泡性混合物作製工程と、前記発泡性混合物を加圧発泡させる加圧発泡工程とを有し、前記水酸基含有高分子は、60℃の水に1重量%以上溶解し、かつ、前記水酸基含有高分子の1重量%溶液は、60℃から25℃まで冷却した際にゲル化せず、発泡材料の前記発泡性混合物に対する発泡倍率は、2倍以上である、発泡材料の製造方法。
項2.前記発泡性混合物は、温度25℃で動的粘弾性測定を行った場合、周波数1s
-1
における損失弾性率が100Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率と損失弾性率とが等しくなるクロスオーバー周波数を有し、クロスオーバー周波数よりも低周波数側において貯蔵弾性率が損失弾性率よりも小さく、かつ、クロスオーバー周波数よりも高周波数側で貯蔵弾性率が損失弾性率よりも大きい、項1記載の発泡材料の製造方法。
項3.前記クロスオーバー周波数は、周波数0.1~100s
-1
の間に位置する、項2記載の発泡材料の製造方法。
項4.前記発泡性混合物は、水酸基含有高分子及び水のみからなる、項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
項5.前記水酸基含有高分子は、25℃の水に40重量%以上溶解する、項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
項6.前記水酸基含有高分子は、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみから構成される、項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
項7.前記水酸基含有高分子は、多糖類である、項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
項8.前記加圧発泡工程において、1MPa以上で加圧する、項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法。
項9.項1~3のいずれかに記載の発泡材料の製造方法で作製される発泡材料であって、密度が0.6g/cm

以下である、発泡材料。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明において、発泡材料の発泡性混合物に対する発泡倍率は2倍以上であり、好ましくは2.5倍以上、より好ましくは4倍以上である。
なお、上記発泡倍率の上限は特に限定されないが10倍である。
上記発泡倍率は、発泡前後の体積から算出することができる。
【0009】
本発明の発泡材料の製造方法では、水酸基含有高分子と、水とを含有する発泡性混合物を作製する発泡性混合物作製工程を行う。
【0010】
本発明において、上記発泡性混合物は、温度25℃で動的粘弾性測定を行った場合、周波数1s
-1
における損失弾性率が100Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率と損失弾性率とが等しくなるクロスオーバー周波数を有し、クロスオーバー周波数よりも低周波数側において貯蔵弾性率が損失弾性率よりも小さく、かつ、クロスオーバー周波数よりも高周波数側で貯蔵弾性率が損失弾性率よりも大きいことが好ましい。
このような特徴を有することで、ゲル化が起こりにくくなるとともに、水に溶解した状態で水酸基含有高分子のからみ合いが存在しやすくなる。
なお、上記動的粘弾性測定は、例えば、ひずみ制御型レオメーター等によって測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
1か月前
国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
28日前
国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
26日前
国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
26日前
国立大学法人京都大学
面発光レーザ素子
4か月前
国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
1か月前
国立大学法人京都大学
多環芳香族化合物
20日前
国立大学法人京都大学
太陽電池の製造方法
2か月前
国立大学法人京都大学
咽喉頭手術練習用模型
1か月前
国立大学法人京都大学
レボグルコサンの製造方法
4か月前
ダイキン工業株式会社
撥剤
今日
国立大学法人京都大学
発泡材料の製造方法及び発泡材料
2か月前
国立大学法人京都大学
非破壊検査装置、及び非破壊検査方法
1か月前
国立大学法人京都大学
不完全なSSR領域を有するプライマー
4か月前
国立大学法人京都大学
照明装置、撮像システム、及び評価方法
5か月前
国立大学法人大阪大学
人工肛門デバイス
20日前
国立大学法人京都大学
レスベラトロールのモノ配糖体の製造方法
4か月前
国立大学法人京都大学
量子吸収分光システム及び量子吸収分光方法
3か月前
ニチリンケミカル株式会社
固着用水性組成物
5か月前
ダイキン工業株式会社
ピラーアレーン複合体
11日前
ダイキン工業株式会社
ピラーアレーン複合体
26日前
ダイキン工業株式会社
ピラーアレーン複合体
11日前
マレリ株式会社
推定装置および推定方法
7日前
国立大学法人京都大学
種卵の非破壊検査装置及び種卵の非破壊検査方法
3か月前
スミダコーポレーション株式会社
磁場測定装置
26日前
学校法人中部大学
多孔質複合体とその製造方法
1か月前
国立大学法人京都大学
マイクロフックシースと内視鏡付きマイクロフック
3か月前
住友化学株式会社
電解質組成物、電解質、及び電池
1か月前
スタンレー電気株式会社
波長変換装置及び照明装置
4か月前
住友化学株式会社
電解質組成物、電解質、及び電池
1か月前
スタンレー電気株式会社
波長変換装置及び照明装置
4か月前
住友化学株式会社
複合電解質、電池用電解質及び電池
4日前
住友化学株式会社
イオン伝導性物質、電解質、及び電池
1か月前
スミダコーポレーション株式会社
測定装置および測定方法
3か月前
日本電信電話株式会社
検証方法、検証装置及びプログラム
3か月前
国立大学法人京都大学
リグニン由来モノマーの製造方法およびモノマーの製造方法
2か月前
続きを見る